建築関連ニュース:平成26年末募集の法改正パブコメ結果公開

昨年(平成26年)末に募集された、いわゆる基準法大改正のパブコメが公開されています。
パブコメ募集時は当然、1案件としての扱いでしたが、今回の改正は多岐にわたるためか「政令」と「国交省令等」に分けての結果公示となっています。

それぞれ私の独断と偏見で、重要と思われる項目について抜粋してみました。

建築確認に係るお仕事をされている方は、この抜粋のみならずパブコメ結果全体を必ず確認されることをおすすめします。

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建築基準法の一部を改正する法律の施行に伴う関係政省令・告示の制定・改正案に関するパブリックコメントの募集の結果(政令に関するものに限る。)について

詳細は下記リンクから確認できます。
案件番号 155140724

令第137条の2第1号及び第2号を適用する増築において、既存不適格である昇降機を改修する容易な方法を示していただきたい

既存不適格である昇降機の容易な改修方法については、平成26年度建築基準整備促進事業において、既設エスカレーターの地震に対する安全確保の方法について検討しており、今後、同事業の結果に応じて、規定の改正等を検討して参ります。

今回の見直しにあわせ、避難上有効なバルコニーやドレンチャーの構造を明確に示してほしい。

頂いたご意見は、防火基準に対するご意見として承り、今後の議論の参考にさせていただきます。

構造計算適合判定通知書が公布された後に、建築主事等からの意匠上の指摘等により構造計算に係る部分にまで変更が必要となった場合には、構造計算適合性判定の再申請が必要となるのか。

変更により、特定構造計算基準又は特定増改築構造計算基準に適合するかどうかの審査を再度要するものであれば、構造計算適合性判定の変更申請が必要となります。

構造計算適合性判定が確認申請から分離することについて、現行の建築主事等が構造計算適合性判定の求めをする手続きも残すことはできないのか。できないのであれば、指定構造計算適合性判定機関において、法適合や整合性もチェックする体制をとって頂きたい。

構造計算適合性判定の手続きは確認申請から分離した方が効率的であると考えております。また、指定構造計算適合性判定機関においては、従来通り、構造計算基準に適合するかどうかの判定を行うものです。

令第36条の4において「法第20条第2項の政令で定める部分は、建築物の2以上の部分がエキスパンションジョイントその他の相互に応力を伝えない構造方法のみで接している場合における当該建築物の部分とする」とあるが、一方の部分の構造計算が許容応力度計算(ルート1)または許容応力度等計算(ルート2建築主事が審査をした場合に限る)の場合、法改正後に計画変更の申請をした場合は、当該部分については構造計算適合性判定が不要だと判断して差し支えないか。

貴見のとおりです。

令第36条の4の「エキスパンションジョイントその他の相互に応力を伝えない構造方法」について、判断が容易にできるよう、解説や例示を明確にしていただきたい。

「エキスパンションジョイントその他の相互に応力を伝えない構造方法」については、個別性が高く一概には言えないことから、国土交通省から解説や例示を行う予定はありません。

敷地外への移転は、「新築」と解されているのではないか。

従来は「新築」として扱っておりましたが、改正法の施行日後は、「移転」として扱うこととなります

敷地外移転の場合、移転先で集団規定に適合しない場合も考えられるため、そのようなことがないように明記すべきではないか。

集団規定については、既存建築物の物理的な構造とは直接関係ないことから、移転先となる敷地を適切に選択することによって適合させることが可能ため、原則として現行の建築基準に適合させることが望ましいと考えています。

令第137条の16第2号において「安全上」と「避難上」の両方の用語を規定しているが、「安全上」と「避難上」の考え方はどう使い分けをしているのか。

「避難上」は、火災時の一連の対策のうち、在館者の避難活動の確保を意味し、「安全上」は構造関係の安全性等の確保を意味しております。

建築基準法の一部を改正する法律の施行に伴う関係省令・告示の制定・改正案に関するパブリックコメントの募集の結果について

詳細は下記リンクから確認できます。
案件番号 155140728

指定構造計算適合性判定機関へ提出してから建築主事等へ確認を申請する場合、申請書の整合性のチェックは、指定構造計算適合性判定機関が行うのでしょうか。また、その際は、手数料などの変更が行われるのでしょうか。

指定構造計算適合性判定機関への申請のタイミングが確認申請の前であるか後であるかによらず、いずれの場合においても、構造計算適合性判定申請書の添付図書等の正本・副本間の整合性のチェックは指定構造計算適合性判定機関等が行うこととなります。また、構造計算適合性判定の手数料は、各機関等において、業務の実態に応じて、それぞれ定めることとなります。

規則第1条の3第1項の表2に令第36条の4の規定に適合することの確認に必要な図書を追加するべきではないか。

ご意見を踏まえ、規則第1条の3表2(一)項に「法第20条第2項の規定が適用される建築物に必要な図書を追加しました。

増改築部分以外の部分に、Exp.J等により構造上分離された2以上の部分がある場合について、いずれかの部分が構造関係規定に適合することが明らかな場合は、その部分は構造計算書の提出を要しないようにしていただきたい。

ご意見を踏まえ、増改築部分以外の部分に、エキスパンションジョイント等により構造上分離された2以上の部分がある場合には、構造計算書の提出の要否の判断は、それぞれの部分ごとに行うことといたしました。

