令和元年6月25日以降の申請書4面の書き方など 書式が新しくなります

建築確認申請書4面新書式

平成30年建築基準法改正が令和元年の6月25日に施行されるのは皆さんご存知かと思いますが、それに伴いまして同日より確認申請の書式も一部新しくなります。

具体的には、確認申請書4面が大きく変わります。

確認申請書以外にも、今回の法改正が関連する各種書式に改訂がありますが、ここでは建築確認申請書と建築工事届の改訂についてまとめます。

6月25日以降に計画変更を申請する場合も書式は新しいものを使う必要があります。

これまでの改正経緯や条文はこちらから
国交省:建築基準法の一部を改正する法律(平成30年法律第67号)について

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令和元年(2019年)6月25日以降に申請する場合の建築工事届

工事届新書式

まずは工事届です。

改訂される内容は、建築主の押印が不要になるというもの。

6月25日以降は、申請関係書類に建築主に押印をもらう際、工事届には押印してもらう必要はありません。

ただし、除却工事がある場合の除却工事施工者の押印が必要なのはそのままです。

令和元年(2019年)6月25日以降に申請する場合の申請書に記載する用途番号の追加

法改正 用途番号の追加

これは主に法27条の改正に関連する項目で、児童福祉施設などの用途において入所者の就寝利用の有無で法的要求が異なってくることによるものです。

3面(もしくは4面)の用途欄に就寝利用の有無を明らかにすることで、モグリの申請を撲滅する意味合いも含まれているのかもしれません。

いずれにせよ、計画通り正直に申請しましょう。

それから、美術館が単独で用途として登場しています。

令和元年(2019年)6月25日以降に申請する場合の建築確認申請書4面

4面 新旧比較

上の画像は、4面の新旧の比較です。
平成27年に4面は変わったばかりなのですが、今回の法改正でも書式が改定されます。
今度はかなり項目が追加され、チェック欄も増えています。
その結果、4面も2枚にわたる分量となり、書類が増えることとなりました。

耐火構造等建築物とか、特定避難時間倒壊等防止建築物とか、あれだけややこしい内容は何だったのかと思わなくもないですが仕方ないですね。

4面書き方アンダーライン

確認申請書の最後の方には書き方の解説がありますが、これが非常にわかりにくいので、kenkihou的になるべくわかりやすくまとめました。

ただ、一度じっくりと改正後の法、施行令、告示を読んで理解していただくとより的確に申請書を作成できると思います。

新書式 4面5

新書式4面5 抜粋 

この欄は、申請建築物の主要構造部が耐火または準耐火構造等に該当する場合に記入します。該当しなければ空欄となります。

【5.主要構造部】
□耐火構造
主要構造部を耐火構造とした場合(これまでの耐火構造と同じ)

□建築基準法施行令第108条の3第1項第1号イ及びロに掲げる基準に適合する構造
耐火性能を耐火性能検証法により確認した場合(これまでの耐火性能検証法により性能を確認した構造と同じ)

□準耐火構造(準耐火時間:   分)
主要構造部を準耐火構造とした場合。加えて、その準耐火時間も数字で記入する。
6欄の1番目または3番めにチェックが入る場合、必ずこの欄にもチェックと数字が入る。

□準耐火構造と同等の準耐火性能を有する構造(ロ―1)
これまでのロ-1(いわゆる外壁耐火)とした場合

□準耐火構造と同等の準耐火性能を有する構造(ロ―2)
これまでのロ-2(いわゆる不燃軸組)とした場合

新書式 4面6

新4面6 抜粋 

この欄は、法21条、いわゆる大規模の木造建築物等の規程に該当する場合または27条の規程に該当する場合にチェックします。

1番目と3番目にチェックが入る場合は、上の5欄の準耐火構造の欄にもチェックを入れ、時間も記入するのをお忘れなく。

【6.建築基準法第21条及び第27条の規定の適用】
□建築基準法施行令第109条の5第1号に掲げる基準に適合する構造

法21条により、令109条の5第1号の規定に適合させた建築物の場合、チェックを入れる
具体的な仕様は新告示の第193号(国交省サイトのPDFが開きます)
建築基準法第二十一条第一項に規定する建築物の主要構造部の構造方法を定める件(令和元年国土交通省告示第193号)

階数4以下で告示に適合させた場合、75分準耐火構造
階数3以下で告示に適合させた場合、60分準耐火構造
この欄にチェックを入れた場合、上の5欄の準耐火構造にチェックを入れ、準耐火時間も記入する。

