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排煙告示緩和に登場する不燃にしなければならない「下地」はどこまでを指すのか

公開日: : 最終更新日:2015/03/19 排煙関係規定

誰もがお世話になる、それが「排煙告示緩和」だ

計画上、どうしても排煙のための開口部が取れない場合、告示1436号(いわゆる排煙告示)を適用して排煙設備の設置を免れることがあります。
その告示1436号の四-ハ-(4)を適用したい場合、悩ましいのが「下地を不燃材料で造ったもの」の部分です。
今回はこの下地に焦点を絞って考えてみたいと思います。
まずはその告示から。

※注
排煙告示は平成27年3月18日に改正されています。告示の条文表記は最新のものに読み替えていただくようお願いします。
排煙設備緩和告示が改正されて、パワーアップしました

排煙告示 原文

火災が発生した場合に避難上支障のある高さまで煙又はガスの降下が生じない建築物の部分を定める件
平成十二年五月三十一日
建設省告示第千四百三十六号
改正
平成一三年二月一日国土交通省告示第六七号

建築基準法施行令(昭和二十五年政令第三百三十八号)第百二十六条の二第一項第五号の規定に基づき、火災が発生した場合に避難上支障のある高さまで煙又はガスの降下が生じない建築物の部分を次のように定める。
建築基準法施行令(以下「令」という。)第百二十六条の二第一項第五号に規定する火災が発生した場合に避難上支障のある高さまで煙又はガスの降下が生じない建築物の部分は、次に掲げるものとする。
(中略)
四 次のイからニまでのいずれかに該当する建築物の部分
(中略)
ハ 高さ三十一メートル以下の建築物の部分(法別表第一(い)欄に掲げる用途に供する特殊建築物の主たる用途に供する部分で、地階に存するものを除く。)で、室(居室を除く。)にあっては(一)又は(二)に、居室にあっては(三)又は(四)に該当するもの
(一) 壁及び天井の室内に面する部分の仕上げを準不燃材料でし、かつ、屋外に面する開口部以外の開口部のうち、居室又は避難の用に供する部分に面するものに法第二条第九号の二ロに規定する防火設備で令第百十二条第十四項第一号に規定する構造であるものを、それ以外のものに戸又は扉を、それぞれ設けたもの
(二) 床面積が百平方メートル以下で、令第百二十六条の二第一項に掲げる防煙壁により区画されたもの
(三) 床面積百平方メートル以内ごとに準耐火構造の床若しくは壁又は法第二条第九号の二ロに規定する防火設備で令第百十二条第十四項第一号に規定する構造であるものによって区画され、かつ、壁及び天井の室内に面する部分の仕上げを準不燃材料でしたもの
(四) 床面積が百平方メートル以下で、壁及び天井の室内に面する部分の仕上げを不燃材料でし、かつ、その下地を不燃材料で造ったもの
(以下略)

告示で定める「下地」の解釈が最大のポイント

どこまでを「下地」とみなすかが一番のポイントとなりますが、「主要都市建築法規取り扱い基準(ぎょうせい)」によれば、「その下地」とは野縁、野縁受、間柱および胴縁までを含めた部分とする、とあります。
同じように、ある特定行政庁の質疑応答ではこのような回答があります。
『最低でも、胴縁は不燃材料でないと「下地を不燃材料で造ったもの」には該当しない。なお、柱・梁は、構造部材であり、もはや下地とはいえないため、木造でもやむを得ないと考える。』

さらに、「建築物の防火避難規定の解説2012」の似たような項目を引き合いに出して、解釈を補足しています。
『壁の下地の範囲については、法令上必ずしも明確ではないが、類似の規定として、ロ準耐における「屋根を不燃材料で造る」を適用する場合における取扱いとして、以下の例があるため、同様の取扱いをすべきである。
建築行政会議による統一見解
・屋根の構成材は、葺き材、野地板、たるき としている。
・母屋は、梁として扱う。』

つまり、構造耐力上主要な部分(主要構造部ではありません。念のため)は下地ではないと判断できそうです。
(過去記事:主要構造部と構造耐力上主要な部分
ですからわかり易い例で言えば、2×4の住宅メーカーで医院建築なんかを計画する場合、外部に面さない居室(例えば手術室など)で排煙の告示緩和を適用することを考えると、2×4材や構造用合板は構造体なので下地とはみなされず、石膏ボード部分が下地、クロスが仕上げとなるのでそれぞれを不燃材の規定に当てはまる仕様とすればいいわけです。

ただしこの時に気をつけなければならないのは、過去の記事(間違えてはいけない 無窓居室の解釈の補足)でも書いたように法35条の3に抵触してきますので、どちらかと言うとこちらの方が対応が手間かもしれません。
(3号特例を受ける木造2階建ての住宅(4号建築物)なんかは、法35条の3は審査の対象外なので建築確認審査の際に指摘は受けませんが、当然チェックは必要です。)

いずれの場合も、特定行政庁や確認検査機関での解釈に違いがある可能性がありますので、事前の相談、協議は忘れずにお願いします。

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