つい数か月前にWi-Fi6対応の無線LANルーターが我が家に来たかと思ったら、もう、Wi-Fi6「E」対応ルーターが来てしまいました!!
Wi-Fi6とWi-Fi6E、一体何が違うのか?そして、速度測定の結果は??まとめました。
(TP-Link様より製品をご提供いただいてレビューしておりますが、内容は忖度なしの事実のみを記載しています)
TP-Link Archer AXE5400
ルーター上部に燦然と輝く「Wi-Fi6E」のロゴマーク。6から漏れ出すWi-Fiの電波。これは否が応でも期待が膨らみます。
記事冒頭の画像にあるものが製品セット一式で、ルーター本体、ACアダプター、LANケーブル(CAT-5E)、取説類、と必要十分なシンプルな構成です。
TP-Link製のWi-Fi6対応無線LANルーターの中でも上位グレードにあたる製品です。
Wi-Fi6とWi-Fi6Eの違いについては後述するとして、バンド合計で最大5.4Gbpsというメチャ速い通信速度を誇るルーターで、数年後でも安心して使えるネットワーク環境が構築できるものと思われます。
ここで、最大の売りである「Wi-Fi6E」について触れておきます。
詳しい解説はTP-Link公式の「WiFi 6Eの詳細はこちら」を見ていただくと一目稜線ですが、もっと端的に理解するには下の画像がわかりやすいです。
交通状況を模したイラストの左側が、これまでのWi-Fiの速度のイメージです。
従来のWi-Fi規格である、4、5、6が同じ道路で走っているので、スポーツカーに相当する6が、4や5を追い越せずに本来の速度を発揮できずにいるようなイメージですね。
一方右側はWi-Fi6であるスポーツカーのみが、何車線もの名古屋中心部並みに広い道路を我が物顔で疾走しており、安全快適に速度をあげまくっていることがわかります。
もちろん、実際の通信テクノロジー上では一般人には理解できない様々な制約があることと思いますが、それでもWi-Fi6Eの速さはひとつ抜けているということがわかります。さらに、混雑が少ないということがより快適性を高めているのであろうことは容易に想像できます。
最新のWi-Fi規格は「7」がありますが、まだWi-Fi7に対応している機器はごくわずかです。
さらに言うと、Wi-Fi6Eに対応しているスマホも、まだまだハイエンドと呼ばれるスマホだけというのが現状なので、「渋滞がなくスポーツカーが疾走している」快適さを享受できる人は少ないかもしれません。
ただ、スマホが必需品となった今、どれだけの人がそのスマホのWi-Fi規格を確かめてから買うでしょうか。
せいぜい、大きさ、重さ、色、カメラの性能、メモリやストレージの大小くらいで、もっと踏み込んでスペックを調べる人は少数派だと思います。
でも知らないうちにテクノロジーはどんどん進歩しているので、気づいたらWi-Fiルーターが時代遅れになっている、なんてことはいくらでも起こりえます。
つまり、いまWi-Fi6E対応端末が少なくてもあと数年でWi-Fi6Eが主流になり、さらにもう数年でWi-Fi7が当たり前になることは火を見るよりも明らかですから、ルーターを更新するなら最新規格の一歩手前、つまりWi-Fi6E対応を選択することは非常に賢いことと言えるかと思います。
ちなみに現在Wi-Fi6E対応のスマホはこちらのサイトで確認できます。
24Wireless:Wi-Fi 6E/Wi-Fi 7対応スマートフォンの一覧【2024年2月
iPhone 15 Pro/iPhone 15 Pro MaxやGoogle Pixel 8 Proほか、最上位スペックのSoCを採用したスマホばかりということがわかります。
公式サイトにすべて書いてありますが、個人的にはやはり、VPNクライアント機能とTP-Link HomeShieldではないかと思います。
VPNクライアント機能はちょっとネットに詳しくなってくると気になる機能で、特に個人情報保護にシビアな人にとってはなくてはならない機能だと思います。
またTP-Link HomeShieldを利用すれば、セキュリティソフトを別途購入しなくても、設定次第ではかなりハイレベルなセキュリティ環境を構築できますし、未成年のお子さんがいるご家庭などでは特に安心して子供にもネットを使わせることができるのではないかと思います。
設定自体は専用アプリから簡単にできるとはいえ、ある程度の勉強、知識は必要にはなりますが、ヘルプも充実してることですし、安全安心のためなら多少の努力は惜しむべきではありません。
掲載した画像はブロードバンドスピードテストの結果ですが、無線でもうすぐ1ギガのスピード、初めて見ました。
ちなみにテスト環境は、残念ながらWi-Fi6E対応機器を今のところ持っておらず、
端末:Xiaomi Pad6(Wi-Fi6対応)
auひかり+so-net
です。
ルーターの比較対象として、以前レビューしました、「Archer AX23V」
も同じタイミングで再度速度測定を行いました。
Archer AX23Vの速度スペックはバンド合計で最大1.8Gbpsで、Archer AXE5400の1/3ですのでArcher AXE5400が勝利するのは確実と言えそうですが、我が家の環境ではどれくらい違いがあるか確認してみました。
速度差が大きな部分は色を濃くしてみましたが、やはりArcher AXE5400の圧勝です。一か所だけ、Archer AX23Vのアップロードが激ハヤなところがありますが、総合的に見てもArcher AXE5400が速いことに間違いなしと断言してよいでしょう。
ちなみにルーター本体の大きさはこれくらい違います。
大きさだけで性能の良し悪しは計れませんが、アンテナの多さ、強さは大きさに比例するような気がします。
電源アダプターの仕様を比較してみると、電圧は同じでもArcher AXE5400は電流が倍違いますので、その分アンテナからバリバリ電波が出ているものと理解しました。
記事作成時点でのAmazonでの価格も3倍ほどArcher AXE5400がお高いのも、高性能であることの証ではないでしょうか。
ただ、速度の数値的にはArcher AXE5400が圧倒的ですが、Archer AX23VもWi-Fi6には対応していますし、よほど大容量のデータのやり取りをしないのであれば十分快適なWi-Fi環境を得られるということは付け加えておきます。
TP-Link Wi-Fi 6Eとは?より
Wi-Fi6規格登場から、Wi-Fi6E、Wi-Fi7とたて続けに新規格が登場していますが、Wi-Fi7が普及するには端末側の対応も必要なわけですし、今のところ相当なマニアか専門家以外は手を出すのは早すぎると思います。
そこで、3から5年先を見越したルーターの選定としてはWi-Fi6E対応がbestに近い選択になるのではないでしょうか。
逆にハイエンドスマホを使っているのにルーターが旧型のため、端末の性能を活かしきれていない(またはそれすら気付いていない)という方もいるかもしれません。
これからは、スマホの機種を変更するときは「我が家の無線LANルーターの性能はスマホにマッチしているか」についてもしっかりと確認しておくべきでしょう。
もしくは、Archer AXE5400のようなハイスペックなWi-Fiルーターを買っておいて、どのスマホに機種変更しても問題ないような環境にしておくという作戦も良いかもしれません。