図書省略の特例の対象となる部分を具体的に教えてほしい。

令第81条第2項又は第3項に規定する基準に適合することが明らかなものとして、以下の(1)及び(2)に該当するものについては、構造計算書の提出が不要となります。
(1)当該確認の直前の確認を受けた計画から変更がないもの、又は、当該確認の直前の確認を受けた計画から行われた変更が軽微な変更(規則第3条の2第8号から第11号までに掲げるもの)その他の変更であって、構造計算による安全性の確認に影響を及ぼさないことが明らかなもののみであるもの
(2)当該直前の確認において構造計算基準に適合したことにより、今回の確認において適用される構造計算基準に適合することが確認できるもの(適用される構造計算基準に変更がないもの等)

H19年以前の建築物で、H19以降の改正点について部分的な計算書により現行法に適格であること(適格にするための部分的改修を行った場合を含む。)の証明が可能な場合、その旨を審査機関に資料とともに説明を行えば、全体の構造計算書等の提出不要という扱いにしてほしい。

ご指摘のケースにおいても、上記(1)及び(2)に該当するものについては、構造計算書の提出が不要とすることができます。

ルート2主事等が審査した場合、改正前に必要であった構造計算適合性判定が不要となりますが、この場合の建築確認に必要となる手数料はどうなるのでしょうか。

構造計算適合性判定に係る手数料は、今回の法改正により、建築確認と構造計算適合性判定が別申請となったことに伴い、各特定行政庁等ではなく、各指定構造計算適合性判定機関等に納めることとなります。ルート2主事等が審査を行った場合の建築確認の手数料は、各特定行政庁等において、業務の実態に応じて、それぞれ定めることとなります。

「特定行政庁及び指定確認検査機関は、建築主事及び確認検査員が(ア)の要件を備える者として法第6条の3第1項ただし書の規定による審査を行う場合には、その旨をウェブサイトへの掲載等により公表するものとする。」とあるが、ルート2主事等がいたとしても当該審査を行わない場合には、公表しなくてもよいか。

ご指摘の場合においては、公表の必要はありません。

仮使用の認定の申請先が、工事の種類や避難施設等に関する工事の有無で申請先が変わることについて、混乱を招かないようにしてほしい。

建築主事及び指定確認検査機関に仮使用認定の申請をできる場合について、施行の際に混乱を生じないよう、十分周知を図ってまいります。なお、特定行政庁に対する仮使用認定の申請については、従来通り、工事の種類や避難施設等に関する工事の有無にかかわらず行うことができます。

法改正後の建築確認の手続きについて、申請者や審査者に分かりやすく説明してほしい。

ご意見を踏まえ、説明会等により周知を図ってまいります。

申請者が複数の指定構造計算適合性判定機関から選んで申請できるように、各都道府県に複数の指定構造計算適合性判定機関に業務を委任するように義務づけるべき。

指定構造計算適合性判定機関の委任は知事の権限ですが、複数の指定構造計算適合性判定機関を委任するよう都道府県に対して要請してまいります。

建築基準法第20条第2項の改正に伴う今回の政省令・告示の改正・制定の部分では、規制強化になる改正は無いと解しているがいかがか。

法第20条第2項の新設に伴う関係政省令・告示の制定・改正については、基準を合理化するためのものです。なお、法第20条第2項の新設には直接関係はありませんが、構造関連基準の改正事項として、既存不適格建築物に増改築を行う場合に保有水平耐力計算などの特定増改築構造計算基準に適合しているかどうかの審査を要するものであれば、構造計算適合性判定が必要となりました。

確認側において、適合判定通知書等と確認申請書の整合を審査することとしているが、整合の審査にはかなりの時間がかかる。このため、整合の審査については、適合判定通知書の表紙のみとし、添付書類との整合については、申請者の責任において行われるよう修正するべきではないか。

適合判定通知書と確認申請書の添付図書等は、当然、申請者の責任において整合させるべきものであると考えています。ただし、建築主事等は申請を受けた建築物の計画が建築基準関係規定に適合するものであることについて万全を期すため、建築主事等においても添付図書等を確認することが必要であると考えております。

確認申請書の添付図書等と適合判定通知書の添付図書等の記載事項に不整合があった場合、構造計算適合性判定をやり直すこととなるのか。

確認申請書の添付図書等と適合判定通知書の添付図書等の記載事項に不整合があった場合には、記載に誤りがあった添付図書等を修正する必要があります。この場合、修正により、特定構造計算基準又は特定増改築構造計算基準に適合するかどうかの審査を再度要するものであれば、構造計算適合性判定の変更申請が必要となります。

改正後の第137条の2第2号イ(現137条の2第3号イ)を適用するエキスパンションジョイントを介した増築については、増築部分に求められる構造計算には令第82条の4が除かれているので令第9条の2に定める特定増改築構造計算基準と合致せず、増築部分の構造計算適合性判定は不要となるという理解でよろしいか。

貴見のとおりです。

以上、抜粋ですが改正後に注意すべき点がなんとなくわかってくると思います。

改正内容とはあまり関係ありませんが「ルート2主事」というニューワードには、ちょっと面白い響きがあります。

今後、国交省の説明会等もあるようなので、続報を待つことにしましょう。

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