コーヒーミルと挽きたてコーヒーが日常を変貌させる

コーヒーミルトップ

どうせ飲むなら美味しいコーヒーが良い。
みんなそう思っています。

なのになぜ、コーヒーを粉で買うのか。

豆で買って来て、飲む直前に挽いたコーヒーは本当に美味しいですよ。ちびります。
ちょっと手間はかかりますが、コーヒーは挽きたてがどうしたって、全然おいしい。

コーヒーミルの魅力を熱く語ります。

credit: Espresso Hobbyist via FindCC

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美味しいコーヒーの3大条件

コーヒー焙煎

美味しいコーヒーの3大条件。

それは
煎りたて・挽きたて・淹れたて
です。

最初の「煎りたて」を自分で実現させるのはいろいろハードルが高いです。
ちょっとだけ焙煎できる鍋のような器具もありますが、ここまでこだわるのはまだ先です。

淹れたて」。
これは誰もがうなずく、絶対条件です。淹れてからしばらく経ったコーヒーはまずい。
温めなおしても、やっぱりまずい。
昔のファミレスのコーヒーは煮詰まっていて、本当にマズかった。

そしてこの記事の本題、「挽きたて」ですが、自称コーヒー好きにもかかわらず淹れる直前に豆を挽くことに無頓着な人が実は多い。
かく言う私も、大してコーヒーのことを知らないくせに、うまいだまずいだ言っていた頃がありました。
今も大した知識はないものの、これだけははっきり言えます。

挽きたてのコーヒーは格段にうまい、と。

初めてセブンイレブンの100円コーヒーを飲んだ時、想像以上に「おいしいな、これ!」と思いませんでしたか?
あれってカップだけ買って、機械のボタンをぽちっとセルフで操作しますが、一応豆を挽いてから抽出してくれてます。
コーヒーミルが回る音がしてますね。
つまり挽きたて、淹れたて、なんです。

同じようなコンビニコーヒーでも、ファミリーマートやサークルKのコーヒーは大して美味しくないです。
なぜなのか。

それは、FやKはもうコーヒー豆が粉になっているから。
いくら密閉容器に入っていようと、コーヒーは挽いた瞬間から劣化(酸化)が進んでいるんです。
やっぱり美味しく感じません。

もともとは揚げ物のニオイを消すために淹れたてコーヒーを導入したっていう話もあるようですが、セブンイレブンってスゴイなって思います。

コンビニのコーヒーでさえこんなアリサマなんですから、自宅でいただくコーヒーを入れる直前に挽いたらそりゃもう狂喜乱舞、おいしいに決まってます。
だって、コンビニのコーヒー豆なんて、100グラム50円位ですよきっと。
100グラム4,500円出せば、超ウマイコーヒーが10杯は飲めるんです。

「それじゃあ、入れる直前に挽いてね、約束だよ、バイバイ!!」

って終わったらつまらないので、コーヒーミルについてもう少し語ります。

悪いことは言わない。コーヒーミルは電動にしておこう

手動のコーヒーミルが楽しいのは最初だけ

電動コーヒーミルと手動ミル

コーヒーミルといえば「優しい時間」という倉本聰さん脚本のドラマを思い出す方も多いのではないでしょうか。
寺尾聰扮する湧井勇吉の喫茶店に、事あるごとに(なくても)仲間が集まって、自分の飲む分のコーヒー豆をゴリゴリと手動のミルで挽いていたアレです。

あのドラマみたいに、たまに手動ミルで挽いたらそりゃ楽しいですよ。
でも、毎朝毎朝、手動ミルでコーヒーを挽こうと思ったら、もって1周間、すぐくじけます。
だって、時間も手間もかかりっぱなしですから。

それと、コーヒーの魅力にハマり始めると、どうしてもエスプレッソも自分で淹れてみたくなります。今はポッド式の便利なタイプもありますが、バリスタを気取って自分でコーヒー粉をタンピングして淹れたくなるわけですよ。

そうすると手動のミルでは挽く細かさ(専門用語でカッコよく言うと「メッシュ」です)を変えるのが大変面倒くさい。
しかもエスプレッソに使う粉はココア粉末みたいに細かくしなければならないので、ハンドルをまわす回数も相当な回転数に。

そういったわけで、コーヒーミルを買うなら迷わず電動にしておいた方が良いと思うわけです。
どうしても手動のミルがいいのなら、私が持っているような昔ながらのコーヒーミルでなくて、刃がセラミックで手入れがしやすいハリオのモノがいいんじゃないでしょうか。

