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防火避難規定 耐火建築物と準耐火建築物

公開日: : 最終更新日:2015/09/06 防火避難関係規定 ,

耐火建築物と準耐火建築物は似て非なるもの

耐火建築物と準耐火建築物の区別について、わかっているようでわかっていない部分もあります。

この区別については、建築の世界で食べていく以上嫌でも理解していなければいけません。

もちろん、ほとんどの方が基準法を隅から隅まで読み込んでいるほど暇ではないと思います。

便利な参考図書もいろいろあるので、あえて新たに作らなくてもいいのですが作ってみたので貼っておきます。

もしかしたら、なにかの役に立つかもしれないですし、基本的な言葉の由来がわかるかもしれないので、参照ください。


※平成27年6月の建築基準法大改正で法27条に大きな改正がありました。

関連する施行令、告示も改正されました。具体的な改正内容はこちらの記事をご確認ください。

新:法第27条第1項の法関連と特定避難時間倒壊等防止建築物

(この記事は削除せず、記録として残しておく方針です。)



耐火建築物を規定する条文

建築基準法第2条九号の二  

耐火建築物

次に掲げる基準に適合する建築物をいう。

 その主要構造部が(1)又は(2)のいずれかに該当すること。
(1) 耐火構造であること。
(2) 次に掲げる性能(外壁以外の主要構造部にあつては、(i)に掲げる性能に限る。)に関して政令で定める技術的基準に適合するものであること。
(i) 当該建築物の構造、建築設備及び用途に応じて屋内において発生が予測される火災による火熱に当該火災が終了するまで耐えること。
(ii) 当該建築物の周囲において発生する通常の火災による火熱に当該火災が終了するまで耐えること。 

 その外壁の開口部で延焼のおそれのある部分に、防火戸その他の政令で定める防火設備(その構造が遮炎性能(通常の火災時における火炎を有効に遮るために防火設備に必要とされる性能をいう。)に関して政令で定める技術的基準に適合するもので、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものに限る。)を有すること。

 

(耐火性能に関する技術的基準)

第百七条

法第二条第七号 の政令で定める技術的基準は、次に掲げるものとする。

一  次の表に掲げる建築物の部分にあつては、当該部分に通常の火災による火熱がそれぞれ次の表に掲げる時間加えられた場合に、構造耐力上支障のある変形、溶融、破壊その他の損傷を生じないものであること。

建築物の部分 建築物の階 最上階及び最上階から数えた階数が二以上で四以内の階 最上階から数えた階数が五以上で十四以内の階 最上階から数えた階数が十五以上の階
間仕切壁(耐力壁に限る。) 一時間 二時間 二時間
外壁(耐力壁に限る。) 一時間 二時間 二時間
一時間 二時間 三時間
一時間 二時間 二時間
はり 一時間 二時間 三時間
屋根 三十分間
階段 三十分間
一 この表において、第二条第一項第八号の規定により階数に算入されない屋上部分がある建築物の部分の最上階は、当該屋上部分の直下階とする。

二 前号の屋上部分については、この表中最上階の部分の時間と同一の時間によるものとする。

三 この表における階数の算定については、第二条第一項第八号の規定にかかわらず、地階の部分の階数は、すべて算入するものとする。
二  壁及び床にあつては、これらに通常の火災による火熱が一時間(非耐力壁である外壁の延焼のおそれのある部分以外の部分にあつては、三十分間)加えられた場合に、当該加熱面以外の面(屋内に面するものに限る。)の温度が当該面に接する可燃物が燃焼するおそれのある温度として国土交通大臣が定める温度(以下「可燃物燃焼温度」という。)以上に上昇しないものであること。
三  外壁及び屋根にあつては、これらに屋内において発生する通常の火災による火熱が一時間(非耐力壁である外壁の延焼のおそれのある部分以外の部分及び屋根にあつては、三十分間)加えられた場合に、屋外に火炎を出す原因となるき裂その他の損傷を生じないものであること。

 

 耐火建築物に関する条文、要件の図解

耐火建築物



準耐火建築物を規定する条文

建築基準法第2条九号の三 準耐火建築物

耐火建築物以外の建築物で、イ又はロのいずれかに該当し、外壁の開口部で延焼のおそれのある部分に前号ロに規定する防火設備を有するものをいう。

  主要構造部を準耐火構造としたもの

 イに掲げる建築物以外の建築物であつて、イに掲げるものと同等の準耐火性能を有するものとして主要構造部の防火の措置その他の事項について政令で定める技術的基準に適合するもの

