Adobe Slideがまだ入手不可能なので、ぽいものを自作した

slide compare

アメリカのデザイナー、クリエーターたちが絶賛しているという、「Adobe Ink & Slide」。

いわゆるスタイラスである「Ink」は、Jot Touch with Pixelpointを買えば代用できますが、デジタル定規の役割を果たす「Slide」に代わるデバイスは、今のところ存在せず、日本ではまだ買うことも出来ません。

2014年末には日本向けに販売されるらしいですが、あと半年も待っていられません。

じゃあ、どうする?作るか?ということで、あくまで「Slideっぽいもの」になってしまいますが、自作してみました。
自作して使ってみることで、ちょっとした発見もあったので、お伝えしたいと思います。

画像出典:Ink and Slide FAQ

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Adobe Slideがまだ買えない?だったら、作れば良いじゃない!!

冒頭でも申し上げました通り、まだ日本では購入不可能な「Adobe Ink & Slide」の「Slide」を何とか自作で再現出来ないものかと試行錯誤した顛末を報告いたします。

まずは「Slide」のスペックを確認する

adobe slide spec
Adobe公式

長さは10cm、幅は2.3cm、高さは1.0cmであることがわかります。
重さが19.6gで、意外と重要なのは、重さではないかと考えます。
手に馴染む大きさも重要ですが、あまり軽量でも、操作感がフワフワしてしまうのではないかと思います。

「Slide」は電源不要ですが、上部にあるボタンを押すと定規機能の切り替えができるという大変不思議な機能を持っていて、さすがにそこまでは素人の自作では再現不可能なため、あくまで定規機能のみの再現となります。

本物の「Slide」は流線型の美しいデザインでありながら、掌からの微かな電気の流れをディスプレイに伝える素材を用いていることは確実です。
自作「Slide」にも同様な機能を発揮させるために、導電性の良い材料を用いる必要があります。

自作「Slide」に使用した材料

「Slide」材料

本物の「Slide」のスペックをもとに、何かイイ材料やグッズは無いものかと、家中のモノたち、100円ショップ、文具店、ホームセンターを探し回り、結局たどり着いた材料が、上の写真の品々です。

上から、ホームセンターで購入した建築用のプレート。4枚で100円(税込み)です。

2番めは画面に接する部分とプレートの間で導電させるための材料で、これはポッキーの袋です。アルミコーティングされたお菓子の袋なら何でもいいので、ポテトチップスの袋でもいいのですが、アブラっぽいのでポッキーくらいがちょうどいいでしょう。これは0円ですね。

3番めは、プレートだけでは厚みが足りないためにそれを補う材料として、椅子の足に貼るフェルトを準備しました。
家にストックとしてあったものなのですが、100円ショップで売っているものなので、108円としておきます。

他には、セロハンテープを使っただけなので、材料費208円、手間賃プライスレスで「Slideっぽいもの」は作成できる運びとなりました。

自作の「Slideっぽいもの」の完成品

slide 完成品

建築用プレートは重さを稼ぐために、2枚使用しました。そこに、フェルトも2枚重ねにして貼り付け、ポッキーの袋を細く切った帯を巻き付けると完成です。
準備時間のほうが長く、実際の工作には15分位しかかかりませんでした。

重さを量ってみると33gとなり、本物の「Slide」より14gほど重くなりましたが、重すぎるという感じでもなく、しっかりと両足?が画面にフィットする感じだっため、ヨシとしました。

自作「Slide」の最終形態に至るまでに製作された「ダメなSlideたち」

slide 試行錯誤

完成形から紹介しましたが、実はここに辿り着くまでに、一応いろいろと試行錯誤がありました。

上の画像からもわかるように、完成形は4番目の「Slideっぽいもの」でして、1番目はホワイトボード用のクリーナー(小さな黒板消しのようなもの)にアルミの帯を巻いた作りとなっています。
アイデアはそこそこ良かったのですが、高さがありすぎて、画面がとても見づらくなるのであえなくボツとなりました。

2番め、3番めは100円ショップで入手した100円玉用のコインケースを半分に切ったものを使いました。
これは本物の「slide」にかなり近い形状で、実物のシミュレーションにはちょうど良さそうだったんですが、素材が軽いため、しっかりと上から押さえつけないと、iPadが反応してくれません。
この失敗もあって、「slideっぽいもの」の重量は、けっこう重要であることがわかりました。

「失敗は成功のもと」とは、よく言ったものですが、今回ばっかりは作り始める前にちょっと考えればわかったようなことばかりでしたので、大変情けない気持ちになりました。

自作「Slide」を使用した様子を、恥とともに動画で公開

作ったものの、実際うまく動作し、役に立つのかを示すには、動画でお伝えするしかありません。
というわけで、どうぞ御覧ください。

「Slide」を自作してわかったこと まとめ

「Slide」はもしかして、無くても良いのでは?

「Slide」の代わりに指を使うほうが、手の動きが自然だった

本物の「Slide」を使ったことがないので、比べようが無い

私の作った「Slideっぽいもの」の工作精度が悪いせいか、誤作動が多く大変ストレスを感じる操作感となってしまいました。この誤作動については、本物の「Slide」では起こらない現象だと思います。
(詳しくは、動画を参照ください。)

「Slideっぽいもの」も使ってみると、同じ角度で線を引くいわゆる「ハッチング」作業の際も指一本で画面上の定規をスイスイ移動させるほうが、たとえ本物の「Slide」だったとしても、その快適性には敵わないのではないかとさえ、思ってしまいました。

さらに、本物の「Slide」であっても、画面の一部が見えなくなるという現象は、製図作業としてはかなりの違和感を伴います。

紙とペンで図面を描く時も、製図用の定規は大抵透明なため、定規を当ててもその下に描いてあるものも見えるようになっています。
そんなこんなで、本物の「Slide」を使ってもいないのに、私のなかでは「Slide」は不要ではないかという気持ちになってきております。

発表された時点では、「Adobe Ink and Slide」が日本で発売される年末が待ち遠しいなあと思っていたのですが、だいぶテンションが下がってしまいました。
早く一般人でも実物を触る機会が設けられればな、と切に願います。そして、実物は「自作Slide」とは全く違う操作感を実現しているであろうことを望みます。

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