□建築基準法第21条第1項ただし書に該当する建築物

法21条1項ただし書きにより、令109条の6の規程に適合させた建築物の場合、チェックを入れる。
具体的には、「建築物の周囲に、延焼防止上有効な空地がある建築物」が該当する。
「延焼防止上有効な空地」の技術的基準は
「当該建築物の敷地内にあるもの又は防火上有効な公園、広場その他これらに類するものであり、かつ、当該建築物の各部分から当該空地の境界線までの水平距離が、当該各部分の高さに相当する距離以上のものであることとする」

□建築基準法施行令第110条第1号に掲げる基準に適合する構造

法27条により準耐火構造とした場合にチェックを入れる。(令110条1号イの表による主要構造部の性能)
この欄にチェックを入れた場合、上の5欄の準耐火構造にチェックを入れ、準耐火時間も記入する。
(用途や規模により、60分または45分の準耐火構造になるかと思います。)

新書式 4面7

新4面7 抜粋 

この欄は非常にシンプルですが、延焼防止建築物、準延焼防止建築物という新登場の用語があります。

この用語の定義がどの条文に書いてあるかというと、基準法や施行令にはなく、申請書の書き方の欄に記載されています。
書き方欄をもう一度見てみますと、

延焼防止建築物」(建築基準法施行令第136条の2第1号ロに掲げる基準に適合する建築物をいう。)、「準延焼防止建築物」(同条第2号ロに掲げる基準に適合する建築物をいう。)

とあります。

あっさりと書いてありますが、条文を読みに行くと非常にややこしいです。
簡潔に表にしてくれたら、どんなにわかりやすいことか、ということで表にしてみました。

下の表の通りに判別すれば良く、また、そもそも防火、準防火地域内の建築物でない場合は、この欄は空欄となります。

防火地域 準防火地域内の延焼防止建築物種別

この欄へのチェックの注意点として、延焼防止建築物または準延焼防止建築物ではなく、耐火建築物または準耐火建築物としたものの場合は、「その他」にチェックを入れるというのがポイントです。

あくまでも、延焼防止建築物なのか準延焼防止建築物なのかそれ以外なのか、という記載方法になっている点に注意しましょう。

根拠条文 令136条の2
防火地域
延焼防止建築物
防火地域内にある建築物で階数が三以上のもの若しくは延べ面積が百平方メートルを超えるもの(令136条の2 1号)
準延焼防止建築物
防火地域内にある建築物のうち階数が二以下で延べ面積が百平方メートル以下のもの(令136条の2 2号)

準防火地域
延焼防止建築物
準防火地域内にある建築物で地階を除く階数が四以上のもの若しくは延べ面積が千五百平方メートルを超えるもの(令136条の2 1号)
準延焼防止建築物
準防火地域内にある建築物のうち地階を除く階数が三で延べ面積が千五百平方メートル以下のもの若しくは地階を除く階数が二以下で延べ面積が五百平方メートルを超え千五百平方メートル以下のもの(令136条の2 2号)

防火地域、準防火地域内の耐火要求の内容とだいたい同じですが、全く同じではないので、一度はしっかりと改正後の条文を読んでおきたいところです。
表の中のカッコ書きの準耐火構造について、例えば、準防火地域内の木造3階建ての住宅なんかは、法改正前と同じ規程(準耐火構造相当+開口部制限など)で建築できます。

今回の法改正の特徴としては、改正前の基準で建築された防火・準防火地域内の建築物が改正法施行後であっても既存不適格とならないように配慮しているのがポイントです。

延焼防止建築物が制定された意味合いは、国交省の「法改正の概要」を改めて確認しておくと良いと思います。

令和元年6月25日以降の申請書4面の書き方など まとめ

まずは忘れることなく、令和元年6月25日以降の建築確認申請書は、改定後の書式を使いましょう。

確認申請受付の段階で、「この書式、古いですよ」って言われるときっとゲンナリしますので。

計画変更の申請書も同様に新しくなりますから、その点も頭に入れておきましょう。

法21条にからむ申請はあまり多くないかもしれませんが、防火・準防火地域内の建築物、耐火・準耐火構造の建築物の申請では確実に改訂後の4面の記載に影響があります。

しっかりと内容を確認しておきましょう。

これまでの改正経緯や条文はこちらから。最新の告示も内容を確認できます。
国交省:建築基準法の一部を改正する法律(平成30年法律第67号)について

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