建築確認Tips:防火上主要な間仕切り他のパブコメが公開されています。

今年の建築基準法改正については、平成26年6月4日に改正法が公布され、平成26年6月24日にその政令が公布されました。
その中の「防火上主要な間仕切壁に係る規制の合理化」と「木造建築関連基準の見直し」に関して、告示が8月22日に公布され、同日にパブコメも公開されました。
それぞれ、改めて注意点等を含め紹介します。

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「木造建築関連基準の見直し」について

大規模木造等建築物の改正内容を確認

耐火構造の構造方法を定める件の一部を改正する告示案に関する意見募集の結果について

「木造建築関連基準の見直し」に関する告示は、耐火構造の仕様を追加した内容となっています。
しかし、そもそもの改正内容を把握していないと、なぜ耐火構造の告示仕様が追加されたのかがよくわかりません。
まずは、法21条第2項の改正内容を確認します。

現行
(大規模の建築物の主要構造部)
第二十一条  
2  
延べ面積が三千平方メートルを超える建築物(その主要構造部(床、屋根及び階段を除く。)の前項の政令で定める部分の全部又は一部に木材、プラスチックその他の可燃材料を用いたものに限る。)は、第二条第九号の二イに掲げる基準に適合するものとしなければならない。


改正後公布から1年以内に施行予定
第二十一条
2 
延べ面積が3,000㎡を超える建築物(その主要構造部(床、屋根及び階段を除く。)の前項の政令で定める部分の全部又は一部に木材、プラスチックその他の可燃材料を用いたものに限る。)は、次の各号のいずれかに適合するものとしなければならない
(1) 第二条第九号の二イに掲げる基準に適合するものであること
(2) 壁、柱、床その他の建築物の部分又は防火戸その他の政令で定める防火設備(以下この号において「壁等」という。)のうち、通常の火災による延焼を防止するために当該壁等に必要とされる性能に関して政令で定める技術的基準に適合するもので、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものによって有効に区画し、かつ、各区画の床面積の合計をそれぞれ3,000㎡以内としたものであること

改正後は1号、2号が追加されていますが、2号の条文中にある「壁等」の要件として耐火構造が盛り込まれる見込みとなっています。
見込みと言っているのは、法21条2項2号についての告示はまだ案だけが国交省から示されているだけで、公布施行されていません。
しかし、いずれ必要になるのが明らかな告示、つまり耐火構造の仕様を先行して公布し、施行したということになります。

改正告示の詳細については以下の資料をご確認ください。
耐火構造の構造方法を定める件の一部を改正する告示案(国交省PDF)
耐火構造の構造方法を定める件:新旧対照表(改正告示PDF)

ここで「木造建築関連基準の見直し」の主な内容に戻ると、公共建築物等における木材の利用の促進という大命題があるわけで、3階建てまでの耐火構造の「壁」に「木下地」を使えるようにした、と理解することが出来るわけです。
これまでは木下地の耐火構造は大臣認定が必要でしたが、これからは告示仕様に則れば堂々と木下地でも耐火構造の「壁」を設計することができます。

「防火上主要な間仕切壁に係る規制の合理化」について

防火上主要な間仕切壁の設置不要部分の明文化

準耐火構造の防火上主要な間仕切壁を設けないことに関して防火上支障がない部分を定める件等に関するパブリックコメントの募集の結果について

学校、病院、児童福祉施設等で要求される防火上主要な間仕切り壁。
法文には明確な仕様や規定は明記されておらず、主に「防火避難規定の解説」が考え方の拠り所となっているのは周知のことかと思います。

今回の法改正では、防火上主要な間仕切壁の設置を条件付きで緩和するものですが、そもそもの目的は小規模の住宅等を児童福祉施設に用途変更するハードルを下げる、というものです。
防火上主要な間仕切り壁は施設利用者の居室と避難経路、火気使用室等を区画しなければなりませんが、天井裏や小屋裏まで達する構造としなければならず、工事が大掛かりになりその結果費用がかさむのがネックでした。この防火上主要な間仕切り壁の代わりに、所定の設備や計画を施すことで、安全な避難が行えるなら、防火上主要な間仕切り壁は不要とすることができます。

改正法令
令112条2項
2  
法第二十七条第二項 、法第六十二条第一項 又は法第六十七条の二第一項 の規定により準耐火建築物とした建築物(第百九条の三第二号又は第百十五条の二の二第一項第一号に掲げる基準に適合するものを除く。)で、延べ面積が五百平方メートルを超えるものについては、前項の規定にかかわらず、床面積の合計五百平方メートル以内ごとに同号に掲げる基準に適合する準耐火構造の床若しくは壁又は特定防火設備で区画し、かつ、防火上主要な間仕切壁(自動スプリンクラー設備等設置部分(床面積が二百平方メートル以下の階又は床面積二百平方メートル以内ごとに準耐火構造の壁若しくは法第二条第九号の二 ロに規定する防火設備で区画されている部分で、スプリンクラー設備、水噴霧消火設備、泡消火設備その他これらに類するもので自動式のものを設けたものをいう。第百十四条第二項において同じ。)その他防火上支障がないものとして国土交通大臣が定める部分の間仕切壁を除く。)を準耐火構造とし、小屋裏又は天井裏に達せしめなければならない。

