「小規模な倉庫の取扱い」:特定行政庁ごとのまとめ

小規模な倉庫について、国交省から技術的助言が出されてから早2年が経とうとしていますが、未だに特定行政庁ごとに取扱いが様々です。

現時点(平成29年1月)での特定行政庁ごとの取扱いについて、分かる範囲でまとめました。
実際の計画や申請において、または申請先との協議の際に役に立つこともあるかと思います。

当サイトでの関連記事についても参照いただくとより役立つかと思います。古い記事もありますので、適宜読み替えて頂きますようお願いします。

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全国的な取扱基準のスタンダードである基準総則・集団規定の適用事例に明記されました
結論!「小規模な倉庫は建築物に該当しない」:基準総則・集団規定の適用事例2017年度版

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国交省技術的助言 小規模な倉庫の建築基準法上の取扱いについて

小規模な倉庫の建築基準法上の取扱いについて(技術的助言)(平成27年2月27日国住指第4544号国土交通省住宅局建築指導課長通知)
http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/jutakukentiku_house_fr_000039.html
http://www.mlit.go.jp/common/001093081.pdf

土地に自立して設置する小規模な倉庫(物置等を含む。)のうち、外部から荷物の出し入れを行うことができ、かつ、内部に人が立ち入らないものについては、建築基準法第2条第1号に規定する貯蔵槽に類する施設として、建築物に該当しないものとする。したがって、建築確認等の手続きについても不要である。

この取扱いについては、当該倉庫が既製のものであるか否か、及びその構造種別にかかわらず、上記に従って判断するものとする。

福島県の取扱い

http://fukushima-aba.or.jp/category_2/category_2_jyouho/20160801_syoukibo_soko_toriatsukai.pdf

次の条件1 ~ 3 の全てに該当するものは、建築基準法第2 条第1 号に規定する貯蔵槽に類する施設として、建築物に該当しないものとする。
なお、当該倉庫が既製のものか否か、及びその構造種別は問わないものとする。
条件1 土地に定着して設置していること。( 建築物の屋上に設置するものは対象外)
条件2 用途が倉庫( 物置等も含む) であること。
条件3 小規模で外部から荷物の出し入れができ、かつ内部に人が立ち入らないものであること。

※ 小規模な倉庫とは次のいずれかのものとする。
① 最高の高さが1 . 4 m 以下で、面積が2 . 0 ㎡ 以内もの。
② 奥行きが1 . 0 m 以下かつ高さ2 . 3 m 以下で、面積が2 . 0 ㎡ 以内の
もの。

・面積については敷地内の倉庫の合計とし、その合計面積が2 . 0㎡ を超える場合は、敷地内の小規模倉庫全てを建築物として扱うものとする。
・寸法の測定方法は、奥行きについては、当該倉庫の壁又は柱の中心線の距離によることとし、高さについては、地盤面からの高さとする。

神奈川県の取扱い

http://www.pref.kanagawa.jp/uploaded/attachment/802988.pdf

「小規模な倉庫の建築基準法上の取扱いについて(技術的助言)」(平成27年2月27日国住指第4544号)における「小規模な倉庫」の「小規模」とは、「奥行が1m以下かつ高さが2.3m以下で、床面積が2㎡以内」と取り扱う。
(解説)
上記は、技術的助言の趣旨を踏まえ、内部に人が立ち入らずに外部から荷物の出し入れを行うことができる規模に鑑み、「小規模」の数値を示したものである。

横浜市の取扱い

http://www.city.yokohama.lg.jp/kenchiku/shidou/jouhou/kenki/kijun/sonota/shokibosoko.pdf

1 「小規模」の取扱い
「小規模な倉庫」の「小規模」とは、「奥行が1m以下かつ高さが2.3m以下で、床面積が2㎡以内」とします。

2 配慮事項
本取扱いにより建築物として取り扱わない小規模な倉庫の設置にあたっては、周囲の市街地環境への影響に留意し、次の①~④の内容について配慮をお願いします。
①建築基準法第42 条に規定する道路内への設置を避けること。
②市街化調整区域内の建築物の建築が認められない一団の土地において複数の設置を避けること。
③倉庫(建築物)に関する建築基準法第48 条の制限に適合しない用途地域での設置を避けること。
④危険物の収納を避けること。

