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軽微変更について改めて確認してみると・・・

公開日: : 最終更新日:2013/10/14 建築確認Tips

軽微な変更か、計画変更か、それが問題だ、というか結構大問題だ。

建築現場に変更は付きもので、ある意味変更の発生しない現場なんて無いのではないかと思えるくらい、変更は日常茶飯事です。
そんな変更で悩まされるのが、確認申請手続きにおける、「軽微な変更」にあたるのか「計画変更」に当たるのかという部分ではないでしょうか。

軽微な変更の一つの指標として、平成22年3月の「建築確認手続き等の運用改善」のなかに記載があります。

軽微な変更の要件

ざっくりまとめると、
・建築基準法施行規則第3条の2 第1項から第4項に該当する
・建築物については、「一の変更」ごとに規則第3条の2第1号~第15号に該当する
・変更後の計画が建築基準法に明らかに適合する
となります。

条文はこうなっています。

建築基準法施行規則 第3条の2

(計画の変更に係る確認を要しない軽微な変更)
第三条の二  
法第六条第一項 (法第八十七条第一項 において準用する場合を含む。)の国土交通省令で定める軽微な変更は、次に掲げるものであつて、変更後も建築物の計画が建築基準関係規定に適合することが明らかなものとする。
一  
敷地に接する道路の幅員及び敷地が道路に接する部分の長さの変更(都市計画区域内、準都市計画区域内及び法第六十八条の九第一項 の規定に基づく条例により建築物又はその敷地と道路との関係が定められた区域内にあつては敷地に接する道路の幅員が大きくなる場合(敷地境界線が変更されない場合に限る。)及び変更後の敷地が道路に接する部分の長さが二メートル(条例で規定する場合にあつてはその長さ)以上である場合に限る。)
二  
敷地面積が増加する場合の敷地面積及び敷地境界線の変更(当該敷地境界線の変更により変更前の敷地の一部が除かれる場合を除く。)
三  
建築物の高さが減少する場合における建築物の高さの変更(建築物の高さの最低限度が定められている区域内の建築物に係るものを除く。)
四  
建築物の階数が減少する場合における建築物の階数の変更
五  
建築面積が減少する場合における建築面積の変更(都市計画区域内、準都市計画区域内及び法第六十八条の九第一項 の規定に基づく条例により日影による中高層の建築物の高さの制限が定められた区域内において当該建築物の外壁が隣地境界線又は同一の敷地内の他の建築物若しくは当該建築物の他の部分から後退しない場合及び建築物の建築面積の最低限度が定められている区域内の建築物に係るものを除く。)
六  
床面積の合計が減少する場合における床面積の変更(都市計画区域内、準都市計画区域内及び法第六十八条の九第一項 の規定に基づく条例の適用を受ける区域内の建築物に係るものにあつては次のイ又はロに掲げるものを除く。)
イ 当該変更により建築物の延べ面積が増加するもの
ロ 建築物の容積率の最低限度が定められている区域内の建築物に係るもの
七  
用途の変更(令第百三十七条の十七 で指定する類似の用途相互間におけるものに限る。)
八  
構造耐力上主要な部分であって、基礎ぐい、間柱、床版、屋根版又は横架材(小ばりその他これに類するものに限る。)の位置の変更(変更に係る部材及び当該部材に接する部材以外に応力度の変更がない場合であって、変更に係る部材及び当該部材に接する部材が令第八十二条 各号に規定する構造計算によって確かめられる安全性を有するものに限る。)
九  
構造耐力上主要な部分である部材の材料又は構造の変更(変更後の建築材料が変更前の建築材料と異なる変更及び強度又は耐力が減少する変更を除き、第十一号の表の上欄に掲げる材料又は構造を変更する場合にあっては、同表の下欄に掲げる材料又は構造とする変更に限る。)
十  
構造耐力上主要な部分以外の部分であって、屋根ふき材、内装材、外装材、帳壁その他これらに類する建築物の部分、広告塔、装飾塔その他建築物の屋外に取り付けるもの若しくは当該取り付け部分、壁又は手すり若しくは手すり壁の材料若しくは構造の変更(次号の表の上欄に掲げる材料又は構造を変更する場合にあっては、同表の下欄に掲げる材料又は構造とする変更に限る。)又は位置の変更(間仕切壁にあっては主要構造部であるもの及び防火上主要なものを除く。)
十一  
建築物の材料又は構造において、次の表の上欄に掲げる材料又は構造を同表の下欄に掲げる材料又は構造とする変更(第九号及び前号に係る部分の変更を除く。)
(表は割愛)
十二  
井戸の位置の変更(くみ取便所の便槽との間の距離が短くなる変更を除く。)
十三  
開口部の位置及び大きさの変更(次のイからニまでに掲げるものを除く。)
イ 当該変更により法第二十八条 の適用を受ける開口部に係る変更で採光及び換気に有効な面積が減少するもの
ロ 耐火建築物、準耐火建築物又は防火地域若しくは準防火地域内にある建築物で耐火建築物及び準耐火建築物以外のものの開口部に係る変更で当該変更により延焼のおそれのある部分にある外壁の開口部に該当することとなるもの
ハ 令第百十七条 の規定により令第五章第二節 の規定の適用を受ける建築物の開口部に係る変更で次の(1)及び(2)に掲げるもの
(1) 当該変更により令第百二十条第一項 又は令第百二十五条第一項 の歩行距離が長くなるもの
(2) 令第百二十三条第一項 の屋内に設ける避難階段、同条第二項 の屋外に設ける避難階段又は同条第三項 の特別避難階段に係る開口部に係るもの
ニ 令第百二十六条の六 の非常用の進入口に係る変更で、進入口の間隔、幅、高さ及び下端の床面からの高さ並びに進入口に設けるバルコニーに係る令第百二十六条の七第二号 、第三号及び第五号に規定する値の範囲を超えることとなるもの
十四  
天井の高さの変更
十五  
建築設備の材料、位置又は能力の変更(性能が低下する材料の変更及び能力が減少する変更を除く。)

