クラシックミニファミコン発売からしばらく経ちますが、まだまだプレミア価格で取引されている模様です。
さらに、クラシックミニファミコン発売を期にレトロゲーム熱も更に高まっているようで、私もひっそりとですが未だに盛り上がってます。
ファミコン世代にはこれまたドンピシャでグッとくるアイテムと言えば、ゲームボーイ(初代)ですが、その外装を利用してHDMIモニターをぶち込み、さらに音まで出るようにした「ゲームボーイ風3.5インチHDMIモニター」を作ってみました。
特別な技術も必要なく、部品と基本的な道具があれば誰でも作れる、「夏休みの工作レベル」の遊びなのでぜひ皆さんも作ってみると良いと思います。
ファミコンをゲームボーイの画面で遊べる日が来るなんて、夢のようです(笑)
ゲームボーイ風3.5インチHDMIモニターの出来栄えや如何に
一通りの作り方もご紹介しますが、とりあえず動画も御覧ください。一通りの動作はわかると思います。
いかがでしょう、クラシックミニファミコンを遊ぶのにはちょうど良い大きさ、画質、音質ですね。何より、ファミコンの画面がゲームボーイに映し出されているというのが、ファミコン世代のハートを鷲掴みにして離さないのではないでしょうか。
それでは、多少長くなりますが作り方を書いていきたいと思います。
ゲームボーイ風3.5インチHDMIモニターに必要なものや作り方など
ゲームボーイ風3.5インチHDMIモニターに必要な材料
上の写真にあるもので、必要な材料はほぼ網羅されています。
配線材とか、ハンダとか、その他細かいモノは省いていますが、まずは写真にある材料を揃えます。
ゲームボーイのガワ(外装)
ゲームボーイが遊べる必要はなく、欲しいのは外装です。ハードオフで540円でしたが、eBayやAliexpressで社外品の外装だけ買っても良いと思います。
HDMIモニターが入ればいいので、任天堂純正である必要はないですし、色も選べるのでオリジナリティが出るかもしれませんね。
安いものだと、700円くらいからあります。
海外通販とはいえ、どちらもちゃんと荷物は届くと思いますので、まずはトライしてみると良いと思います。
ただ、クリア系だと中身が見えます。結構スカスカでカッコ悪いかもしれません。
一番重要な部品、3.5インチHDMIモニター
これはAmazonで買います。
同じものがAliexpressでも売ってますが、値段はほとんど同じなのでAmazonで良いと思います。
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このモニターの良いところはずばり、音も出るところです。
もともとはラズベリーパイ用のようで、類似品は音が出ないものが結構ありますが、イヤホン端子とは言え音も出るのが好都合です。
値段も安いので、容赦なく加工できます。更に良いのは、ラズベリーパイのGPIO端子から電源を供給できる点です。これについては後でまた出てきます。
HDMI端子類、オーディオパーツ類
まずはHDMI端子関係。簡単にいってしまえば、今回作るモニターは、ゲームボーイのガワのなかでHDMIケーブルが延長されて、出口をメス端子にしてやることで、外部のHDMIケーブルを接続できるようにしているわけです。
ただ、モニターの上部にHDMI端子があるので、内部で延長するためには普通のケーブルは使えません。端子部が大きくてガワに入り切らないためです。そこで、オス端子2個を使ってHDMIケーブルを自作します。実は思ったほど難しくないですが、あとでわかりますがちょっとした不具合もあります。
そして、メスーメスアダプターを準備して、外部との接続に利用します。オス端子もメスーメス延長もAliexpressで買いました。オス端子だけというのはAmazonでは見つけられませんでした。
それから、電源用のマイクロUSBのメス端子が基盤に固定されているパーツ。
オーディオ関係は、ボリューム付きのアンプモジュールという、メチャクチャ便利なものが140円くらいで買えます。ツマミは適宜。ゲームボーイらしさを追求するために、ダイヤル式の抵抗を使っても良いかもしれないですね。私はあえてAボタンからボリュームツマミが出ているのがおもしろいかな、と思ったのでこれを選びました。
スピーカーは、ジャンクのDS Liteから取り出しました。ゲームボーイのスピーカーだけでもeBayなどで手に入ります。