(耐火建築物とすることを要しない特殊建築物の技術的基準等)

第百十五条の二の二

法第二十七条第一項 ただし書(法第八十七条第三項 において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)の政令で定める技術的基準は、準防火地域内にあるものにあつては次に掲げるもの、防火地域及び準防火地域以外の区域内にあるものにあつては第一号から第四号までに掲げるものとする。

一  主要構造部である壁、柱、床、はり及び屋根の軒裏の構造が、次に定める基準に適合するものとして、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものであること。

 次の表に掲げる建築物の部分にあつては、当該部分に通常の火災による火熱が加えられた場合に、加熱開始後それぞれ同表に定める時間構造耐力上支障のある変形、溶融、破壊その他の損傷を生じないものであること。
間仕切壁(耐力壁に限る。) 一時間
外壁(耐力壁に限る。) 一時間
一時間
一時間
はり 一時間
 壁(非耐力壁である外壁の延焼のおそれのある部分以外の部分を除く。)、床及び屋根の軒裏にあつては、これらに通常の火災による火熱が加えられた場合に、加熱開始後一時間当該加熱面以外の面(屋内に面するものに限る。)の温度が可燃物燃焼温度以上に上昇しないものであること。
 外壁(非耐力壁である外壁の延焼のおそれのある部分以外の部分を除く。)にあつては、これに屋内において発生する通常の火災による火熱が加えられた場合に、加熱開始後一時間屋外に火炎を出す原因となるき裂その他の損傷を生じないものであること。
二  下宿の各宿泊室、共同住宅の各住戸又は寄宿舎の各寝室(以下「各宿泊室等」という。)に避難上有効なバルコニーその他これに類するものが設けられていること。ただし、各宿泊室等から地上に通ずる主たる廊下、階段その他の通路が直接外気に開放されたものであり、かつ、各宿泊室等の当該通路に面する開口部に法第二条第九号の二 ロに規定する防火設備が設けられている場合においては、この限りでない。
三  三階の各宿泊室等の外壁面(各宿泊室等から地上に通ずる主たる廊下、階段その他の通路に面するものを除く。)に窓その他の開口部(直径一メートル以上の円が内接することができるもの又はその幅及び高さが、それぞれ、七十五センチメートル以上及び一・二メートル以上のもので、格子その他の屋外からの進入を妨げる構造を有しないものに限る。)が道又は道に通ずる幅員四メートル以上の通路その他の空地に面して設けられていること。

四  建築物の周囲(道に接する部分を除く。)に幅員が三メートル以上の通路(敷地の接する道まで達するものに限る。)が設けられていること。ただし、次に掲げる基準に適合しているものについては、この限りでない。

 各宿泊室等に避難上有効なバルコニーその他これに類するものが設けられていること。
 各宿泊室等から地上に通ずる主たる廊下、階段その他の通路が、直接外気に開放されたものであり、かつ、各宿泊室等の当該通路に面する開口部に法第二条第九号の二 ロに規定する防火設備が設けられていること。
 外壁の開口部から当該開口部のある階の上階の開口部へ延焼するおそれがある場合においては、当該外壁の開口部の上部にひさしその他これに類するもので、その構造が、これらに通常の火災による火熱が加えられた場合に、加熱開始後二十分間当該加熱面以外の面に火炎を出す原因となるき裂その他の損傷を生じないものとして、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものであるものが、防火上有効に設けられていること。
五  三階の各宿泊室等(各宿泊室等の階数が二以上であるものにあつては二階以下の階の部分を含む。)の外壁の開口部及び当該各宿泊室等以外の部分に面する開口部(外壁の開口部又は直接外気に開放された廊下、階段その他の通路に面する開口部にあつては、当該開口部から九十センチメートル未満の部分に当該各宿泊室等以外の部分の開口部がないもの又は当該各宿泊室等以外の部分の開口部と五十センチメートル以上突出したひさし、そで壁その他これらに類するものでその構造が前号ハに規定する構造であるもので防火上有効に遮られているものを除く。)に法第二条第九号の二 ロに規定する防火設備が設けられていること。

2  法第二十七条第一項 ただし書の規定により法第二条第九号の三 イに該当する準耐火建築物とした建築物については、次章第五節の規定は、適用しない。



(準耐火性能に関する技術的基準)

第百七条の二

法第二条第七号の二 の政令で定める技術的基準は、次に掲げるものとする。

一  次の表に掲げる建築物の部分にあつては、当該部分に通常の火災による火熱が加えられた場合に、加熱開始後それぞれ次の表に掲げる時間構造耐力上支障のある変形、溶融、破壊その他の損傷を生じないものであること。

