多治見市モザイクタイルミュージアムのディテールに迫ってみる

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最近とみに人気、特に若い女子に大人気という藤森建築ですが、私のようなおっさんも藤森建築には興味津々です。

わりと最近の作品である、多治見市のモザイクタイルミュージアムを訪れたので、自分なりの印象などを語ります。

当然、インスタ映え完全無視!!

だって、最初の画像からして、お隣の市民ホールに移ったモザイクタイルミュージアムの様子という大変微妙な写真ですから、先が思いやられます。

「見た目がカワイイけんちく」という観点の記事ではないので、充分ご注意下さい。

ちなみに全部自分で撮った写真なので、ブログなどにはパクらないで下さいね(笑)

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多治見市モザイクタイルミュージアム 外部で気になったところ

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コンセプトはインスタ映え無視なので、誰も見向きもしない斜め後ろからの様子。

カットしたロールケーキのような、本当に不思議なデザインの建築物であることがわかります。

かつては笠原町役場があったということも、残存する銘版から読み取れます。

屋根の両サイドに映えている草が見事です。

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更にもっと誰も見向きもしない、いわゆる裏側へ。

誰もが忌み嫌う、非常用進入口(代用進入口ではない、赤色灯の設置が要求されるアレ)が3箇所も設けてあり、公共建築のお手本のようです。

実際、こちらは裏側ではあるものの、幅員の広い道に面していて隣りにある消防署から消防車や救急車が通ります。

なお、行けばわかりますが隣に消防署があるので、何かあっても即座に駆けつけてもらえるんです、実は。

写真には写っていませんが、車椅子利用者は裏側からフラットな通路を通ってミュージアム内部にアクセスできるという作りになっています。素晴らしい。

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藤森氏が得意とする、垂れ流し雨樋がここにも。

秋野不矩美術館でも見かけました。

塗り壁の荒々しさが良いですね。うっかり近づくとお肌が擦り剝けそうです。

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入り口の小庇には、これまた藤森氏お気に入りの手曲げの銅板。

流石にこの規模になると、建築のメインの屋根を手曲げの銅板で葺くのは厳しいのでしょう。お金がかかりすぎますし、ワークショップで作ろうとすれば工期が延びすぎます。

この庇だけなら、雨漏りの心配も無いですしちょうどいい規模なんでしょうね。

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外部コンセントも、藤森氏にかかればご覧のとおり。

塗り仕上げで建築と完全に一体化してしまいます。

多治見市モザイクタイルミュージアム 内部で気になったところ

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エントランスは、外観とは打って変わって縞々です。

漆喰も藤森氏の好きな素材ですね。奥の壁に見えるつぶつぶは、陶器のカケラが色分けされて壁に埋め込まれています。

壁にこの手の模様を着ける時、藤森氏は炭のカケラを使うことが多いですが、今回はやっぱり陶器の里多治見ですから、陶器のカケラになったのでしょう。

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展示室へ向かう大階段は、外部と同じような塗り仕上げとなっており、そこにある足元灯も外部コンセント同様、塗りたくられています。

安い既製品を塗りで仕上げることで、唯一無二の照明器具へと昇華させているわけですね。

安いし合理的だし、「これ」という完成が無いので常に最高の出来になるということでしょう。

少々、「あとから塗りました感」が見えるのはご愛嬌。

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階段手すりの先端にもモザイクタイルがあしらわれています。

こういう細かいところ、遊び心を忘れないのが大切です。

しかも、無理やり遊んでないのも好印象ですね。無理に遊んで逆に遊ばれちゃってる建築家、結構見かけます。

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外観で点々と見えていた小さな四角はちゃんと窓になってます。

こうやって下を見下ろすと、遠近感がおかしくなって不思議な感覚にとらわれます。

まあ、私以外誰一人この窓から下を見ている人なんていませんでしたけど。

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展示室最上階にある、たくさんのタイルが貼り付けられたオブジェが床に描く影が、まるで蜘蛛の巣のようです。

きっと、こうなることを読んで天窓やオブジェをデザインしたのでしょう。これまた素晴らしい。

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ミュージアム内部の案内も、ほとんどがタイル(焼き物)で作られていました。

誰でも思いつくことかもしれませんが、徹底的にやりきるのは難しいと思います。

藤森氏や、多治見市民の熱意の表れでしょうか。いいですね。

多治見市モザイクタイルミュージアム 周辺環境も含め気付いたこと

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ミュージアム内には、建築模型も展示してありました。

こうやって見ると、このモザイクタイルミュージアムがいかに「オンリーワンな存在」かがよくわかります。

実際に正面側に立つと、すり鉢状に掘り下がったアプローチと、垂直にそそり立つミュージアムの巨大な壁面とが渾然一体となり、視覚が完全におかしくなります。

人も地面も建物も、正確な大きさがわからなくなってしまいます。

この感覚は実際に行ってみないとわからないので、面白そうだと思った方はぜひ行ってみて下さい。

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モザイクタイルミュージアムについ気を取られがちですが、この記事の一番最初の写真に写っている市民ホールの1階に、こんなにおしゃれなカフェがあります。

見ての通り、床、壁、天井に至るまでタイルづくし。しかも、非常に美しい。

テーブルにもモザイクタイルが埋め込まれていたり、置いてある家具もいちいちオシャレで、とても雰囲気が良いです。

訪れたのは真夏の真っ昼間だったのですが、エアコンがキンキンに効いていて気持ちよかったです。そのままタイルの床に寝転びたいくらいでした。

せっかく多治見まで行ってモザイクタイルミュージアムに行ったのなら、お隣のカフェにも寄ってみていただきたい。

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そして、ここでまさかのスイーツ紹介コーナー。

ソフトクリームに、あんバタークロワッサン。

そのあんバタークロワッサンにソフトクリームを挟んで食べるという、暴挙。

こんなの、うまくないはずがない。

エアコンがキンキンだったので、コーヒーはホットにして正解。そんな夏の日の一コマ。

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最後は屋根の植物がどのように生えているかのアップ。

溝に網が張ってあり、そこに植物の根が絡みついてしっかりと保持されているようです。

水やりのための管のようなものも見えますが、詳細がどうなっているかは不明です。

建築の専門誌などで研究すればわかるかもしれませんが、とにかく、屋根に草を生えさせようというのは大変な覚悟が必要ということだけはわかります。

ということで、インスタグラムやミーハーな雑誌などの建築特集などではわからない(というかとりあげても誰も興味を示さない)部分にスポットを当ててみました。

みなさんも、このどんなジャンルにも属さない、「藤森建築」をぜひ間近でチェックしてみてはいかがでしょうか。

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