太陽光発電設備と農地法と建築基準法と

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農地に設置する太陽光発電設備に関する技術的助言が公開されています

農地に支柱を立てて設置する太陽光発電設備の建築基準法上の取扱について(技術的助言)

なんとも長いタイトルの「技術的助言」が1月28日付で公開されています。
国交省 技術的助言のページ
下から6番目くらいに、上記タイトル通りの記載があります。

該当する技術的助言のpdfファイルはこちら

昨年の3月から、農地に支柱を立てて設置する太陽光発電設備と農地転用に関しては、農林水産省から通知が出されていたようなのですが、この度の国交省からの技術的助言が公にされたことで、1年近くにわたって、「グレーゾーン」だった取扱がこれですっきりするということでしょうか。

技術的助言の具体的な内容

農地に支柱を立てて設置する太陽光発電設備 (当該支柱について 農地法 (昭和27年法律第229号)第4条第1項又は第5条第1項の許可(市街化区域内にある農地にあっては農業委員会への届出)を受けたものに限る )のうち、次 に該当するものは建築基準法第2条第1号に規定する建築物には該当しない。
1.特定の者が使用する営農を継続する農地に設けるものであること。
2.支柱及び太陽光発電設備からなる空間には壁を設けず、かつ、太陽光発電設備のパネルの角度、間隔等からみて農作物の生育に適した日照量を保つための設計となっていること。

農地転用の許可を受けた、もしくは届け出をした「支柱」について、①設置する農地が、特定の者が営農を継続し②太陽光発電設備には壁を設けず、かつ、農作物の生育に支障がないものは、建築基準法上の建築物に該当しないというものです。

農業に関係のない支柱を立てるのは農地転用が必要で、太陽光発電設備の設置は特に農地転用は必要ないということでしょうか。

ところで、太陽光発電設備すなわち太陽光パネルを設置しても育つ農作物があるのかと思って調べたところ、住宅の外構工事でもよく見かける「タマリュウ」の栽培には、半日陰が適しており、太陽光パネルで覆ってしまうほうが都合がいいそうです。
農地に500KWの太陽光パネルを設置した三重県のタマリュウ栽培農家

原発事故が発生して以来、再生エネルギーが注目されていますが、設置には広大な土地が必要な太陽光発電設備と、もともと広大な農地のマッチングがうまく行っているということでしょう。

太陽光パネルの下で農作物を栽培、高さ2.5メートルのメガソーラーが発電開始

作物を育てながら太陽光発電も可能に、農水省が対応を発表

太陽光をある程度透過する太陽光パネルも開発が進んでいて、ビニールハウスの上面を太陽光パネルで覆っても栽培が可能になるような技術も近々実現するという話もあり、農地と太陽光発電設備の親密度はますます高くなっていくようです。


と、だいぶ建築基準法の話から外れてしまったので、最後に強引に戻すことにしますが、建築基準法の関係規定には、実は農地法は含まれていません。

しかしながら、行政だけが建築確認の審査をしていた頃は、農地転用の許可もしくは届け出が済んでいない場合、建築確認が確認済みにならない仕組みとなっていました。

もしかしたら、いまでも行政に建築確認を申請する場合は、そのような対応が必要なのかもしれません。

厳密には関係規定でない農地法の手続きの状況で、建築確認が止まってしまうのはおかしいのですが、かといって民間の確認検査機関が無責任に確認済みにしてしまい、農地転用の手続きが完了する前に着工してしまうことも問題をはらんでいます。

こういった、都合の悪い時だけ民間の確認検査機関を利用する設計事務所もあると聞きます。

今までそうだったから、とか、建築確認申請を単純作業と捉えると、思考停止に陥ってしまいます。

農地の支柱と太陽光発電設備の話は、つまるところ建築確認申請には関係ありませんが、ちょっとだけでも普段と違うところにアンテナを張って、情報を集めてみるのも刺激になって楽しいと思います。

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