ハリオ コーヒーミル・セラミックスリム MSS-1B
by カエレバ

電動コーヒーミルはなるべく良い物を

では、電動コーヒーミルを買うならどんなものが「良い物」なのか。

私が常に参考にしている「珈琲完全バイブル」によると、豆を挽く刃の形状によって
・プロペラ式
・フラット式
・コニカル式
に大別されます。

▼珈琲完全バイブルはこれです。

珈琲完全バイブル
by カエレバ

で、まずはプロペラ式。
これは自動コーヒーメーカーにも付属していたりする簡易式のコーヒーミルで、金属(または樹脂)のカップの中で刃がプロペラのようにその場で回転し、そこに入れたコーヒー豆を徐々に粉々にしていくというもの。

▼代表的なプロペラ式の電動コーヒーミル

Kalita 電動コーヒーミル CM-50 (ホワイト)
by カエレバ

プロペラ式はお手軽で、手入れもカンタン、手動ミルに比べれば格段に楽です。
一方で、いつも同じメッシュ(細かさ)に挽くのが難しい。ボタンを押している間だけ刃が回転するので、「だいたい10秒」とかルールは決めても、毎度毎度全く同じには挽けっこありません。
また、コーヒー豆は風味が命。挽くときにはなるべく温度変化がないのが風味を活かすコツですが、プロペラ式ミルは熱を持ちやすい。
さらに、エスプレッソ用に極細に挽きたいとなった時、お手上げです。
そんな理由から、プロペラ式は候補外となります。
名門丸山珈琲でもプロペラ式のミルを売ってますが、店頭ではあまり力をいれていないのが伝わってきます。

つぎにフラット式の電動コーヒーミル。
これは、昔ながらの喫茶店で見かけたことある、って方もいるかもしれません。
家庭用では業務用のものを小型化したものが人気のようです。

Kalita ナイスカットミル (シルバー)
by カエレバ

ちょっとしたインテリアにもなるデザインは、コーヒー好きにはたまらないでしょう。
メッシュの調整もかなり細かくいじれます。
ただ、マシンによってはこれまたエスプレッソ用に極細で挽けないものもあります。

それと、お手入れが結構大変。いつも同じ豆をひたすら飲むのなら問題無いですが、お気に入りの豆探しを楽しみたいなら豆が変わるごとにしっかりと残滓を掃除したいもの。
そのためには毎度毎度のお掃除が楽である必要があります。
購入を検討する際は、必ず実機を見て、可能なら豆を挽いてみて、どの程度掃除に手間がかかるか試すべきでしょう。

最後にコニカル式電動コーヒーミル。
これが私がぜひおすすめしたいタイプで、これからコーヒーにハマりたい人に最適だと思います。
かといって、決して初心者向けというわけではありません。
オススメのミルはあのデロンギ製で、そこそこなお値段(1万円くらい)します。

DeLonghi コーン式 コーヒーグラインダー KG364J
by カエレバ

その分、性能も折り紙つきで
・低速回転で熱を持ちにくい
・一度に100g程度挽ける
・メッシュの調整がラクラク

そして何より
・エスプレッソ用に極細挽きができる

とほとんどの要望を満足します。
逆に、このデロンギの電動コーヒーミルは、粗挽きがあまり粗くありません。一番粗いメッシュにしても、中粗挽きと言った印象です。
せっかくなので、デロンギの電動コーヒーミルで挽いた豆の様子を載せておきます。

▼挽き方の設定は14段階あります
delhongi mill 目盛り

▼もっとも粗挽き(coarse)の様子
デロンギCoarse1

▼midiumの最も粗い設定の様子
デロンギmedium1

▼extra fineで最も細かい設定の様子
デロンギExFine3

特筆すべきはやはり極細挽きの細かさです。
ココアパウダー並に細かくてサラッサラです。小さな瓶に入れておいてもすぐダマになってしまうくらいです。さすがデロンギ、エスプレッソ用に挽くならお任せってことですね。
あまりオススメできませんが、エスプレッソの練習をしたい場合、安い中挽きのコーヒー粉を買ってきて、このコーヒーミルの極細挽きで挽いてやると、ちゃんと挽けます(笑)

また、もっとも粗い挽き方は、それほど粗くないと言ったもののコーヒープレスや私がおすすめする「クレバーコーヒードリッパー」で頂く場合も問題なく、大変美味しいコーヒーが淹れられます。
フレンチプレス風コーヒーをラクに美味しく淹れましょう

このデロンギのミルについて難点を挙げるなら、それはお値段となるでしょうか。
それでも1万円前後ですから手が届かない金額ではありません。

カッコから入るというわけではありませんが、永く性能が維持できる道具として考えれば妥当は金額ではないかと思います。

電動コーヒーミルのお手入れ

確実に美味しいコーヒーを実現できるコーヒーミルですが、入手するにあたり覚悟しなければならない事があります。
それは、「適切なお手入れ」を手間を惜しまず実践できるかどうか、です。