間仕切壁(耐力壁に限る。) 四十五分間
外壁(耐力壁に限る。) 四十五分間
四十五分間
四十五分間
はり 四十五分間
屋根(軒裏を除く。) 三十分間
階段 三十分間
二  壁、床及び軒裏(外壁によつて小屋裏又は天井裏と防火上有効に遮られているものを除き、延焼のおそれのある部分に限る。第百十五条の二の二第一項及び第百二十九条の二の三第一項において同じ。)にあつては、これらに通常の火災による火熱が加えられた場合に、加熱開始後四十五分間(非耐力壁である外壁の延焼のおそれのある部分以外の部分及び軒裏(外壁によつて小屋裏又は天井裏と防火上有効に遮られているものを除き、延焼のおそれのある部分以外の部分に限る。)にあつては、三十分間)当該加熱面以外の面(屋内に面するものに限る。)の温度が可燃物燃焼温度以上に上昇しないものであること。

三  外壁及び屋根にあつては、これらに屋内において発生する通常の火災による火熱が加えられた場合に、加熱開始後四十五分間(非耐力壁である外壁の延焼のおそれのある部分以外の部分及び屋根にあつては、三十分間)屋外に火炎を出す原因となるき裂その他の損傷を生じないものであること。

 

(主要構造部を準耐火構造とした建築物と同等の耐火性能を有する建築物の技術的基準)

第百九条の三

法第二条第九号の三 ロの政令で定める技術的基準は、次の各号のいずれかに掲げるものとする。

一  外壁が耐火構造であり、かつ、屋根の構造が法第二十二条第一項 に規定する構造であるほか、法第八十六条の四 の場合を除き、屋根の延焼のおそれのある部分の構造が、当該部分に屋内において発生する通常の火災による火熱が加えられた場合に、加熱開始後二十分間屋外に火炎を出す原因となるき裂その他の損傷を生じないものとして、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものであること。

二  主要構造部である柱及びはりが不燃材料で、その他の主要構造部が準不燃材料で造られ、外壁の延焼のおそれのある部分、屋根及び床が次に掲げる構造であること。

 外壁の延焼のおそれのある部分にあつては、防火構造としたもの
 屋根にあつては、法第二十二条第一項 に規定する構造としたもの
 床にあつては、準不燃材料で造るほか、三階以上の階における床又はその直下の天井の構造を、これらに屋内において発生する通常の火災による火熱が加えられた場合に、加熱開始後三十分間構造耐力上支障のある変形、溶融、き裂その他の損傷を生じず、かつ、当該加熱面以外の面(屋内に面するものに限る。)の温度が可燃物燃焼温度以上に上昇しないものとして、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものとしたもの

 

準耐火建築物に関する条文、要件の図解

準耐火建築物



条文だけ見ても、ものすごい文字数です。

特に準耐火建築物については、イとロがそれぞれ1号、2号にわかれていますが、法2条では何が1号で何が2号なのかわかりません。

確認申請書の4面に耐火建築物の種別を記載する欄がありますが、これがわかっていないと何を書けばいいかがわからない。

法2条7号の2の「準耐火構造」から、政令107条の2へ飛ばないといけません。

わかりやすく言えば、

イ準耐は、主要構造部が準耐火性能を有している



ロ準耐は、主要構造部が準耐火性能を有していない、しかし建築物としては同等の性能がある

ということになります。

知ってて当然?3階建てロ準耐は竪穴区画不要

この解釈を間違って焦る例として、ロ準耐で計画した事務所ビルの階段室を竪穴区画してしまうような場合です。

竪穴区画は、階数が3以上で主要構造部が準耐火構造の建築物について要求されています。

ところがロ準耐は、主要構造部は準耐火構造ではありません。

したがって、竪穴区画は必要ないことになります。

計画していたものが要らなくなったので、対施主やコスト面でのダメージは少ないですが、精神的動揺はしばらくあるかもしれません。

というわけで、「鉄骨造だから、ロー2だな」という安易なイメージでやっているような方はいないと思いますが、万が一図星でしたら、すぐに勉強しなおしましょう。

 

※平成27年6月の建築基準法大改正で法27条に大きな改正がありました。

関連する施行令、告示も改正されました。具体的な改正内容はこちらの記事をご確認ください。

新:法第27条第1項の法関連と特定避難時間倒壊等防止建築物

(この記事は削除せず、記録として残しておく方針です。)

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