南青山3丁目のサニーヒルズで遭遇した「天国と地獄」

サニーヒルズ南青山

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好きか嫌いかは別として、建築ファンなら誰もが気になる、南青山に2013年末にオープンしたサニーヒルズ南青山店を見てきました。

結構衝撃的なファサードゆえに、建築好きなら記憶の片隅に残っていたり、もしくはもう行ってきたという方も多いことでしょう。

そんなサニーヒルズ南青山店で遭遇した、「天国と地獄」とは何なのか、お伝えしたいと思います。

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大都会のド真ん中、南青山3丁目であなたも刺激的体験を是非!

超絶インパクトファサード地獄

サニーヒルズ外観2
最初の地獄は、その強烈なファサードです。

最近の隈研吾氏のデザインアイコンと言っても良い、「木材」が住宅街の中で異彩を放っています。

パイナップルをイメージしてデザインされたという、かなり斬新な外観は木組みで構成されていて、その名も「地獄組み」という木組みです。

在来木造の継手仕口に用いられる木組みではなく、内部建具の組子に用いられる木組みの名称です。
(腰掛け鎌継ぎとか、大入れ蟻掛けとか、2級建築士の試験の時覚えましたね・・・。そういう、柱-梁などの接合には、地獄組みは使われません。)

これがしかも、化粧材じゃなくて構造材として建築を支えているというんですから、驚きです。

詳しいことは日経アーキテクチュア・プレミアムでPDFがダウンロードできるので、プレミアム会員の方はダウンロードしてみると良いと思います。

本誌だと、2014年4-25号に掲載されています。

ケンプラッツでも、概略は分かります。

3DCGの動画も公開されていて、これをみるだけでも、この地獄組がしっかりと構造材として成り立っていることがわかりますし、建築もスゴイですが、最近のCG技術もスゴくて2度びっくりです。

エントランス内部に自転車が置いてあるのも、実店舗と同じでした。
(実店舗をCGと同じにしたのかも)

南青山という、スーパーオシャレな街(田舎者の思い込みが多分に含まれています)ということもあり、自転車は当然のようにロードバイクですが、このサニーヒルズ、本拠地は台湾なんですよね。

台湾といえば、世界中のロードバイクメーカーがカーボンフレームの製造拠点を置いている、もしくはカーボンフレームを調達していることでも有名なので、そんな関連で置いてあるのかも、と深読みしてみました。

いずれにせよ、この圧倒的存在感は、写真ではわかりません。

東京近郊に住んでいるならば、または港区方面に行く機会があれば、ぜひ実際に目撃しておくべきです!

名前も外観もまさに「地獄」ですから!!

大都会TOKIO法規制地獄

サニーヒルズ都市計画情報
港区都市計画情報提供サービスより

ある意味「気が滅入る」画像が出てきてテンションが下がった方もいるかもしれませんが、サニーヒルズ南青山店の法規制地獄っぷりを味わうには最適かと思いまして。

サニーヒルズ南青山店の主な建築制限はというと、2種中高層で、準防火地域、3種高度とポイントが多数あります。
東京では当たり前かもしれませんが、私のようなど田舎代表には、目もくらむような規制され加減です。

ところで、用途的には店舗、事務所ですが、2種中高層では店舗は2階以下1500㎡以下、事務所は2階以下150㎡以下なら建築可能です。

でも外観を見る限り、どうも3階建てっぽいんですが、ここがキモ。

この建物は傾斜地を利用して、地下1階地上2階として計画されているのです。
エントランス部分は、地階扱いなんですね。

そうでないと、準防火地域で3階建て(地階を除く階数が3)は法62条により耐火、準耐火建築物等にしなければならず、外部に木材をあらわしで見せるなんて、不可能なわけです。