イヤホンジャックもAmazonで買いました。パーツ系でAmazonで買っても、Aliexpressで買っても、結局中国などから送られてくるので2,3週間ほど到着を待つことになります。秋葉原などにあるパーツ屋さんやその通販を利用して購入すれば、もっと早く入手することも可能です。ただ、単価はやや高く、送料も当然かかります。
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製作工程0:内部パーツのレイアウト確認
まずは、ガワの中にどのようにパーツが入るかを確認します。
実際には上の写真のような配置ではないのですが、だいたい収まりそうか、最後に無理が出てこないかをだいたい確認しておきます。
作っているうちにどんどん変更されていくのはよくあることですが、すべていきあたりばったりだと失敗します。
製作工程1:モニターの基盤やゲームボーイのガワを加工
モニターはパッと見、ゲームボーイにぴったり収まりそうなのですが、わずかに基盤が大きく入りません。モニター部分はかなりちょうど良い大きさです。
そこで、結構強力な両面テープで貼り付けてある基盤とモニターをいったんはがして、基盤をカットします。テープを剥がすときにはデザインナイフなどでテープの接着面を切るようにして剥がします。無理やり引き剥がすと、いろいろちぎれてしまい後悔だけが残るでしょう。
カットするのはわずか数ミリですが、この基盤がクソ固くて結構大変でした。カッターでやろうとした自分がアホでした。糸鋸などを使うと良いですね。ただし、配線が来ていないかしっかり確認してカットして下さい。
こんな感じで切れました。これでガワに入ります。
続いてガワを加工します。ゲームボーイのモニターより確実に大きいので、必要なだけカットします。
一応モニターを実測して、カットする範囲を決めますが結果的に上のラインから下を、もともとの凹みに合わせて切り取るとちょうどいいことがわかりました。
ネジや基盤を固定するための出っ張りをニッパーでカットします。あとで利用することも可能なので、丁寧に切り取ったほうが良いでしょう。
画面部のカットはルーターに、ダイソーで買ってきた丸鋸を取り付けて加工しました。Amazonでも丸鋸はもちろん買えますが、こういうところをケチるのも楽しいものです。
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慎重に根気よく作業しましょう。ホコリがたくさん出るので、作業する場所はよく考えたほうが良いですね。
右下のコーナー部はドリルなどを駆使してゆとりを持ってカットし、ヤスリで仕上げるようにしたほうが失敗は少ないような気がします。腕に自信があるなら、ルーターでカットしても良いと思います。もちろん、ルーターのヤスリで加工しても良いでしょう。
なかなかキレイに加工でき、モニターがしっかり収まりそうな感じになりました。
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製作工程2:オーディオパーツの取り付け、加工
アンプはこんな感じで内部で基盤が立つような設置となります。
電源、オーディオイン、スピーカーアウトが上部に並ぶような位置に来て、配線作業もラクです。
外側はこんな感じです。
ワッシャーとナットで固定すれば、動かなくなります。
このとき、写真をよくよく見るとわかりますが、本来ボタンを保持しておくための枠(英語だとこのパーツはwell(井戸)と呼ばれています)をスイッチの大きさに合わせてカットする必要があります。
全部カットするのではなく、スイッチの本体がぴったりはまり、ボリュームシャフトがボタン穴の真ん中に来るように調整すると仕上がりもキレイだと思います。
また、ガワを閉じた時電池ボックスの出っ張りが邪魔で閉まりませんから、電池ボックスも必要な範囲を切り取る必要があります。
イヤホンジャックは、これまたちょうど収まりません。
ガワをしめたときにジャックが穴の中心に来るためには、右側の出っ張りをカットすると良い感じになるみたいなのでカットし、さらに奥行きがあったので後ろにさっき切ったスクリーン部の切れ端を当てて調整しました。
良い具合に位置が決まったので、ホットボンドで先に固定しました。ここは固定してしまっても邪魔になりません。
スピーカーは最後に配線するときに固定すれば良いので、この段階では登場しません。
製作工程3:HDMI端子類の加工
