建築基準関係規定 高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(バリアフリー法)について
建築基準関係規定の高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律についてです。
この法律は、通称「バリアフリー法」と呼ばれていますので、以下「バリアフリー法」とさせて頂きます。
建築基準法施行令第9条には、バリアフリー法は記載されていません。
しかし、バリアフリー法の第14条をみると、理由がわかります。
バリアフリー法 第14条
(特別特定建築物の建築主等の基準適合義務等)
第十四条
建築主等は、特別特定建築物の政令で定める規模以上の建築(用途の変更をして特別特定建築物にすることを含む。以下この条において同じ。)をしようとするときは、当該特別特定建築物(次項において「新築特別特定建築物」という。)を、移動等円滑化のために必要な建築物特定施設の構造及び配置に関する政令で定める基準(以下「建築物移動等円滑化基準」という。)に適合させなければならない。
通常建築基準法が関係規定を定めているのですが、これは逆のパターンですね。
順序は逆でも該当する建築物はバリアフリー法に適合させなければならないので、結局はおなじです。
そして、特別特定建築物とその規模はバリアフリー法の施行令に記載されています。
バリアフリー法施行令 第5条
第五条 法第二条第十七号 の政令で定める特定建築物は、次に掲げるものとする。
バリアフリー法施行令 第9条
第九条
法第十四条第一項 の政令で定める規模は、床面積(増築若しくは改築又は用途の変更の場合にあっては、当該増築若しくは改築又は用途の変更に係る部分の床面積)の合計二千平方メートル(第五条第十八号に掲げる公衆便所にあっては、五十平方メートル)とする。
バリアフリー法のまとめ
バリアフリー法施行令第5条に規定される用途で、床面積が2000㎡以上のものはバリアフリー法の基準に適合させなければなりません。
またここで注意したいのが、バリアフリー法第14条第3項で、地方公共団体が条例により必要事項を付加できるとあります。
これが実は見落としやいので、要注意です。
小規模の老人ホームの計画だから関係ないなと高をくくっていたら、実は条例で面積制限が解除されていた、なんてこともあります。
つまり、計画の際に、特別特定建築物に該当する用途であれば、面積に関係なくバリアフリー法の条例についても調査しておかなければならないのです。
用途によっては、通路幅や表示、便所関係の要求が厳しいので、大幅な変更を強いられる恐れがあります。
特別特定建築物と、特定建築物の2種類があり、若干紛らわしいのも注意が必要ですね。
また、単純に「特別特定建築物で2000㎡」と覚えていると、無駄な作業をしてしまう場合もあります。
バリアフリー法の施行令第9条でその2000㎡のことが出てきますが、増築や用途変更の場合は、その部分が2000㎡以上でなければ適合させなくていいということになっています。
もちろん、バリアフリー法に適合していることに越したことはありませんが、その辺りはコストや時間とのバランスがものをいいそうです。