建築確認News 偽建築士と建築士免許原本確認の波紋

偽建築士急増の背景

あとからあとから、どうしてこんなにあるのかというほど、次々に建築士の免許偽造が明らかになります。
本物でもない建築士が建築士を語って得られる報酬がいかほどのものなのか。
偽造してまでやりたい仕事か、なんていうと自虐的になりすぎますが、とうとうというか、やっと国も重い腰を上げました。

国土交通省は2日、地方自治体や民間検査機関が建築確認の際に、設計者が1級建築士の資格を持っているかどうかを建築士の免許証原本で確認するよう義務付ける方針を決めた。6月から適用する。免許証コピーを偽造した1級建築士の成り済ましが相次いだためで、偽建築士が設計に関与し、安全性に問題のある建物がつくられるのを防ぐ。
日経新聞電子版 平成25年2月2日の記事より引用

これは、国交省の住宅局が1月に示した、建築基準法施行規則の一部改正案を受けてのものですね。

もうすでに確認申請提出時に建築士免許証の原本を提出するか、本人であることを示す身分証明を求める行政や指定確認検査機関もあるとかないとか・・・。

いずれにしろ、偽建築士であることを見過ごして確認済み証を交付したらそれこそ責任重大ですから、行政をはじめ関係先は神経をとがらせています。少し調べただけでも、行政の対応についていろいろ出てきました。

建築士偽装を早期に発見する手段

たとえば宇治市。(>宇治市のホームページにリンク
もう今年の1月1日から、免許証だけでなく定期講習の修了証も原本を求めています。
朝霞市も同様ですね。
藤岡市に至っては、原本確認もしつつ、写しをとることで次回から持参する手間を省くサービスをしてくれてます。

というのもこれに先だって、昨年12月に国交省から次のような通達(技術的助言)が各行政庁に出されていました。
建築確認手続きにおける建築士免許登録の有無の確認等について(pdfファイルとなっています)

では民間確認機関はどうか。

※ビューローベリタスでは、建築士データーベースでの確認を行います。
弊社では、従来から建築士データーベースを導入しており、建築士免許登録の確認ができます。
確認申請のご提出時に建築士免許証等や登録証明書をご提示いただく必要はありません。
従来どうりの確認申請手続きでお引き受けいたします。
(ビューロベリタス名古屋事務所からのお知らせ より抜粋)

ふくしま建築住宅センターもデータベースによる確認とのことでした。
株式会社ACS熊本では原本確認によるとのことです。
日本ERIもデータベースにて確認しているようです。

すべての特定行政庁、指定確認検査機関について調査してないので何とも言えませんが、特定行政庁は書類で確認、民間はデータベースという傾向がありそうです。
それもいろいろ調べると、ちょっと原因らしきものがわかりました。

それは、建築行政情報センターが取りまとめる「建築士・事務所登録閲覧システム」、いわゆるデータベースの利用はタダではないというところかな、と考えられます。

資料はこちら>建築行政共用データベース

建築士免許原本確認に隠された、審査機関の収益性

これによると、条件によって差はあるものの、確認件数が多いほどコストがかかる仕組みになっています。
つまり、ある程度の資本力が要求されるようですね。
指定確認検査機関にいたっては、専用線を引かねばならず、1拠点当たり25万もかかります。

単純には言えませんが、特定行政庁ごとの予算の関係や、民間であれば経費の関係で採用を控えているところもあるようです。
ちなみに建築行政共用データベースのホームページから、導入している特定行政庁や指定確認検査機関も調べられます。
ごちゃごちゃ書いてないで、その一覧を載せたほうが早かったですね・・・。

するとどうでしょう。
上で出てきた藤岡市は導入しているんですね。
でも、データベースでなく原本確認を求めている。
ちょっと謎ですが、データは信用せずあくまで現物でいくという姿勢なのでしょうか。

偽物扱いされたくない建築士の皆様の自己防衛手段

いずれにしろ、以前の建築確認申請の運用改善で建築士の免許のコピー添付が不要になり、書類が簡素化されたというのに、今度は大切な免許証を持ち歩かなければならなくなるというのは、皮肉なものです。

みなさま、ウソはいけませんよ、ウソは。
私も肝に銘じます。

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