特に刃の周りの粉をほったらかしにしておくと、どんどん酸化して油っぽい塊になり、ひどい場合は虫が湧いたりします。
当然、そんなミルを使い続ければ、美味しいはずの豆もそんな汚れの中を通ってくるものですから、味が落ちてしまいます。

私が強烈におすすめしたい電動コーヒーミル、DeLonghi コーン式 コーヒーグラインダー KG364Jには、お手入れ用のブラシが付いてきます。

しかし、それだけではイマイチお手入れがしにくいのもまた事実。

そこで私が使っているお掃除グッズをご紹介し、お手入れなんて楽勝だということを把握していただき、よりコーヒーミル生活に飛び込んでもらい易くしたいと思います。

▼掃除すべきは刃の周り こんな風に粉が付きます
刃の周り汚れ

上の刃はスポッと取れますが、コーヒー豆を挽くと刃の周りやその下の部分に粉が結構残ります。
これらをしっかり集めないと、最初に計量した重さから軽く1,2グラムは重さが減ってしまいます。
コーヒーを美味しく淹れるには、粉とお湯の量も大切な要素です。この部分の粉をしっかり集め、下の粉受けにある程度落としきる必要があります。

ざっと粉を上の刃の周りから落としたら、粉受けのある側を手前にして、かつ本体を少し手前側に傾けて(おしり側を浮かせて)、本体を手のひらでポンポンと10回位、手前に粉を集めるイメージで叩いてやります。

そうすると、溝に入ったコーヒー粉も手前に滑りだしてきて、穴から粉受けに落ちていくというわけです。
このへんは取説にも書いてありますが、取説にあるように2,3回では足りません。
わたしは結構徹底的に、ブラッシングとポンポン叩きを繰り返して、極力コーヒーのロスが無いようにしています。

▼ブラシ類は部位や用途で使い分け
ミル掃除ブラシ類

右上のブラシがコーヒーミルに付属のもの。これはオールマイティータイプですが、じつは帯に短し襷に長し。
他にもブラシがないとお手入れがはかどりません。

その下が柄も毛の部分も長いブラシ。実はこれ、100円ショップで買った「塗装用の刷毛」です。毛は豚毛で程よくコシがあります。
長さがあり、細くもあるので、刃の内側の粉を落とすときや、粉受けからコーヒー粉をドリッパーに移した時に残った粉を最後まで取り出すのに役立ちます。
コーヒーミル専用ブラシがAmazonでも売ってますが、いかんせんお高い。こんなとき、100円ショップのありがたみを感じます。
100円ならダメになってもまたすぐ新調できますし。

Kalita エスプレッソ用ミルブラシ 【掃除用ブラシ】 #80221
by カエレバ

そしてその下もKalitaのミル用ハケですが、近所のコーヒーショップで150円位で買いました。Amazonでは300円くらいします。これは小さくて、またブラシ部は太めのナイロン製で固く、刃にこびりついた粉を落としたり、細かい溝の粉を掻き出したりします。
これもわざわざ専用品でなくて、100円ショップのお掃除コーナーで固めのブラシを買ってきたら済む話です。

左側のホウキのようなものは、ずばり、ホウキです(笑)
これも100円ショップで購入したもので、ちりとりとセットになったものです。これはコーヒーミルの周りに散る粉をささっと集めて捨てるためのものです。
最初に刃の周りの粉を落とすとき、どうしても周りに粉が飛びますからそれらを集めるためのものですね。

コーヒーミルを使うと粉の飛び散りは避けて通れませんので、私はキッチンのシンクの横でいつもミルを使ってます。
そうすれば、飛んだ粉はホウキでささっとシンクに落としてしまうことが出来ますので。

そしてもうひとつ厄介なのがコーヒーミル本体にまとわりつくコーヒー粉です。
本体や粉受けが樹脂製なのでどうしても静電気が発生し、コーヒー粉がまとわりつくんですね。
ブラシ等ではらっても、移動はしても本体から離れてくれないのが厄介です。

▼コーヒーミル本体にまとわりつく、いまいましきコーヒー粉
ミルに静電気で着く粉550

そんなときにあると便利なのがハンディタイプの掃除機。

▼我が家ではマキタの掃除機が大活躍してます。
マキタとコーヒーミル

我が家のマキタクリーナーはオンオフスイッチが引き金式のタイプで、引き金を引いている間だけ作動するのでちょっとだけ作動させたいときに実に便利。
家庭用タイプというより、建築現場用の仕様のようです。

