また書式改訂!2023年4月1日施行の改正法について


出典:国交省(建築基準法施行令の一部を改正する政令(令和5年政令第34号)について)

令和の建築基準法大改正がいよいよ本格的に施行される時期となってまいりました。

令和5年4月1日より施行される改正内容については、ここで細々解説するよりも国交省の資料や動画を見るのがてっとり早いかと思います。

ただし、今回の改正では面倒なことに書式も改訂されます。

附則には「これまでの書式を取り繕って使ってもいいよ」とあるのですが、申請先からは十中八九新書式で提出することを求められるでしょう。

附則に書いてあるんだからいいんじゃないかと思われるかもしれませんが、適切に取り繕う方法までは国交省は示していません。つまり、新書式にしてしまうほうが結局ラクなのです。

書式改訂を中心に、今回の改正法施行についてまとめます。

スポンサーリンク

まずは令和5年4月1日施行についての国交省の動画を見てみよう!!

ありがたいことに、国交省が解説動画を作ってくれています。

これをみれば、ひととおりわかります。

上の動画のPDF資料ももちろんあります。

令和5年4月1日施行PDF資料

しかも、チャプターもちゃんと設定されているので、改めて特定の項目を確認したい場合でも簡単です。

動画の最後に、「面白かったら高評価、チャンネル登録をお願いします!!」とか言ったりしないので安心してください。

建築確認申請書 第3面10欄、11欄が改訂されます!

画像の黄色に塗ってある部分が今回改訂される部分です。

ビューロベリタスではすでに書式をダウンロードできるようになっています。

申請書の最後にある記載方法も当然改訂されており、該当部分のテキストも記載しておきます。

⑭10 欄の「ロ」は、建築物に建築基準法施行令第2条第1項第2号に規定する特例軒等を設ける場合において、当該特例軒等のうち当該建築物の外壁又はこれに代わる柱の中心線から突き出た距離が水平距離1メートル以上5メートル未満のものにあつては当該中心線で囲まれた部分の水平投影面積を、当該中心線から突き出た距離が水平距離5メートル以上のものにあつては当該特例軒等の端から同号に規定する国土交通大臣が定める距離後退した線で囲まれた部分の水平投影面積を記入してください。その他の建築物である場合においては、10 欄の「イ」と同じ面積を記入してください。

・・・「ホ」に住宅又は老人ホーム、福祉ホームその他これらに類するものに設ける機械室その他これに類する建築物の部分(建築基準法施行規則第 10条の 4 の 4 に規定する建築設備に設置するためのものであって、同規則第 10 条の 4 の 5各号に掲げる基準に適合するものに限る)で、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めるもの、「へ」・・・

・・・。また、建築基準法令以外の法令の規定により、容積率の算定の基礎となる延べ面積に算入しない部分を有する場合においては、「ヲ」に該当部分の床面積を記入してください。・・・

法改正で「特定軒等」と呼ばれる、工場・倉庫建築における大規模な庇の建ぺい率が緩和される点、および、特定行政庁の認定を受けて容積率を緩和する場合に記載が必要となります。

3面11欄ホは「認定機械室」とあるので、国交省解説動画にもあるように省エネ性能の高い設備を設置した部分について特定行政庁の認定を受けた範囲を記載することとなります。

同ヲ欄については以下の法令の該当条文に規定される特例制度が該当します。

・都市再生特別措置法 第19条の19
・マンションの建替え等の円滑化に関する法律 第105条第1項
・高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律 第19条及び第22条の2第5項
・長期優良住宅の普及の促進に関する法律 第18条第1項
・津波防災地域づくりに関する法律 第15条
・都市の低炭素化の促進に関する法律 第60条
・首都直下地震対策特別措置法 第20条
・建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律 第40条第1項

各条文の内容については、e-GOVなどで検索して確認してください。
なお、確認申請においては、上記の法令により容積率を緩和していることがわかる認定書等を確認申請書に添付する必要があります。

緩和を適用できない場合は、10欄は同じ数値を、11欄については記載は不要です。

令和5年4月1日施行分で他に重要だと思われる点

申請書改訂に関する部分が一番面倒かと思われますが、その他確認申請に直結するであろう項目は以下の2項目です。

・住宅の採光規定の見直し

内容は以下の通りです。

① 住宅の居住のための居室における照明設備の設置、有効な採光方法の確保その他これらに準ずる措置の基準については、「床面において 50 ルックス以上の照度を確保することができるよう照明設備を設置すること」とする。

② ①の措置が講じられている居室にあっては、窓その他の開口部で採光に有効な部分の面積のその床面積に対する割合で国土交通大臣が別に定めるものを「1/10」とする。

一戸建て住宅はもちろんのこと、マンションや共同住宅、その他用途から住宅への用途変更の場合などでの法規チェックで、窓と隣地が近い場合などで有効に活用できます。

ちなみに、完了検査時にどのように確認するかというと、照明器具が設置されていればもちろん問題ないですが、照明器具が設置できる状態(天井の引掛けシーリング、ローゼット等)であれば適合となります。

・採光無窓居室から直通階段までの歩行距離制限等の合理化

こちらは、歩行距離のはなしと、法35条の3の無窓居室のはなしの2点が含まれています。

いずれも国交省の説明をみるのが一番詳しいですが、避難時の安全を確保できるような設備や区画の設置、消防設備の設置を行うことで、緩和を実現できるというものです。

平面計画をより柔軟に行うこともできるようになるので、理解しておいて損はしないでしょう。

以下の資料より抜粋しております。
令和5年4月1日施行PDF資料

採光無窓居室から直通階段までの歩行距離制限の合理化

主要構造部を耐火構造等とする無窓居室の範囲の合理化

スポンサーリンク
関連コンテンツ

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする