居室と室をまとめて告示で緩和する方法:防火避難規定の解説2016アフターフォローより

上の画像の条件をみたす居室の排煙検討で告示1436号の緩和を適用したい場合、居室に要求される条件のみで居室と収納をまとめて一体的に緩和適用できるとしたら便利だな、と思ったことはありませんか??

実は、上の条件であれば居室と収納をまとめて「四-ニ-4」を適用してOKなんです。

しかも、根拠は天下の「防火避難規定の解説2016」です。

詳細は以下のようになります。

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告示1436号第四号ニ(4)と同(2)をまとめて適用する方法

その方法とは、上の画像の通り。

つまり、室の部分(収納の部分)も仕上げ下地不燃としてあげることで、居室と収納をまとめて告示緩和してしまおう、というものです。

上の画像は「「建築物の防火避難規定の解説2016(第2版)」アフターフォロー質問と回答」からの抜粋です。

「日本建築行政会議-書籍」へのリンク
「建築物の防火避難規定の解説2016(第2版)」アフターフォロー質問と回答」(pdf)への直接リンク

改めて質問と回答を書き出してみます。

Q:下(図)の条件を満たすような、居室と一体的に利用される小規模な収納等について、平成12 年建告第1436 号第四号ニ(4)を適用することは可能か。
・居室及び収納の床面積の合計は100㎡以下
・居室及び収納は仕上下地共不燃材料

A:貴見のとおり、適用できるものとする。

単純明快でかつ非常に合理的です。

厳密にいえば、収納は告示1436号第四号ニでは「室」扱いなので、(1)か(2)を適用しなければなりません。

しかし、上記のような合理的解釈が示されましたので、「収納は室だから、垂れ壁を確保できるよう天井や建具の高さを調整しないと」と面倒なことを考えなくてすみます。

用途的には老健施設や病院などの個室が該当するでしょう。そういった施設の設計が多い方にはかなりの朗報かと思います。

確認審査機関に対しても、「ここは居室と収納を一体的に告示緩和してるんで、よろしく」って言っておくとなかなかカッコいいですね。

居室と収納の面積比率や、収納の個所数など、細かいことは例示しきれないので「常識的な範囲で考える」ということになるかと思います。

いずれにしても、こういう合理的判断は非常にありがたいので、今後もどんどん明示していって欲しいものです。

ついでに、今回(令和4年)の「建築物の防火避難規定の解説2016(第2版)」アフターフォロー質問と回答」では、他にも合理的解釈を示したものもいくつか掲載されています。

近頃の木材利用促進・普及作戦にも関連する、耐火構造の外装材についても言及されており、なかなか読み応え?のあるアフターフォローになっています。

不定期更新のため、日本建築行政会議のサイトをちょくちょく見ていればたまに更新されている、という類のものではないのでなかなか気づくのが遅れがちですが、そんな皆さんに変わって私がちょくちょくチェックしておくのでご安心ください。

基準法と同様に、防火避難規定の解説も常に最新版を使うようにしておくのは設計者としてのイロハのイです。

少なくとも、排煙告示緩和がまだ「四-ハ-(4)」と書いてある法令集を使っているとしたら、古すぎます。

「ハ」じゃなくて「ニ」ですから。

今すぐ法令集と告示編を買い替えてください。

ついでに防火避難規定の解説も最新版である「2016(第2版)」を買ってください。

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