軽微な変更か、計画変更か迷ったら

「一の変更」とは、例えば、「間仕切り壁の位置を変更したために、その間仕切り壁に設置されている建築設備の位置が変更になる場合」などです。ちなみに間仕切壁の位置の変更は第10号に該当します。

平成22年3月の「建築確認手続き等の運用改善」に、いくつか軽微な変更に該当する例が挙げられていますが、建築現場で起こりうる軽微な変更がすべて網羅されているはずもなく、あくまで参考程度となっています。

結局は、申請先に都度問い合わせて確認しておくべき内容となりますから、面倒がらずに問い合わせしておくべきです。

勝手に判断して、実は計画変更にあたることとなった場合は、工程や検査日程に大きな影響を与えかねません。また逆に、規則に記載されていない事項はどんなに些細な事でも、計画変更になるとも言えます。

ただ、実際問題として内部建具の位置を変更したような場合、規則に表記がないので計画変更か、という問題は意外と厄介です。
このような場合は、特定行政庁や、確認審査機関に相談して判断することになりそうですが、私の経験では間仕切壁の位置の変更とみなしてもらった事があり、胸をなでおろした記憶があります。

過去の偽装事件の影響で、建築確認もだいぶ厳密に審査されるようになりましたが、結局法文から読み取れない部分は人が判断するしかないのです。

ちなみに、建築物の配置の変更は規則のどの号にも記載がなく、自動的に計画変更となります。
一昔前は「50cmまでなら大丈夫」とか結構多めにみてもらうこともありましたが、今は基本的に計画変更手続きが必要になります。

「施行誤差の範囲ならいいでしょ」という意見もあると思いますが、どこまでが誤差なのかは明確ではないので、これも結局は申請先に相談することになります。

また、細かな部分では、上記規則の第2号で「敷地面積の増加」は軽微な変更に該当する、とありますが、最初の確認申請で敷地だった部分が減るような変更は、トータルで敷地面積が増加しても「計画変更」となります。

単純に敷地の面積が増えたから、軽微でよかった、とはならないということです。

軽微変更トリビア 工作物の軽微な変更

ところで、ちょっとマメ知識です。
まずは規則3条の2第3項と第4項をご覧ください。

3  
法第八十八条第一項 において準用する法第六条第一項 の軽微な変更は、次に掲げるものであつて、変更後も工作物の計画が建築基準関係規定に適合することが明らかなものとする。
一  第三条第一項の表一の配置図における当該工作物の位置の変更
二  構造耐力上主要な部分である基礎ぐい、間柱、床版、屋根版又は横架材(小ばりその他これに類するものに限る。)の位置の変更(変更に係る部材及び当該部材に接する部材以外に応力度の変更がない場合であって、変更に係る部材及び当該部材に接する部材が令第八十二条 各号に規定する構造計算によって確かめられる安全性を有するものに限る。)
三  構造耐力上主要な部分である部材の材料又は構造の変更(変更後の建築材料が変更前の建築材料と異なる変更及び強度又は耐力が減少する変更を除き、第一項第十一号の表の上欄に掲げる材料又は構造を変更する場合にあっては、同表の下欄に掲げる材料又は構造とする変更に限る。)
四  構造耐力上主要な部分以外の部分であって、屋根ふき材、内装材、外装材、帳壁その他これらに類する工作物の部分、広告塔、装飾塔その他工作物の屋外に取り付けるものの材料若しくは構造の変更(第一項第十一号の表の上欄に掲げる材料又は構造を変更する場合にあっては、同表の下欄に掲げる材料又は構造とする変更に限る。)又は位置の変更
五  令第百三十八条第二項第一号 に掲げる乗用エレベーター又はエスカレーターで観光のためのもの(一般交通の用に供するものを除く。)の構造耐力上主要な部分以外の部分(前号に係る部分を除く。)の材料、位置又は能力の変更(性能が低下する材料の変更及び能力が減少する変更を除く。)


法第八十八条第二項 において準用する法第六条第一項 の軽微な変更は、次に掲げるものであつて、変更後も工作物の計画が建築基準関係規定に適合することが明らかなものとする。
一  築造面積が減少する場合における当該面積の変更
二  高さが減少する場合における当該高さの変更

 

第3項と第4項は工作物に対しての軽微変更について記載されています。
第3項は広告塔、擁壁等についてで第4項は製造施設、貯蔵施設等についてです。

第3項の第1号をご覧いただくと、ちゃっかり「位置の変更」とあります。
つまり、コンビニの看板をはじめ、広告塔の類は配置をいくら動かそうと、軽微な変更でいいわけです。
しかし第4項には面積と高さの減少の記述しかないので、配置変更は計画変更になるわけです。
そうそう数はないかもしれませんが、知っておいて損はない情報かと思います。

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