このHDMI端子加工の工程が、一番面倒な部分だと思います。難しくはないのですが、根気が必要です。
まずは、メスーメスアダプターをスリム化します。なぜかというと、ガワを閉じるときにモニター裏面のパーツを干渉するからです。
削り取るのは片側だけです。反対側は肉厚が残っていないと、最後にガワに固定するときに安定感がなくなります。
ガワを閉めたときに外装とツラになるようにするなど、やや細かい加工が必要ですが部品同士の干渉を確認しながら加工していけば良いと思います。
設置位置をゲームボーイの元々のボリュームダイヤルがある場所にしたところ、上の写真の位置になります。そして、写真ではメスーメス端子に隠れていますがその下にあるパーツと干渉するわけです。
メスーメス端子がモニター基盤のメインチップにもやや被ります。接しはしませんが結構熱くなるパーツなので、一応放熱シートを貼っておくことにしました。
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続いてHDMI端子同士を繋ぐ、HDMIケーブルを自作します。オス端子2個とポリウレタン被覆線を使って作成します。
HDMI端子は、片面に9本、もう片面に10本のケーブルが繋がるので、合計19本の線を切り出します。実際は全部繋がなくても良いのかもしれませんが、HDMIの構造に詳しくないので全部繋ぎます。
ハンダコテに少しハンダを盛っておいて、ポリウレタン被覆線を通過させ予備ハンダします。このときに、シュワっと煙が出ると被覆が燃えた証拠です。被覆がなくならないと通電しませんから、うまくいっていないな、というときはやり直したほうが良いでしょう。
一つ一つ、ゆっくりやっていけば難しくはないと思います。端子のお尻同士が付いているということは、内部の線はクロスしますからその点に注意して両側のHDMI端子に配線をハンダ付けしていきます。
やってみると、案外できます。
出来上がったら、ちゃんと役割を果たすかテストしておきましょう。無事、映りました。
メスーメスアダプターは、元ボリューム位置の穴を適宜カットして広げつつ、ツラになるように固定します。写真ではよく見えてませんが、設置部の下にはホットボンドがベッチョリ入っていて、土台を作っています。
ついでに、電源用のUSB端子も固定します。
製作工程4:配線作業
ここまでの過程を経て、やっとパーツ類を配線していくことになります。
が、もう少しだけやることがあります。
モニターからステレオ音声が出ますから、せっかくなのでスピーカーも左右設置します。片方はもともとのゲームボーイのスピーカー位置に設置するので何も加工は入りませんが、もう片方は音が外に出るように穴を空けておきたいところです。
何の工夫もなく6個、ドリルで穴を空けましたが、このあたりの遊び心で仕上がりも楽しげに、さらに個性的になると思います。
上が配線する直前の状態です。
この状態から、電源とオーディオを配線していきます。同じ作業の繰り返しとなり、面倒ですが難しい作業はないです。
アンプが電池ボックスと干渉する部分の切り取りの様子もわかると思います。
で、全部繋ぐとこうなります。
電源は、マイクロUSB基盤からモニターの電源につなぎつつ、経由してアンプに繋いでます。ここは手抜きですね。スイッチも省略しました。マイクロUSBケーブルを繋ぐと自動的に電源が入ってしまいます。
モニターにはスイッチが付いていますので、このスイッチはオンになったままということです。逆に、オンになっていないとモニターを点ける手段がありません。こだわる方はスイッチを付けたほうが楽しいと思います。
モニターの電源は、モニターの基盤にあるマイクロUSBから取るようになっていますが、上にも書いたようにラズベリーパイのGPIO端子からも電源を取ることができます。
今回の工作では、モニターの基盤が左右目いっぱいなので、USB端子を使うことができません。もちろん、工夫すればどうにでもなりますがここもまあ、手抜きです。GPIO端子側から電源を取るほうが作業が楽なので、そうしました。
GPIO端子に繋がる部分は、四角いプラスチックのパーツが飛び出ている部分です。4つ穴の塊と8つ穴の塊があり、基盤が見えるように置いたときそれぞれの左下が電源のプラス(Vcc)とマイナス(Gnd)になります。
この端子めがけて、マイクロUSB基盤の電源を4つ穴の左下に、GNDを8つ穴の左下に繋いでやるとめでたくモニターが点灯するわけです。
