キッチンの換気扇のベアリングを交換して劇的な静粛性をゲット!!

シロッコ01

築14年の我が家、毎日お世話になっているキッチンの換気扇から非常に大きな音が出るようになっていました。

ガリガリとかキリキリというような明らかな異音ではなく、弱運転や常時換気運転でも最大風量で運転しているような轟音が響くようになっていました。
もちろん、最大風量にすれば少し離れた場所でさえも会話ができないくらいのうるささです。しかも、うるさいだけで排気はしっかりと機能しています。

これはさすがにヤバいと思い、換気扇をリニューアルしようとしましたが、ちょっと調べただけでも10万はかかりそうでした。
安くはないと思っていましたが、一応使えるものも騒音だけで捨てるもの忍びないので、修理できないかネットで調べたら、いましたよ。しかもわんさかと。キッチンのシロッコファンのベアリングを交換するだけでかなり静かになったという報告が多数あり、これはやってみる価値があると踏んで、チャレンジしたのが運の尽き。

相当苦労しましたが、結果はうまくいったのでその顛末をご覧あれ。

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キッチン換気扇(シロッコファン)のベアリングを交換するまで

モーター部を取り出すのがまず一苦労

換気扇はこいつです。クリナップのレンジフードとシロッコファンで、家が築14年なので14年以上前の製品ということになります。

一応取説なんかも保管してありますが、掃除のためのファンの外し方くらいは書いてありますがベアリング交換のためのばらし方など書いてあるはずもなく。

まずはネット情報を鵜呑みにして大掃除の時のように下部からのアクセスを試みます。

シロッコファン本体が見えていますが、開口部と換気扇本体の大きさが全く取り外せる組み合わせではないです。

ここは意を決して上部パネルを外してみます。

キッチンと同じ色の化粧パネル(結構重い)を外すと、あれまあ、明らかにこっち側のアクセスが正解ということがわかります。
シロッコファン本体を囲っているパネルも外すと、モーター部にアクセスできるようになりました。

それにしても、モーターの設置のされ方もネットで見た写真たちとは全然違っていて戸惑いました。
宙に浮くような感じで固定されていて、外すのはネジを取るだけでしたが、非常に不思議な固定方法です。

振動吸収のためのブッシュ?の順番などを記録しながら外しました。
ここまではプラスドライバーだけしか使ってません。

ところで換気扇修理時の注意点として、電気系統をいじるわけですから感電には十分に気を付けなければなりません。
すくなくとも換気扇系統のブレーカーは落としてから作業しましょう。

モーター本体はカシメで前後のフレームが固定されているタイプでした。これはネット情報でも見かけていたので、爪を折らないように慎重にペンチで広げて対処できました。

ファンを所定の位置で固定するためのピンも事前に得た情報の通りでした。先端を潰した釘でやさしく打撃を与えて外すことができました。

しかし、モーターのフレームをはずしてみると、これまた事前情報と何やら様子が違います。

な、な、何と、モーターに基盤が固定されているではないですか!!

ネットで見たモーターたちはこの時点でコイルがむき出して、あとは前後のベアリングを交換するだけのものばかりだったというのに。

ただ、よく見ると基盤は大きな端子がハンダで数か所円形に固定されているだけで、このハンダを取り除けば分解できそうな雰囲気なのでここで手詰まりとはならずに済みました。

しかし、まだまだ苦難の道は続きます。

ベアリングのサイズ(型番)がネットで得た知識と全然違う

コイルが外せなくても、奥側のベアリングは見えており、その品番も確認できます。

ここで、まあ、私が悪いんですがネット情報ではどのモーターでも「6200ZZ」という型番のベアリングを使っていたんですよ。

世の中のキッチンの換気扇にはおしなべてこの型番のベアリングが使われているものと確信した私は分解に先立ってベアリングを2個買っていたんですね。

「急いては事を仕損じる」を地で行くおバカっぷりに呆れつつ、分解したモーターのベアリングに記載されている「608Z」がたまたま近所のホームセンターにあったので、2個買ってきました。

近所に2か所ホームセンターがあるのですが、片方の店舗はベアリングの取り扱いがなく、運良く欲しい型番のベアリングを別の店舗で買えましたが、それでホッとしている私には、この時まだ次の苦難が待ち受けているということは知る由もなかったのです。

手前側のベアリングを取り外すまでの遠い道のり

ハンダこてを使った工作はそれなりになれていますから、道具もありますし大した抵抗感もなくさっくりと基盤を外すことができました。

吸い込みタイプのハンダ吸い取り機ではなく、網線タイプのハンダ吸い取り線のほうが個人的にはおススメです。特にこの基盤のように熱に対してシビアにならなくてよさそうな用途の場合はなおさら楽です。

基板が外れても実にはめ込んであるピンを抜かなければならないので、続いてピンを抜きます。

画像ではあっさりとピンが抜けていますが、実は結構大変です。
ネット情報でもこの工程が最難関と言っている方もいるくらいで、下手に作業してピンが潰れてしまったりすれば再起不能になるので慎重にかつ大胆に作業しなければなりません。

これは専用の工具があるのかはわかりませんが、先を潰した釘とハンマーで根気よく作業しましょう。ちゃんとしたものでなくて、100均で売っている万力でもあれば役に立ちます。

で、前側のベアリングの型番を見て愕然とする私がいました。

ベアリングって、前と後ろで違うことなんてあるの??