話はそれますが、マキタの掃除機は本当に、めちゃくちゃ便利です。通販生活がイチオシする理由がよくわかります。
よく吸うし、コードレスで持ち運びも楽だし、普段の掃除にも全然使える便利さ。そしてダイソンのハンディタイプの1/3の値段。
訳の分からない安いコードレス掃除機を買うなら、マキタにしておけば間違いありません。

マキタ 7.2V充電式クリーナー CL070DS
by カエレバ

最後に掃除機まで売り込んでしまいましたが、それくらいコーヒーミルを使うからにはお掃除が重要だということは伝わったと思います。
静電気で取りにくい粉は、固く絞ったふきんで拭いてもいいでしょう。
下の刃の周辺に残った細かいコーヒー粉は、本体を下にむけてキッチンのシンクの上でポンポンして落とせばしっかり取り除けます。
一眼レフカメラを持っている方は、カメラ用のブロワーなんかも掃除に使えそうです。

ここまでやって、やっと違う種類のコーヒー豆が挽けるというわけです。ちょっとだけ面倒に感じますが、美味しいコーヒーのためなら、なんてことはありません。

ちなみに、このデロンギのコーヒーミルの刃は金属製で、水洗いは厳禁です。
上の刃のシリコンカバー、最初に豆を入れるホッパー、粉受けは水洗いできますが、刃は絶対に水で洗っちゃダメです。固めのブラシか、歯ブラシかなんかでしっかりと粉を落とす、それだけにとどめておきましょう。錆びたらアウトです。

コーヒーミルがある暮らし まとめ

コーヒーミルで毎朝幸福感に浸る

coffee-cup

コーヒーを淹れる直前に挽く時の楽しみの一つ、それはふわっと立ち昇る、あたり一帯を包み込むコーヒーの香りです。

まず挽く前の豆の香りを楽しみ、次に挽いた直後のコーヒー粉の香りを味わい、淹れていただくときもまた香りを堪能します。
コーヒーの香りって、どうしてこんなに人を幸福感でみたすのでしょうか。

それぞれの段階で違った香りがあり、豆が違えばまたそれぞれに特徴があります。

そしてなにより、挽きたてだからコーヒーが格段においしい。

毎朝のスタートから至福を味わうので、仕事にも身が入ります。
サーモスの携帯マグに入れて、職場についてからもう一度味わってしまいたくなるのもうなずけます。

悲しい副作用として、スタバやタリーズのコーヒーが美味しく感じられなくなります。
コンビニのコーヒーは視界から消え去ります。
缶コーヒー、なんですかそれ。

どうしても出先で飲むこともあるでしょうが、「あーあ、やっぱりね」とひとしきり思い、自分で挽いたコーヒーの素晴らしさを実感できます。

コーヒーミルがあるだけで、コーヒーを豆で買うだけでこんなにも幸福感に浸れるんです。

コーヒーミルは本当にス・テ・キです。

お気に入りの豆を見つける楽しみ

coffee beans
挽きたてコーヒー生活が始まると、豆の違いによる味の違いがよくわかってきます。
そうなったら、自分好みのコーヒー豆を探す、終わりなき旅の始まりです。

いままでスーパーで適当に粉で買っていたコーヒーは、豆で買うようになり、スーパーでは飽きたらずデパートなんかに足を運ぶようになります。
近所で自家焙煎しているコーヒーショップがないか探し始め、通販で豆を取り寄せるようになるわけです。

そうして手に入れた豆を初めて飲むときの得も言われぬ緊張感と楽しさ。

これだから挽きたてコーヒー生活はやめられません。

一つ気をつけたいのは、コーヒーも鮮度が命。
一度に飲める量は限られているので、一気に何種類も手に入れても、どんどん風味が落ちていくだけ。
2,3種類ずつ楽しむのが良さそうです。
無くなってから、次の豆を買い足す。

先日バリスタ世界チャンプの井崎氏がテレビで言ってましたが、3週間で飲みきれるなら冷蔵庫で、それ以上の保存は冷凍庫でしてください、ということみたいです。
コーヒー豆を瓶やキャニスターに移す必要はなく、コーヒーショップで入れてくれる袋のほうが保存性はいいんですって。
炭酸ガスが勝手に抜けてくれる弁が付いていて、密閉容器に入れるより具合が良いとのこと。

ここまでくればあとは、コーヒーミルとコーヒー豆をゲットするのみ。
毎朝ミルの掃除までは大変なので、日曜の夜に平日分の豆を挽いておいても良いかもしれません。

さあ、コーヒーミルのある暮らしと、至福の時間はすぐそこにあります!!
終わりなき旅に出掛けましょう!!!

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挽きたてで更に美味いコーヒーを求めて
今年こそ、スペシャルティコーヒーの世界に踏み込みたい

DeLonghi コーン式 コーヒーグラインダー KG364J
by カエレバ

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