ちなみに今回は4つ穴の方はプラのカバーを外して、端子をむき出しにしました。8つ穴の方はカバーが取れなかったのでジャンパーケーブルを利用して配線しました。これも手抜きですね。
イヤホンジャック部分の配線です。イヤホンを挿すとスピーカーへの配線が切れ、スピーカーからは音が出なくなります。
仕組みは単純なので、実際イヤホンを挿してみて、どちらにアンプからの線を繋ぐか、スピーカーへの線を繋ぐか確かめてから配線しましょう。
アンプへの入力は、モニターのイヤホンジャックから配線します。L、R、GNDの位置関係はググるとわかるので、調べてみて下さい。
ちなみに、たくさんの線の被覆を剥くときは、ぜったいにコレがあったほうが良いです。作業効率が段違いです。赤と黄色がありますが、黄色のほうがより細い配線に対応しています。
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製作工程5:フタをして完成
この状態が、完成直前です。
コントラストダイヤルの部分が空いてしまったので、ダイヤル式抵抗をダミーで貼り付けました。ACアダプター用の穴も空間になってしまうので、ビス固定用のプラスチックの円柱パーツを貼り付けました。
もともとの十字キーやBボタン、スタートセレクトボタンは、見ての通り固定してあるだけのダミーです。本体上部のスライドスイッチもダミーで貼ってあるだけです。
カセットスロットも開きっぱなしになるので、108円で買ってきたカセットをビニールテープで止めてあります。
ガワを閉じる直前の様子ですが、このときに内部のHDMIケーブルを接続します。ポリウレタン被覆線は細いですがある程度強度はあるものの、無理な力がかかると切れたり外れたりしますから、慎重に作業しましょう。
で、この状態だとガワ同士を固定できるビス穴は1箇所しかありません。流石に1箇所だとカパカパになるので、上で取っておいたビス穴支柱とホットボンドを駆使して、もう一箇所くらい固定できる場所を確保しましょう。
ゲームボーイ風3.5インチHDMIモニター 動作確認
晴れて完成しましたので、動作確認を行います。
コンポジ-HDMIコンバーターを使ってニューファミコンを繋いでみました。無事映り、音も出ました。
PCのサブモニターとしても使えました。You Tubeを流しておいて、メインの方は別の作業をするということももちろん可能です。
一方で、最初の動画でもありましたが、PS3やAmazonFireスティックは映りませんでした。
内部モニターのHDMI端子に直接AmazonFireスティックやPS3を繋ぐとしっかり表示されるので、その原因は自作のHDMIケーブルなのではないかと考えられます。
ただ単に導線でオス端子同士を結んだだけのものなので、最新の規格に適合した信号を送れていないのだろうと考えられます。
クラシックミニファミコンやコンバーターを通した信号なら問題ないのですが、より高度な情報の伝送が可能でないと画面が表示されないわけですね。
ゲームボーイの画面でアマゾンプライムビデオが見られれば最高でしたが、今後の課題ということで。
細くてかさばらなくてしかも柔らかいHDMIケーブルが存在していれば、それを使うだけでいいのですが、それが無いから困っているわけで・・・。
たぶん、このケーブルでもダメでしょうね。
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番外編:ゲームボーイ風3.5インチHDMIモニターにピッタリのケース
ここからは番外編です。
せっかく作ったHDMIモニターですから、しっかりと保管、保護したいのでケースが必要です。
そこでオススメなのが、3DSLL用のセミハードケースです。
多少大きさに余裕があるので、USBケーブルを一緒に入れたり、HDMIケーブルやスタンドも入ります。
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ボリュームつまみが出っ張っているので、干渉する部分は思い切ってカットします。これで、しっかりとフタが閉まります。
実は、クラシックミニファミコンもこのケースにちょうど収まるんです。良くできてます。
ということで、クラシックミニファミコンと一緒に使いたい、ゲームボーイ風3.5インチHDMIモニターについてでした。
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