3 その他注意事項
高さが1.4m以下の倉庫であっても、奥行又は床面積が上記の数値を超える場合には建築基準法上の建築物として取り扱うのでご注意ください。

横須賀市の取扱い

https://www.city.yokosuka.kanagawa.jp/4840/toriatukai/documents/syokibosoko20151126.pdf

「小規模な倉庫の建築基準法上の取扱いについて(技術的助言)」(平成27年2月27日国住指第4544号)における「小規模な倉庫」の「小規模」とは、「奥行が1m以下かつ高さが2.3m以下で、床面積が2㎡以内」と取扱う。

(解説)
上記は、技術的助言の趣旨を踏まえ、内部に人が立ち入らずに外部から荷物の出し入れを行うことができる規模に鑑み、「小規模」の数値を示したものである。ただし、土地に自立して設置する小規模な倉庫(物置等を含む。)のうち、外部から荷物の出し入れを行うことができない、または内部に人が立ち入るものについては、法第2条第1号に規定する建築物に該当する。

(指導事項)
土地に自立して設置する小規模な倉庫(物置等を含む。)の設置にあたっては、法第42条に規定する道路上にはその機能を確保するために設置しないなど、周囲の市街地環境への影響に留意すること。

藤沢市の取扱い

https://www.city.fujisawa.kanagawa.jp/kentiku/machizukuri/kenchiku/kakunin/shinse-kensa/kakushukijun/syoukibosouko.html

「小規模な倉庫の建築基準法上の取扱いについて(技術的助言)」(平成27 年2 月27 日国住指第4544 号)における「小規模な倉庫」とは、奥行が1m以下かつ高さ
が2.3m以下で、床面積が2㎡以内の規模とし、かつ、建築基準法第42 条に規定する道路内に設置されていないものとする。

(解説)
上記は、技術的助言の主旨をふまえ、内部に人が立ち入らずに外部から荷物の出し入れを行うことができる規模を示したものである。
また、この技術的助言が「災害に強いまちづくりの推進」という社会的背景を勘案して発出されていること、市内に法第42 条第2 項に規定する幅員4.0m未満の狭あい道路が多数存在することから、避難及び通行の安全上支障となるもの(法第42 条に規定する道路内)については設置できないこととした。

なお、小規模な倉庫の設置にあたっては、周囲の市街地環境への影響に留意し、一団の土地における複数の設置は避けること。また、転倒を防止するため、鉄筋コンクリート造等の基礎に緊結するよう努めること。

川口市の取扱い

http://www.city.kawaguchi.lg.jp/kbn/Files/1/40200053/attach/syokibosouko.pdf

土地に自立して設置する小規模な倉庫(物置等を含む)のうち、奥行きが1m以内のもの又は高さが1.4m以下のものは、建築物に該当しない。

解説
・小規模な倉庫は物置を含むものとし、外部から荷物の出し入れを行うことができ、かつ、内部に人が立ち入らないものについては、法第2条第一号に規定する貯蔵槽に類する施設として、建築物に該当しないものとする。
・したがって上記の規模は、最低限、人が内部に入ることのないものとした数値を示したものである。
・なお、倉庫の内部に収納・備蓄する内容は問わないものとする。
・この取扱いについては、当該倉庫が既製のものであるか否か、及びその構造種別にかかわらない。

高崎市の取扱い

http://www.city.takasaki.gunma.jp/docs/2015111300046/

質問(質問14)
小規模な倉庫の建築基準法上の取扱いについて技術的助言(平成27年2月27日国住指第4544号)が通知されましたが、具体的にどのような構造であれば建築物に該当しない倉庫となりますか?

