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H26年7月1日に施行される建築基準法の改正施行令を再チェック

平成26年7月1日に施行される改正施行令を再チェックしておきましょう

今年(平成26年)は建築基準法の大改正の年です。

木造準耐火、適判制度見直し、仮使用の指定確認検査機関の認定など、大きな法改正は施行が来年の6月頃と想定されていますが、来月施行される改正施行令もあります。

ここでは、直近に施行される改正施行令について説明します。

階段に係る規制の合理化について

これは、小学校の階段の寸法に関する規定を緩和するものです。

既存ストックの有効活用ということで、例えば中学校を小中一貫校に改修する場合、階段の寸法に関する規定がネックになっていました。

施行令第23条を見ると分かりますが、小学校と中学校で、けあげの寸法だけ、小学校のほうが低く規定されています。
わずか2cmですが、決まりは決まりです。
階段を改修するのは、工事が大掛かりとなり、このために既存ストックの活用に悪影響が出ては困るということで、別途告示を満足することで、けあげが18cmでも法的に適合となります。

具体的には、階段の両側に手すりを設ける、階段の表面を粗面または滑りにくい仕上げとする、等の措置が必要です。

圧縮ガス等を貯蔵等する建築物に係る用途規制の合理化

多方面で環境配慮対策が進む中、自動車から排出されるCO2等を削減する動きを加速させるための施策です。

燃料電池で走る自動車(FCV:水素自動車とも呼ばれる)の普及を促進するために、いわゆる「水素スタンド」を建設する際の規制を緩和します。

現行法では、用途地域ごとに圧縮水素の貯蔵量が定められていますが、このままでは先進諸国のインフラ整備には追いつけません。

そこで、高圧ガス法により安全性が確保されている圧縮水素スタンドについては、都道府県知事の許可を得た上で、建築基準法の用途制限が適用されなくなります。

エレベータに係る容積率制限の合理化

これは、エレベータの昇降路を容積率算定の対象から除外するというものです。

既存建築物のバリアフリー化を推進するにあたり、床面積が増加することで容積率オーバーとなり改修が進まない事例が発生する懸念を解消するためのものです。

この緩和規定には、同じ昇降機でも、エスカレーターや小荷物専用昇降機(ダムウェーター)は対象となりません。
エスカレーターやダムウェーターは、バリアフリー化に直結しないからです。

その他、以下の様な注意点があります。

  • 用途は問われない
  • 容積率から除かれるだけで、床面積、建築面積は発生する
  • 開放型エレベータ、斜行エレベータも同様に対象となる
  • 段差解消機は使用状況により異なる
  • 構造規定は満足させる必要がある(脱落防止措置など)
  • 7月以降は申請書の書式が変更になる(申請書3面:容積率の算定)

補足:平成26年8月上旬に施行される予定の改正令

施行令112条2項および施行令第114条第2項に規定される、防火上主要な間仕切りの構造について、緩和規定が定められます。
正確な日付は未確定ですが、現時点では平成26年8月上旬に公布と同時に施行になる模様です。
グループホームやいわゆる「貸しルーム」は、建築基準法上は「寄宿舎」に該当するため、住宅から用途を変更しようとすると、防火上主要な間仕切りの規定がネックとなっています。

現行法では、防火上主要な間仕切りは「準耐火構造」(建築物が耐火建築物なら耐火構造)としなければなりませんが、所定の要件を満たす場合は、準耐火構造とする必要が無くなります。(告示が新たに定められるものと考えられます)

以下は現時点での概要で、①から③までに適合することが求められます。

①居室の床面積の合計が100㎡以下の階又は居室の床面積の合計100㎡以内ごとに準耐火構造の壁等で区画されていること
②各居室に煙感知式の住宅用防災機器または自動火災報知設備が設けられていること
③次のア)またはイ)に該当する部分であること
ア)各居室の出口から屋外、避難上有効なバルコニー又は100㎡位内ごとの他の区画(屋外および避難上有効なバルコニーにあっては、道又は道に通ずる幅員50cm以上の通路その他の空地に面するものに限る。以下「屋外等」という)に歩行距離8m(居室および避難経路の内装が不燃化されている場合は16m)以内で避難でき、かつ、各居室と避難経路とが壁および常時閉鎖式の戸又は火災発生時に自動的に閉鎖する戸で区画されているものであること。
イ)各居室から直接屋外等に避難ができるものであること

パブリックコメントも現在実施中(平成26年7月16日まで)のため、詳細は変更になる可能性があります。
この改正でも、申請書の書式変更が予定されています。

続報は今後またお知らせしてまいります。

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