防火避難規定の基本 無窓居室とは何だ?

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無窓居室の基本は、採光、換気、排煙

「無窓居室」
この言葉には、なんともいえない響きがあります。
窓がない居室。
考えるだけで気が滅入りそうです。
まるでどこかの大企業の左遷部門のような・・・。

それはさておき、この「無窓」という言葉はいろいろな条文の解説で登場します。
ただし、建築基準法には「無窓」という言葉そのものは登場しません。
「条件を満たす開口部を有しない居室」のことを、便宜上「無窓居室」と称しており、いまや建築業界では当然のように使われています。

無窓居室の条文ごとの関連を図で理解する

「無窓居室」という一つの言葉に、何種類も意味があり、紛らわしい。
そしてうっかりして建築確認で指摘を受けて焦ってしまう。
この「無窓居室」のように多くの条文が絡む規定は、図にしてしまうのが手っ取り早い。
図の内容を覚えなくても、関連する規定がいくつあったかくらいは思い出せます。
そうして、徐々に慣れてしまえばもう、こっちのものです。
まずはこの図から。

無窓関係規定




建築基準法の35条まわりは必ず理解すべし

もっとも関連が深いのが、建築基準法35条から35条の3までの条文です。
これらの条文の詳細がそれぞれ施行令に規定されていて、さまざまな要件を求めています。
では、「無窓居室」であるがゆえに、どんな条件を求められるか。
それを図にしたのがこちらです。
ただし、かなり簡略化してありますから、適合、非適合については省いてありますから
詳細は是非建築基準法の法令集を開いて確認してみてください。

無窓居室に対する規制

musou kyositu
「無窓居室」になってしまうと、こんな規定について交換条件を求められる。
それを端的に表現しています。
細かい部分は結局条文で確認しなければなりませんが
「こんな規制を受けるくらいなら、無窓にならない計画にしよう」
とか
「これなら無窓にして、そこでの条件をクリアしたほうがよさそうだ」
と逆手に取った計画もできるわけですね。

勘違いしやすい無窓居室の解釈

「採光無窓イコール非常用照明設置」という短絡的思考はヤバイ

それとここで、みなさんは大丈夫だとは思いますが、絶対に間違えてはいけない「無窓居室」の解釈についてお話します。
よく、「ここの居室、採光がとれないから非常用照明を付けておこう」と計画することがあります。
ですが、非常用照明でかわせるのはあくまで施行令116条の2第1項一号の規定でいうところの1/20採光が満たせないときだけです。
建築基準法第28条第1項に規定される、住宅、学校、病院などの居室では無窓緩和の規定はありません。
これらの居室には必ず、規定の採光が必要です。
一方、ただし書きとの関連もあり、ただし書きに該当すれば開口部はなくても適合となります。
くれぐれもご注意ください。

建築基準法第28条 抜粋
住宅、学校、病院、診療所、寄宿舎、下宿その他これらに類する建築物で政令で定めるものの居室(居住のための居室、学校の教室、病院の病室その他これらに類するものとして政令で定めるものに限る。)には、採光のための窓その他の開口部を設け、その採光に有効な部分の面積は、その居室の床面積に対して、住宅にあつては七分の一以上、その他の建築物にあつては五分の一から十分の一までの間において政令で定める割合以上としなければならない。ただし、地階若しくは地下工作物内に設ける居室その他これらに類する居室又は温湿度調整を必要とする作業を行う作業室その他用途上やむを得ない居室については、この限りでない。

建築基準法施行令第126条の4  抜粋
法別表第一(い)欄(一)項から(四)項までに掲げる用途に供する特殊建築物の居室、階数が三以上で延べ面積が五百平方メートルを超える建築物の居室、第116条の2第1項第一号に該当する窓その他の開口部を有しない居室又は延べ面積が千平方メートルを超える建築物の居室及びこれらの居室から地上に通ずる廊下、階段その他の通路(採光上有効に直接外気に開放された通路を除く。)並びにこれらに類する建築物の部分で照明装置の設置を通常要する部分には、非常用の照明装置を設けなければならない。


2014/1/25 読者様のご指摘により、2番めの画像のリンク切れを修正しました。S様、ありがとうございます。

建築物の防火避難規定の解説2016
by カエレバ

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