回答
技術的助言では、建築物に該当しないものとして「小規模な倉庫(物置等を含む。)のうち、外部から荷物の出し入れを行うことができ、かつ、内部に人が立ち入らないもの」とあります。

高崎市では、全国的に取扱いが統一されるまでの暫定的な扱いとして、奥行きが1m以下で床面積が10平方メートル以下の倉庫(危険物等を保管するものを除く)に限っては建築物として扱わないこととしています。

静岡県の取扱い(静岡県建築連絡行政会議)

http://shizuoka-calc.jp/wp-content/uploads/2016/05/01公開文案様式(H27春子会)【小規模な倉庫の建築基準法上の取扱いについての合意】.pdf

建築基準法第2条第1号に規定する貯蔵槽に類する施設として、建築物に該当しないものとする「土地に自立して設置する小規模な倉庫」の「小規模」の取扱いについては10 ㎡を上限として考える。

なお、平成27 年2月27 日 国住指第4544 号(技術的助言)で掲げている下記の条件を満たすことは当然とする。
①土地に自立して設置する小規模な倉庫(物置等を含む。)
②外部から荷物の出し入れを行うことができる
③内部に人が立ち入らないもの

香川県の取扱い

小規模な倉庫の建築基準法上の取扱いについて

次の条件の全てに該当するものは、建築基準法第2条第1号に規定する貯蔵槽に類する施設として、建築物に該当しないものとする。

1.土地に定着して設置していること。
  (建築物の屋上に設置するものは対象外です。)
2.用途が倉庫(物置等※1も含む。)であること。
3.小規模で外部から荷物の出し入れができ、かつ内部に人が立ち入らないものであること。
  (判断基準は、奥行1.0m以下かつ幅2.0m以下かつ高さ2.3m以下※2であることとする。)

※1 物置等にはゴミ置き場、プロパン庫も含む。
  (その他の用途で、本取扱いの可否に疑義がある場合は、下記お問い合わせ先までご相談ください。)
※2 寸法の測定方法は、奥行及び幅については、当該倉庫の壁又は柱の中心線の距離によることとし、高さについては、地盤面からの高さ(ただし、部分的な突出物は高さに算入しない。)によることとする。
※3 当該倉庫が既製のものか否か、及びその構造種別は問わないものとする。

近畿建築行政会議での取扱い

http://kinki-cba.jp/document/2016/03/09-173331.html

小規模な鋼製の置型倉庫(物置)
法第2条第1号
内容
小規模な鋼製の置型倉庫(物置)で、奥行が1m以内のもの又は高さが1.4m以下めものは建築物に該当しない。

解説
小規模な鋼製の置型倉庫(物置)で、人が建築物の中に入ることなく、外から物の出し入れが行えるものについては、貯蔵槽その他これらに類する施設に該当し、建築物として取り扱わないものとする。
したがって上記の規模は、最低限、人が内部に入ることのないものとした数値を示したものである。

参考
建築物に該当するものは、次の点に留意する必要がある。

1. 柱、土台、横つなぎ材等の主要構造部等に使用されている鋼材については、日本工業規格JIS規格)品又は大臣認定を使用する。(法第37条)
2. 建築物に該当する場合の基礎は、令第38条第3項の規定を満足する必要がある。

防火・準防火地域内で延焼のおそれのある部分の外壁の開口部には、防火設備を設置する。(法第64条、平成12年建設省告示第1360号)

兵庫県の取扱い

建築確認申請等の手引(令和元年6月改定版)P88(pdf)

P76 国交省の技術的助言をそのまま採用している

大牟田市の取扱い

運用解説2015年 P29
http://www.city.omuta.lg.jp/hpkiji/pub/Detail.aspx?c_id=5&id=3621&page_id=1

大牟田市建築基準法の運用解説(2015年度版)
(クリックするとpdfのダウンロードが始まります)

建築物に該当しない小規模な倉庫(物置等を含む。)とは、外部から荷物の出し入れを行うことができ、かつ、内部に人が立ち入らないものとする。
建築物に該当しない小規模な倉庫の具体例を以下に示す。

①天井高さが1.4m以下であり、一棟の床面積の合計が10㎡以内である倉庫
②奥行きが1.0m以下であり、一棟の床面積の合計が10㎡以内である倉庫
③一棟の床面積が5㎡未満かつ軒の高さ2.3m未満のガスボンベ庫(※)
④基準総則「貯蔵槽その他これらに類する施設」で建築物として取扱わないもの(※)

※単独では建築物に該当しないものであっても、建築物に附属する建築設備は建築物の一部である為、法第44条(道路内の建築制限)、令第129条の2の4(建築設備の構造強度)等の規制を受ける為、注意を要する。

更新情報
横浜市、横須賀市、川口市、兵庫県のリンク先や改訂年月日を修正しました(2018/09/22)

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