無事分解に成功したモーターの様子は晴れやかですが、私の気分はこの時どん底です。

なぜかといえば、分解して見えたベアリングが、奥側のベアリングと明らかに厚みが違うのです。
もうここで型番が同じであることは絶対にないと思いつつ、一縷の望みをかけて型番を見てみました。

「6900ZZ」

ネット情報でも見たことも聞いたこともない型番です。
がっくりしつつも、新しいベアリングがないと始まらないので、608ZZを買ったホームセンターに行ってまたびっくり。

なんと6900ZZを在庫していませんでした。

もう交換する部品がないので、作業は進みません。しかも、モーターがこのままでは料理を作ることができません。

組み立てて換気扇を使えるようにして、元に戻して、また分解してという手間を考えると、通販でベアリングを取り寄せている間はお湯を沸かす程度の調理で切り抜けられる食事、もしくは外食で凌ぐしかなかったのです。

たかがベアリング、されどベアリング。
厚みも外径も内径もさまざまな種類がある、それがベアリングなんだと身に染みて実感しました。

ベアリングの脱着は専用工具とちょっとした工夫で軽くクリア

これはネット情報でもよく出てくる「ベアリングプーラー」というやつです。

3本爪タイプが多く利用されているようでしたが、私はほかの工具が不要で、ベアリングをひっかけた後の引っ張り作業も単独で完結するこのタイプのプーラーを選びました。
爪タイプを使ったことがないので比較できませんが、しっかりとベアリングを引っ張ることができたので問題はないと思います。

こうやって並べてみても、明らかに違う種類のベアリングです。
くどいようですが、ベアリングは型番を見るまで先走って買ってはいけませんよ(おそらくそんな人は私くらいなのでしょう…)

ベアリングも揃ったので気を取り直して、新しいベアリングを軸に圧入します。

奥側は非常に簡単。軸にベアリングをあてがって、布などを当ててからハンマーでコンコンやればサクッとハマりました。

軸に出っ張りがあるので、入りすぎることもありません。

グリスを薄く塗っておけば、圧入しやすくなり、かつ、汚れなどによる固着も防げるのかなと思い施工しましたが、グリスを塗るのが適切かはわからないので、その点はご注意ください。

続いて手前側のベアリングですが、こちらは少々勝手が違います。
装着したい部分まで距離があり、かつ、「ここまで」のストッパーを破壊しない程度で圧入を止めなければなりません。

ここではちょうど物置に転がっていた角材を2本使って、隙間に軸部分を差し込み、ベアリングを圧入する方法を試しました。

狙いは的中し、確実に圧入することができました。
型番の違うベアリングを2個も買ってしまうアクシデントがありましたが、ここまでくればゴールは目前。

あとはモーターを組み立てて、元に戻すだけです。

ピンをはめなおし、基板をハンダ付けして、モーターやファンをもとの位置に戻して試運転。

メチャクチャ静かです!!

常時運転モードなんて、動いているのかわからないくらいの静粛性を取り戻しました。

キッチンペーパーを吸わせてみたりして、しっかりと機能していることを確認し、スーバーサイレントなキッチン環境が蘇ったことを喜びたいと思います。

ベアリングって経年劣化でものすごい騒音を発するけど、メンテナンスしてやればこんなに快適な環境を与えてくれるものなんだなとしみじみと思いました。

よくよく考えてみれば、世の中の軸という軸には必ずと言っていいほどベアリングが使われているんですものね。
ベアリング万歳、ネット情報万歳!!

【番外編】せっかくなので掃除もしっかりやっておこう

ファンの部分は毎年の大掃除でもきれいにしていたので、油汚れによる騒音というのは全く想定していませんでした。ネット情報では、汚れの付着により騒音が発生するというものもありましたが、どんだけ汚くすれば騒音が出るんだとも思っていました。

ただ、せっかくバラバラに分解するので大掃除以上に換気扇をキレイにしましょう。

まずおススメなのが上の写真の洗剤。キツイ臭いもなく、手にも優しく汚れもしっかり落としてくれる優れものです。
大のお気に入りなので業務用サイズでストックしてます。

普段の食器洗いでも、天ぷら鍋とか油の多いフライパンとかもこれで下掃除(ぼろ布でふき取って燃えるゴミで捨てます)すればスポンジも脂っこくなりにくくてとても快適です。

また、下の写真では、化粧パネルを外さないとアクセスできない換気扇本体が収まるボックス内の固着した油を除去しているところです。
ここにたまった油が時間をかけてゆっくり下がってきて、レンジフード下側のオイルトレーにたまるわけですが、よくよく考えると古くて汚い油が落ちてきていたんですね。めちゃくちゃバッチイです。

よって、スクレーパーで可能な限り取り除きました。

分解してみて、ここにこんなに油がたまるということも発見できたので、数年に1回はメンテしようという気にもなりました。

キッチンの換気扇のベアリングを交換して劇的な静粛性をゲットしてみて

先走っていろいろと失敗した部分もありましたが、結果として得られた圧倒的な静粛性は、これまでの苦労を一瞬で吹き飛ばすほどのインパクトがありました。

ネット情報では、モーターを買い替えるとか(2,3万はするらしい)、仕方なく換気扇をリフォームしたというものもありましたが、私は運よくベアリングが交換できたということになります。

手間さえかければ、自分でメンテナンスできることはまだまだたくさんあるんだなということがよくわかりました。

ただし、高いところに上ったり、電気系の作業をしたり、鋭利な部品を触ったりするので、ケガや事故には十分に注意しできればひとりで作業しないようにしつつ、やる気のある方はチャレンジしてみてください!!

この記事を元に作業して発生した如何なる事故、ケガ、故障、不具合に対しては一切の責任を負えませんのでその点はご理解ください。

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