防火避難規定に関しての本質を理解できる良書を発見した

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防火避難関係の必携の書としては、「防火避難規定の解説」を大プッシュしていまして、実際多くの方が利用していることと思います。

今回ご紹介したい本は「新・性能規定化された建築基準法 防火規定 アタック講座」です。
長いので「防火規定アタック講座」とさせて頂きます。

上記の書籍の内容をそれぞれ簡単にまとめるなら

防火避難規定の解説―実務で役立つ取扱事例集

防火規定アタック講座―防火避難関連規定の本質、意味、意図を理解できる本

といえます。

著者は高木任之さんで、建築法規に関連する書籍を多数著している方です。


上で一緒に写っている本も高木さんの著書ですが、難解な法規が非常にわかりやすく解説されていて地味にオススメなのですが古い本でなかなか売っていないため、大きめの図書館で探すと良いと思います。この記事を作成した時点では、Amazonで中古が少し売っていました。1997年の本ですが結構勉強になります。

それはさておき、「防火規定アタック講座」ですが、実務で即戦力で役立つ部分ももちろんありますが、じっくり読み込んで理解していくタイプの本です。

3時間ほどかけて通しで読んでみて、私なりに役に立ちそうだったり、特徴的だと感じた部分をご紹介したいと思います。

なお、著作権の関係で、誌面を撮影してのご紹介は表紙と目次程度にとどめます。

新建築基準法防火規定アタック講座―性能規定化された
by カエレバ

建築物の防火避難規定の解説2016
by カエレバ


建築基準法の難解条文を読みこなすコツ (プロのノウハウ)
by カエレバ

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防火規定アタック講座のここがスゴイ

すべてではないですが、目次の様子を簡単にご紹介します。

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実は、防火避難関連規定以外に、「許可、確認、同意」についての解説もあります。詳しくは、後述します。

それでは、以下、気になったページ、項目をかなり掻い摘んで列記していきたいと思います。

P4
難燃、準不燃、不燃材料の包含関係に関する解説があります。
なんとなくは理解している部分ですが、平成12年の法改正で明らかに変わったということがよくわかります。

P7
上記の建築材料と同様に、耐火・準耐火・防火「構造」は包含関係にあります。
一方で、耐火建築物と準耐火建築物は排他的関係にあり、耐火建築物だからといって準耐火建築物の要件を満たしている、とは言い切れないという点が解説されています。
確かに、準耐火建築物に関する条文の法2条第9号の3で、「耐火建築物以外の建築物で・・・」とありますから、兼ねることはできないということがわかります。
詳しいことは読むとわかります。

P8
今は当たり前になっているSI単位系の変遷について記されています。
「キログラム重」って、今聞いても変な単位です。

P26
不燃性能は化学、耐火性能は物理学、という記述には「なるほど」と感心させられました。
目からウロコというのはこういうことですね。

P29
きみきみ、耐火と防火の違いがわかるかね?

P40
延焼の恐れのある部分、数値的に判断して図面には書けるが、実際の火事の様子はイメージできているか
(加えてP71 民法における、隣家からの失火は自己防衛が基本だよ、という厳しい現実)

P93
あなたはドレンチャーを見たことがあるか?
(わたしはブラタモリかなんかで、ドレンチャーの動作を見ました。すごかったです。You Tubeで動画を見つけたので良かったら参考にどうぞ)



P111
遮煙性能の試験装置とか、一生知らなくてもいいけど知っているとなんか楽しい。

P148
3000㎡超の大規模木造建築に関する規定について詳しい

P162
施行令70条、鉄骨造の柱の防火被覆と「鉄骨造の1の柱」について

P172-P182
いつかは確実に理解したい、「特定避難時間倒壊等防止建築物」について詳しい

P257
大規模建築物の防火区画のイメージを俯瞰できる、なかなか見かけない便利なイラスト

P350
排煙設備の重要性、煙が人体に与える影響

bouka kemuri haien
このイラストのインパクトはものすごいのでどうしてもお伝えしたく、イラストを模写しました。
怖すぎて夢に出ます。

P397
敷地内通路の規定が意味するところを解説
避難上の通路でもあり、消火・救助のための通路でもあることを理解すれば、法チェックも多少はラクに

P469
建築基準法上の許可、確認に係る同意
建築確認のことを「確認許可」と何気なく言ってしまう人に、10回は読ませたい部分。
許可は裁量行為、確認は覊束行為です。
本来は禁止されていることに対して受けるのが「許可」
建築基準法に適合しているかどうかをチェックするのが「確認」
消防同意は、特定行政庁が消防機関から同意を受けるのものであり、申請者が受けるものではないこと

建築確認とは—–
もともと、建築物の設計者は建築基準法などの諸法令に適合した建築物を設計しなければなりません。そこで、適法に設計した(つもりの)計画図を提出して、建築主事に適法であることを「確認」してもらうものです。
建築物は確認後に建築します。
一方、本来は禁止している高さの制限とか用途制限について特例として許してもらう「許可」については、建築主事の業務ではなく、「特定行政庁」の業務となっています。

P547
条文と告示の関連早見表
意外と便利

防火規定アタック講座はこんな人にオススメしたい

防火規定アタック講座は、建築の意匠設計や確認申請に携わる方の全ての方にオススメしたいのですが、特に建築初学者の方や学生さんに手にとっていただいて、建築の学び始めに正しい知識を身に着けていただけたらな、と思います。

それこそ、大学の建築学科で教科書として採用されていも良いくらいだと思いました。

決して建築士の勉強では得られない実務的な内容も含まれ、かつ、内容を覚えなくても「この本に解説があったな」ということだけでも覚えておけばいつでも手にとって再確認できます。

基本あっての応用、ということを改めて認識されられる書籍だと思いました。

ちなみに、購入される際は「新」のついた改訂版が最新版なのでお間違いなきよう。税込み5184円です。

新建築基準法防火規定アタック講座―性能規定化された
by カエレバ

建築物の防火避難規定の解説2016
by カエレバ

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