防火上主要な間仕切壁の過半の改修は、建築確認申請が必要か?

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主要構造部と防火上主要な間仕切壁の密接な関係性

防火上主要な間仕切壁は主要構造部として取り扱う

防火上主要な間仕切壁を主要構造部として取り扱う、主要構造部とみなすというのは、もはや常識のレベルに達していますが、建築基準法の条文のどこを見てもそうは書いてありません。

そこで登場するのが、防火避難規定関連のバイブルとも言える、「建築物の防火避難規定の解説」です。

この本の中で、「防火上主要な間仕切壁は原則として法2条5号の規定による主要構造部として扱う」と明記されており、この考え方が世の中のスタンダードになっています。

設計実務での法規チェックには欠かせないので、持ってない方はぜひ入手しておくべきです。
特定行政庁や指定確認検査機関でも判断根拠として必ず利用されています。

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主要構造部と構造耐力上主要な部分

主要構造部と、構造耐力上主要な部分は字面も似ていて、混同しがちですが、建築基準法にもそれぞれ定義されているように全く意味が異なります。

主要構造部は、防火上の観点によるもので、一般的に言う「構造」や「構造強度」とは異なります。

逆に構造耐力上主要な部分は、読んで字のごとく、建築物の荷重や外力等に抵抗するための主要な部分であり、防火上の観点は含まれません。

「主要」という言葉が、紛らわしいといえば紛らわしいですが、根本的に異なるのでしっかりと把握しておきたいところです。

耐火建築物と防火上主要な間仕切壁にまつわる勘違いは直ちに修正したい

耐火建築物の定義は、法2条9項の2にあるように、「主要構造部」の耐火性能が要求されています。

一方、防火上主要な間仕切壁については施行令114条2項に規定されており、その中で、「防火上主要な間仕切壁を準耐火構造とし」とあります。

この部分だけを取り出して解釈しようとすると、「耐火建築物に設ける防火上主要な間仕切壁も準耐火構造でいいんだな」と判断してしまいがちですが、最初の項目を再確認いただければわかるように、防火上主要な間仕切壁は主要構造部として取り扱うので、耐火建築物であれば当然、防火上主要な間仕切り壁は耐火構造でなければならないということになります。

平成12年の法改正で防火耐火性能を始め、性能規定による対応が可能になりましたが、その際に防火構造には準耐火構造、耐火構造が含まれるという考え方が明確にされました。

性能規定の考え方でみても、施行令114条2項には単に「準耐火構造」としか記載されていませんが、当然そこには「耐火構造」も含まれています。

同じように施行令112条の防火区画の規定でも、準耐火構造としか記載がなくても建築物が耐火建築物であれば当然、区画部分は耐火構造にしなければならないのです。

主要構造部が示す「壁」とは何のことなのか、はっきりさせる

ここまでの流れをまとめてみると、防火上主要な間仕切壁や防火区画を形成する壁が主要構造部であることはわかりました。

同様に防火上の観点で考えて、主要構造部に該当する該当する壁としては、外壁や共同住宅等の界壁が考えられます。

改修する防火上主要な間仕切壁が、主要構造部に該当する「壁」の過半かどうかで判断する

外壁だけが主要構造部の「壁」ではないという認識が必要

ここまで来て、やっと記事タイトルの結論となりますが、防火上主要な間仕切壁の過半を改修するからといって、大規模な修繕には即座には該当してきません。

大規模な修繕もしくは模様替えの定義は、建築物の主要構造部の1以上について過半の修繕または模様替えを行う場合とあります。

そこで改めて思い出していただきたいのは、主要構造部として定義されているのは「壁」であって、外壁や間仕切壁などとはなっていません。

つまり、主要構造部の「壁」に該当する、外壁、防火上主要な間仕切壁、防火区画、界壁を「合計した部分の過半」を修繕、もしくは模様替えする場合に初めて、「大規模な」修繕や模様替えに該当することになります。

建築物の用途や規模によっては防火区画や防火上主要な間仕切壁が存在しないものもあるでしょうから、その場合は外壁の過半を修繕するなら「大規模な修繕」に該当しますので、工事着手にあたっては建築確認申請が必要になります。

防火上主要な間仕切り壁だけの過半の修繕だけでは建築確認申請が必要か判断できない

長くなってしまいましたが、上記の理由により、主要構造部に該当する壁をすべて拾って、改修する壁がその過半になるかどうかを算定しないと建築確認申請が必要かどうかはわからない、というのが最終的な答えとなります。

建築基準法ではあまりにあっさりと規定されているので、ともすると「確認が必要なんじゃないか、面倒だな」という思考回路に陥りがちですが、順を追ってじっくりと調べていけば、そんなに難しいこともありません。
法規チェックに時間を取られたくないという気持ちもわかりますが、後で手戻りが出るよりはマシではないかと思います。

防火避難規定の解説は必携です。
4500円と決して安くはありませんが、読むだけでいろいろと知らないことがわかってくるので実務と読み物の2つの意味でオススメです。

建築物の防火避難規定の解説2016
by カエレバ

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