竪穴区画のモヤモヤをスッキリさせる

スポンサーリンク

竪穴区画を要求される建築物を正しく理解する

建築基準法施行令第112条第9項をもう一度読んでみる

(防火区画)
第百十二条
(略)

主要構造部を準耐火構造とし、かつ、地階又は三階以上の階に居室を有する建築物の住戸の部分(住戸の階数が二以上であるものに限る。)、吹抜きとなつている部分、階段の部分、昇降機の昇降路の部分、ダクトスペースの部分その他これらに類する部分(当該部分からのみ人が出入りすることのできる公衆便所、公衆電話所その他これらに類するものを含む。)については、当該部分(当該部分が第一項ただし書に規定する用途に供する建築物の部分でその壁(床面からの高さが一・二メートル以下の部分を除く。)及び天井の室内に面する部分(回り縁、窓台その他これらに類する部分を除く。以下この項において同じ。)の仕上げを準不燃材料でし、かつ、その下地を準不燃材料で造つたものであつてその用途上区画することができない場合にあつては、当該建築物の部分)とその他の部分(直接外気に開放され
ている廊下、バルコニーその他これらに類する部分を除く。)とを準耐火構造の床若しくは壁又は法第二条第九号の二 ロに規定する防火設備で区画しなければならない。ただし、次の各号のいずれかに該当する建築物の部分については、この限りでない。

避難階からその直上階又は直下階のみに通ずる吹抜きとなつている部分、階段の部分その他これらに類する部分でその壁及び天井の室内に面する部分の仕上げを不燃材料でし、かつ、その下地を不燃材料で造つたもの

階数が三以下で延べ面積が二百平方メートル以内の一戸建ての住宅又は長屋若しくは共同住宅の住戸のうちその階数が三以下で、かつ、床面積の合計が二百平方メートル以内であるものにおける吹抜きとなつている部分、階段の部分、昇降機の昇降路の部分その他これらに類する部分
(略)



準耐火建築物だからといって、竪穴区画が必要とは限らない。

3階建ての事務所を準耐火建築物で計画する場合、「3階建て、準耐火」というキーワードだけで竪穴区画が必要だと思っていませんか。

施行令112条9項をもう一度読んでみます。

「主要構造部を準耐火構造とし、かつ、地階又は三階以上の階に居室を有する建築物」とあります。
「やっぱりいいんじゃないか」と思った方、よく読んでみて下さい。
主要構造部を準耐火構造とし」とあります。準耐火建築物とは書いてありません。

つまり、「主要構造部を準耐火構造とした準耐火建築物」であれば該当しますが、「主要構造部を準耐火構造としていない準耐火建築物」は竪穴区画は不要です。

いわゆるロ準耐の「準耐火ロ-2」に該当する建築物であれば、主要構造部は準耐火構造ではないため、3階建てであっても、竪穴区画は不要ということになります。

また逆のパターンとしては、3階建ての準耐火建築物(ロ-2)の事務所のエレベーターに遮煙扉を設置したのに、そこまでの性能は求められていないので、実はコストがかかりすぎていた、などということも考えられます。

準耐火建築物のイとロの区別についてはこちらの記事を御覧下さい。
防火避難規定 耐火建築物と準耐火建築物

耐火建築物の区画に要求される性能

これもよくある勘違いですが、法文には確かに「準耐火構造の床若しくは壁又は法第二条第九号の二 ロに規定する防火設備で区画」とあります。

しかし、これはいままでも何回もお伝えしている通り、平成12年の法改正により性能規定の考え方が創成され、準耐火構造には当然耐火構造も含まれると考えるようになりました。

つまり、耐火建築物であれば、主要構造部は耐火構造でなければならないのですから、防火区画は当然耐火構造で造らなくてはなりません。

主要構造部に関することは、詳しくは「防火上主要な間仕切壁の過半の改修は、建築確認申請が必要か?」をご覧頂きますとわかりやすいと思います。

竪穴区画の防火戸に要求される性能

遮煙性能を要求される防火区画、されない防火区画

防火区画の区画ごとに求められる性能はそれぞれの条文に記載されていて、防火設備に特定防火設備かそれ以外かまでは記載されています。
さらに、令112条第14項に、それぞれの防火設備に求められる性能が詳細に記載されています。

令112条14項抜粋
14
第一項から第五項まで、第八項又は前項の規定による区画に用いる特定防火設備及び第五項、第八項、第九項又は第十二項の規定による区画に用いる法第二条第九号の二 ロに規定する防火設備は、次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める構造のものとしなければならない。

第一項本文、第二項若しくは第三項の規定による区画に用いる特定防火設備又は第五項の規定による区画に用いる法第二条第九号の二 ロに規定する防火設備 次に掲げる要件を満たすものとして、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたもの
(略)


第一項第二号、第四項、第八項若しくは前項の規定による区画に用いる特定防火設備又は第八項、第九項若しくは第十二項の規定による区画に用いる法第二条第九号の二 ロに規定する防火設備 次に掲げる要件を満たすものとして、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたもの

イ 前号イからハまでに掲げる要件を満たしているものであること。

ロ 避難上及び防火上支障のない遮煙性能を有し、かつ、常時閉鎖又は作動をした状態にあるもの以外のものにあつては、火災により煙が発生した場合に自動的に閉鎖又は作動をするものであること。

竪穴区画に用いる防火設備には遮煙性能が必要である。

上記の条文をじっくりと読んでいきます。

竪穴区画の防火戸はというと、令112条9項ですから、14項は第2号を参照することになります。

その2号のロにしっかりと「遮煙性能を有し」とありますので、告示の仕様に適合する防火設備、もしくは大臣認定を取得している防火設備でなければならないということになります。

例えば階段部分の竪穴区画なら、開き戸、引き戸、シャッターなど、様々な方式が考えられます。
エレベーターシャフトの竪穴区画なら、新築であれば遮煙性能を持つ(認定を取得している)乗り場戸が一般的になって来ています。

竪穴区画の緩和を受けられる部分の要件を再確認

令112条9項ただし書きを正しく理解する

令112条9項ただし書きの1号は避難階の直上、もしくは直下に通ずる階段、吹き抜けは内装下地および仕上げの不燃化により竪穴区画を不要とするというもの。

ただし書き1号の解釈で重要なポイントは、吹き抜けは避難階ともう1層の合計2層に通ずるものに限るというところ。
すなわち、避難階からその上階と下階の合計3層にわたっているような吹き抜けはただし書きの対象にはなりません。
条文にも「避難階からその直上階又は直下階のみに通ずる」とありますから、読み流しは禁物です。

また、ただし書き2号の適用にあたり、住戸部分として計画していた部分を共用スペース等に計画変更するような場合は要注意です。

というのも、あくまでこのただし書きは住戸部分に対する緩和ですから、共用部分などの不特定多数、もしくは特定でも多数の人間が利用することになる時点で、防火避難に対する要求が高くなり、当然竪穴区画をしなければなりません。

このような計画変更はケースとしては珍しいかもしれませんが、あとで変更するとなると相当大変なことになります。
構造計算にも影響があるでしょうから、あまり簡単に考えないことです。

また、増改築の計画においても、防火区画は建築物全体に遡及する規定です。

区画の不足の解消や、シャッター等への危害防止装置の設置は対策しなければなりませんので、事前調査を抜かりなくするようにしておきましょう。

(用途変更では基本的に防火区画は遡及適用されないため記事から該当部分を削除しました。詳しくは用途変更では防火区画は遡及適用されない:読者様のご指摘よりを御覧ください)
2014/1/8

スポンサーリンク
関連コンテンツ

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク