法令用語の読み方 その他・その他の



「その他」と「その他の」
一見、どちらも同じように思えますが、「の」がひと文字最後につくだけで、建築基準法を読むうえでは意味が変わってきます。

「その他」は、「他にもあるよ」というような、追加補足的な意味合いなのに対して
「その他の」は、それ以前に記載されている内容が、例えを表しているのです。
実際の条文で確認してみます。

法28条第1項

第二十八条  住宅、学校、病院、診療所、寄宿舎、下宿その他これらに類する建築物で政令で定めるものの居室(居住のための居室、学校の教室、病院の病室その他これらに類するものとして政令で定めるものに限る。)には、採光のための窓その他の開口部を設け、その採光に有効な部分の面積は、その居室の床面積に対して、住宅にあつては七分の一以上、その他の建築物にあつては五分の一から十分の一までの間において政令で定める割合以上としなければならない。ただし、地階若しくは地下工作物内に設ける居室その他これらに類する居室又は温湿度調整を必要とする作業を行う作業室その他用途上やむを得ない居室については、この限りでない。

一部抜粋してみます。
まずは「その他」
「住宅、学校、病院、診療所、寄宿舎、下宿その他これらに類する・・・」
これは、「住宅や学校、病院などと似たようなその他大勢・・・」という読み方をします。
もっとたくさんあるけど、言い尽くせないので「その他」で省略しました、と言った感じでしょうか。

では「その他の」はどうか。
「採光のための窓その他の開口部を設け・・・」
この場合は、「例えば、採光のための窓であるような、開口部を設けて・・・」という読み方となります。
ただ開口部とだけいっても、この条文で伝えたいことが充分に伝わらないので、例示する役割を「その他の」に託したというわけです。

建築基準法第28条では、「その他」が4回、「その他の」が1回出てきています。
これをどちらも同じ意味合いで適当に読むか、それぞれの持つ意味を理解して読むかで、条文が言いたいことを正確に理解できるかどうかに影響してしまうのです。

スポンサーリンク
関連コンテンツ

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする