行けばわかる!青森県立美術館が大人気の理由

開館7年で300万人達成 青森県立美術館が人気の理由
施設は純白で統一されている。入り口付近には、吹雪でも場所が分かるように街灯が配置されている=青森市の県立美術館
【小川直樹】青森市の県立美術館は先月中旬、開館以来の入場者数が300万人に達した。県立として開館7年4カ月での達成は全国的にも異例の早さだ。年間入場者数は、東北で7年連続の首位を保つ。何が人をひきつけているのか。そのわけを探った。

朝日新聞デジタルより

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青森県立美術館が大成功している3つの理由

上記の記事によると、公立美術館の中でも群を抜いて多い来場者数を誇る理由は、3つあるといいます。

「一度は行ってみたい」と思わせる仕組み、デザイン

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まずは青木淳さんの建築デザインが秀逸であることが理由の一つであることは間違いありません。
コンクリート打放しやガラスの多用といったデザインの美術館が多い昨今、真っ白い箱のような外観は爽快感すらあります。

伊東豊雄さんを委員長とするコンペで最優秀となった青木淳さんの案は、隣接する三内丸山遺跡に想を得たといいます。
コンペ詳細は青森県立美術館の公式サイトに詳しいですが、実際訪れると内部の空間の大きさ、高さのスケールアウトした感覚は圧倒的です。

会館当初は迷路のようだという苦情すらあったそうですが、迷路のような美術館、大いに楽しいではありませんか。
迷うたびに何度も見学する芸術作品を、知らないうちに気に入ってしまうようなこともあって、面白いと思います。

圧倒的な統一感、唯一感

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青森県立美術館のアイコンとも言えるのは、VI(ビジュアル・アイデンティティ)の徹底ぶりです。
青い木をたくさん並べたマークは青い木で構成された森すなわち、青森を表しています。

その「青森」が青森県立美術館の入り口を示しているという、導入部分からしてフツウではないのです。

また、館内の案内表示に利用されるフォントである「青森フォント」は、水平、垂直、45度の線でのみ構成されていて、シンプルさ故のわかりやすさを兼ね備えています。

アートディレクターは菊地敦己さんが担当しています。

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愚直なまでの美術館としての取り組み

県の公立美術館であるということで、当然ながら青森県出身の芸術家についての展示が多くなっています。

なかでも、寺山修司や棟方志功、奈良美智などのビッグアーティストは扱いが別となっています。

企画展にも力を入れていて、「縄文と現代展」「寺山修司展」「芸術の青森展」など、県内美術の魅力を年数回にわたって発信し続け、埋もれた作家の発掘も行うことで、写真家の小島一郎は、展覧会を機に存在が見直された芸術家の一人だということです。

また、海外の美術館では当たり前なのに日本の美術館ではなかなか実現されないこと、それは作品までの「近さ」です。

青森県立美術館では、あえて展示方法をシンプルにして作品に「寄って」鑑賞することが可能になっているのも、魅力の一つです。
結局のところ、美術館としてのあるべき姿を考え続け、実践し続けたことで、誰もが「一度は行ってみたい」と思うに至るという素晴らしい循環が出来上がっていったのだと思います。

新聞記事ではわからない青森県立美術館の魅力

では、実際行ってみてどうだったのか。ネットの新聞記事をまとめるだけなら誰でも出来ます。

隣接する三内丸山遺跡との対比が絶妙である

青森県立美術館の敷地は、縄文時代の遺跡である三内丸山遺跡と隣接しています。

つまり、現代の最先端の美術館と3000年から1万年以上前の人々の暮らしていた名残が同居しているという関係性が、郷愁をさそうというか、時代の変遷を考えただけでめまいがするというか、先端技術とプリミティブな営みの融合というか、その組み合わせが素晴らしいと感じるのです。

日本中探せば、こういった公共施設は同じようなパターンの施設は多いようにも思えますが、美術館のシャープさと六本柱建物(復元)の原初っぷりが一度に味わえるのはここだけではないかと思います。

三内丸山遺跡の保存や有料化構想は紆余曲折があったようですが、いずれにせよ、遺跡を残す決断をした青森県は素晴らしいことをしたと思います。

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空間のスケール感とあおもり犬の巨大さ

上にも少し書きましたが、内部空間のスケール感を無視した大きさが、非日常を極限まで演出しています。

特に現代アートは、広い展示空間を必要とする物も多く、長く人々に愛される美術館としてのポテンシャルは大変なものがあると感じます。

美術館の空間的魅力もさることながら、やはり青森県立美術館の目玉、あおもり犬の巨大さが最高です。

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あの寝てるのか起きているのか分からない表情もいいし、これから地上に出ていこうとしているのか、地面に埋もれていこうとしているのか、なによりこれはいったいどうやってここに設置したのか(作ったのか)などと考えているだけで、あっという間に時間が過ぎ、知らず知らずのうちにあおもり犬のみならず、奈良美智さんの大ファンになってしまう魅力が隠されています。

建築がイイだけでなく、展示物もまたイイ。

これは写真やブログでは伝えきれません。

だからこそ、「実際に行って」欲しいと切に願います。

ついでに青森公立大学 国際芸術センター青森も行ってみて

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メインは青森県立美術館でもいいので、せっかく青森市まで行くのであればなんとか時間を作って青森公立大学国際芸術センター青森まで足を伸ばしてみてはいかがかな、と思います。

いまや、日本の建築界のドンと言っても過言ではない、安藤忠雄さんのデザインによる施設で、特にアプローチのトンネル(四季のアーケード)は晴れた日の昼間に通るとほんとうに素敵です。

安藤忠雄さんの建築の魅力は、コンクリートだけではないのです。

青森県立美術館、青木淳、菊地敦己、奈良美智

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