令114条2項
2  
学校、病院、診療所(患者の収容施設を有しないものを除く。)、児童福祉施設等、ホテル、旅館、下宿、寄宿舎又はマーケットの用途に供する建築物の当該用途に供する部分については、その防火上主要な間仕切壁(自動スプリンクラー設備等設置部分その他防火上支障がないものとして国土交通大臣が定める部分の間仕切壁を除く。)を準耐火構造とし、小屋裏又は天井裏に達せしめなければならない。

令112条2項にも、防火上主要な間仕切り壁の記載があり、よく参照される令114条2項よりも先に出てくる関係上、令114条では、除外規定について詳しく触れられていません。
つまり、いきなり令114条をみても、詳細がわかりませんので令112条2項と令114条2項はセットで認識しておくのが理想です。

そして、遅れて公布された告示は以下の様な内容です。

国土交通省告示第860号

準耐火構造の防火上主要な間仕切壁を設けないことに関して防火上支障がない部分を定める件

建築基準法施行令(第一号において「令」という。)第112条第2項及び第114条第2項に規定する防火上支障がない部分は、居室の床面積の合計が100平方メートル以下の階又は居室の床面積の合計100平方メートル以内ごとに準耐火構造の壁若しくは建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号。第一号において「法」という。)第二条第九号の二ロに規定する防火設備で区画されている部分(これらの階又は部分の各居室(以下「各居室」という。)に消防法(昭和二十三年法律第百八十六号)第九条の二第一項に規定する住宅用防災機器又は消防法施行令(昭和三十六年政令第三十七号)第七条第三項第一号に規定する自動火災報知設備(火災の発生を煙により感知するものに限る。)を設けたものに限る。)で、次の各号のいずれかに該当する部分とする。


各居室から直接屋外への出口等(屋外への出口若しくは避難上有効なバルコニーで、道若しくは道に通ずる幅員50センチメートル以上の通路その他の空地に面する部分又は準耐火構造の壁若しくは法第二条第九号の二ロに規定する防火設備で区画されている他の部分をいう。以下同じ。)へ避難することができること。


各居室の出口(各居室から屋外への出口等に通ずる主たる廊下その他の通路(以下「通路」という。)に通ずる出口に限る。)から屋外への出口等の一に至る歩行距離が8メートル(各居室及び通路壁(各居室の壁にあっては、床面からの高さが1.2メートル以下の部分を除く。)及び天井(天井のない場合においては、屋根。)の室内に面する部分(回り縁、窓台その他これらに類する部分を除く。)の仕上げを難燃材料でした場合又は建築基準法施行令第百二十九条第一項第一号ロに掲げる仕上げとした場合は16メートル)以下であって、各居室と通路とが間仕切壁及び戸(ふすま、障子その他これらに類するものを除き、常時閉鎖した状態にあるか、又は火災により煙が発生した場合に自動的に閉鎖するものに限る。)で区画されていること。

防火上主要な間仕切り壁が不要となる要件を簡単にまとめると

  • 施行令の規定に基づくと

床面積が200㎡以下の階又は床面積200 ㎡以内ごとに準耐火構造の壁 若しくは法第2条第九号の二ロに規定する防火設備で区画されている部分

スプリンクラー設備、水噴霧消火設備、泡消火設備その他これらに類するもので自動式のものを設けた
場合

  • 告示仕様に基づくと

居室の床面積の合計が100㎡以下の階又は居室の床面積の合計100㎡以内ごとに準耐火構造の壁等で区画されている部分であり、各居室に煙感知式の住宅用防災機器又は自動火災報知設備が設けられていて
次のいずれかに該当する場合


各居室から直接屋外への出口等(屋外への出口若しくは避難上有効なバルコニー)へ避難することができること。

各居室の出口から屋外への出口等の一に至る歩行距離が8メートル(難燃仕上げで倍読み16メートル)以下で各居室と通路とが間仕切壁及び常時閉鎖戸もしくは煙感知器連動で閉鎖する戸で区画されていること

比較してみると、告示仕様は区画の規模が小さく、また、避難距離の規定もあったりと、明らかに小規模建築物での適用が想定されています。

なお、防火上主要な間仕切り壁に関する規定は告示も含め施行済みのため、すでに確認済みの建築物でも、計画変更の確認申請を申請することで、防火上主要な間仕切り壁を設置しない計画に変更することが出来ます。

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