サニーヒルズ足元

いくら素晴らしいデザインをひらめいても、適法な建築でなければ意味がありません。

都会で設計を手掛ける方にとっては、法規制を逆手に取って独自の発想でナイスデザインを作り上げていくのでしょう。

私のような「イモ」にとっては、南青山3丁目は法規制地獄なのです。

パイナップルケーキおもてなし天国

サニーヒルズお茶ふるまい

サニーヒルズ南青山店の外観をひと通り撮影したら、やはり内部も撮影したくなります。

エントランスにいるイケメンのお兄さんに尋ねると、二つ返事で快諾をいただきました。

「おお、日経アーキテクチュアで見たのと同じだ」とか考えながら階段を昇ると、踊り場に別のイケメンさんが。

「お茶をお出ししておりますので、どうぞ」と言われ、断る理由もなく、2階の大きなテーブルに通されました。

パイナップル味のお茶かなんかが出て来るのかなと思っていたら、お茶だけでなく、売り物であるはずのパイナップルケーキまで付いているではありませんか。

パッと見、お腹を空かせたショボイオッサンではありますが、こんな施しを受けていいのかと思ってみたものの、他にも数人、ケーキとお茶でリラックスアンドエンジョイしているではありませんか。

こんなおもてなしの試食なんて聞いたことありません。

地獄に仏じゃなくて、地獄組の中で仏のサービス、といったところ。

南青山恐るべしと思いつつも、こんな嬉しい誤算は地獄どころか天国としか言いようがありません。

サニーヒルズ南青山店の皆様、ごちそうさまでした!

南青山セレブリティ体験天国

パイナップルケーキ断面

おもてなし天国の続きとなりますが、さすが南青山、パイナップルケーキの値段も尋常ではありません。

お茶とともに振る舞われたパイナップルケーキ、なんと1個300円もします!!
(5個で1500円)

▼サニーヒルズのお取り寄せサイトより
サニーヒルズ価格
サニーヒルズオンラインショップ

ちょっとおみやげに買っていこうかな、なんて思ったものの、とても購入に踏み切れるような金額ではなく、お茶だけしっかりごちそうになり、3階(実際は地上2階)もちゃっかり見学して帰路につきました。

とうぜんお茶と一緒に出されたパイナップルケーキは、その場では食べずに持ち帰り、家人と半分ずつ食べながら、日本昔ばなしに出て来るおじいさんおばあさんのように、「ハイカラな食べもんじゃのう」と食べましたとさ・・・。

ところが、金額にビビっている私の向こう側では、次々にパイナップルケーキが何箱もどんどん売れていくのです。

さすがセレブの街、南青山。

サニーヒルズ南青山店に辿り着くまでに見かける、住宅に止めてある車も、半分は外車でしたし、1000万クラスのベンツが青空駐車で鳥の糞をくらっている様子は、感慨深いものがあります。

住んでいる人々も、売っているお菓子も、想像を絶する、まさにセレブリティ天国なのでした。

サニーヒルズ3階

より一層セレブリティ気分を味わうためには、ぜひ3階も見に行ったほうがいいです。

地獄組の本来の使われ方である、障子や格子戸があって、2階とはまたちがった雰囲気を醸し出しています。

トイレも、赤ちゃん用おむつ交換台があったり、配慮が行き届いています。シンプルですが、さすが、おしゃれにデザインされていました。

南青山3丁目のサニーヒルズで遭遇した「天国と地獄」 まとめ

東京ってたまに行くとイイよね

お金持ちって本当にいるんだね

パイナップルおいしいよ、パイナップル

建築だけでなく、商品のパイナップルケーキまで味わえた今回の小旅行。

ちなみにこのサニーヒルズのパイナップルケーキは、上の写真でもわかるように、パイナップルジャムがビスケット生地にくるまれているお菓子で、名前の印象とはちょっと違うお菓子がだったのが印象的でした。

例えは悪いですが、カロリーメイトのなかに水分少なめのしっかりとしたパイナップルジャム(というかペースト)が入っている、そんなお菓子です。

南青山方面に行くときは、ぜひ皆さん、寄り道してみてください。

奇想天外な発想の枚挙に暇がない隈研吾デザインに導かれ、天国と地獄が楽しく味わえる大都会東京。

オリンピック開催を控え、今後も楽しい建築がどんどん生み出されるのでしょう。

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