建築確認申請での特例のメリットや審査対象について


建築基準法施行令の第10条に該当する建築物、いわゆる特例物件は建築確認申請の際にどんなメリットがあるのでしょうか。

まずは条文を見てみましょう。

第十条
法第六条の三第一項の規定により読み替えて適用される法第六条第一項(法第八十七条第一項及び法第八十七条の二において準用する場合を含む。)の政令で定める規定は、次の各号(法第八十七条第一項において準用する場合にあつては第一号及び第二号、法第八十七条の二において準用する場合にあつては第二号。以下この条において同じ。)に掲げる建築物の区分に応じ、それぞれ当該各号に定める規定とする。

一  法第六条の三第一項第二号に掲げる建築物のうち、その認定型式に適合する建築物の部分が第百三十六条の二の十一第一号に掲げるものであるもの 同号に掲げる規定
二  法第六条の三第一項第二号に掲げる建築物のうち、その認定型式に適合する建築物の部分が第百三十六条の二の十一第二号の表の建築物の部分の欄の各項に掲げるものであるもの 同表の一連の規定の欄の当該各項に掲げる規定(これらの規定中建築物の部分の構造に係る部分が、当該認定型式に適合する建築物の部分に適用される場合に限る。)
三  法第六条の三第一項第三号に掲げる建築物のうち防火地域及び準防火地域以外の区域内における一戸建ての住宅(住宅の用途以外の用途に供する部分の床面積の合計が、延べ面積の二分の一以上であるもの又は五十平方メートルを超えるものを除く。) 次に定める規定
イ 法第二十条(第四号イに係る部分に限る。)、法第二十一条から法第二十五条まで、法第二十七条、法第二十八条、法第二十九条、法第三十一条第一項、法第三十二条、法第三十三条、法第三十五条から法第三十五条の三まで及び法第三十七条の規定
ロ 次章(第一節の三、第三十二条及び第三十五条を除く。)、第三章(第八節を除き、第八十条の二にあつては国土交通大臣が定めた安全上必要な技術的基準のうちその指定する基準に係る部分に限る。)、第四章から第五章の二まで、第五章の四(第二節を除く。)及び第百四十四条の三の規定
ハ 法第三十九条から法第四十一条までの規定に基づく条例の規定のうち特定行政庁が法第六条の三第二項の規定の趣旨により規則で定める規定
四  法第六条の三第一項第三号に掲げる建築物のうち前号の一戸建ての住宅以外の建築物 次に定める規定
イ 法第二十条(第四号イに係る部分に限る。)、法第二十一条、法第二十八条第一項及び第二項、法第二十九条、法第三十条、法第三十一条第一項、法第三十二条、法第三十三条並びに法第三十七条の規定
ロ 次章(第二十条の三、第一節の三、第三十二条及び第三十五条を除く。)、第三章(第八節を除き、第八十条の二にあつては国土交通大臣が定めた安全上必要な技術的基準のうちその指定する基準に係る部分に限る。)、第百十九条、第五章の四(第百二十九条の二の五第一項第六号及び第七号並びに第二節を除く。)及び第百四十四条の三の規定
ハ 法第三十九条から法第四十一条までの規定に基づく条例の規定のうち特定行政庁が法第六条の三第二項の規定の趣旨により規則で定める規定

な、長いです。息が切れます。そして、目がチカチカする。それもそのはず、特例で審査対象外となる条文について一つ一つ記載されているのですから。
一号と二号はさらに令136条の2の11にリンクし、とても書ききれないので省略。この条文にある項目は、審査の対象外ですよ、という記述なのですがいちいち法令集をめくっていると、日が暮れます。
そこでというか、やはりというかわかりにくいと思う人は多いようで、こんな表を見つけました。
指定確認検査機関の日本ERI株式会社が作成した表です。→確認の特例による審査対象外規定の一覧(pdfファイルです)

この表をもとにお話をしますと、○が審査対象で×が対象外の項目(規定)となります。
ここで注意するのは、×の項目は何をしてもいいというわけではなく、建築基準法の要求には応えていなくてはなりません。審査されないだけです。
加えて、一号特例について厳密にいうと審査対象外というよりは、「大臣認定により、法に適合しているものとする」という表現の方がしっくりきます。
逆に、特例の対象になっている部分(審査対象外の部分)について行政や確認機関から問い合わせがあるような場合は、担当者が特例についてよく知らないか、知っているうえでの重大な指摘であるということになります。

いずれにしても、住宅が1棟建つと、関連する経済範囲はかなり広範に及ぶので、こういった特例措置が取られていないと、時間とお金がかかって経済活動に多大なダメージを与えますし、行政や確認審査機関の人手が確実に不足します。そういった面でも、この特例制度があるのでしょう。
しかし、一般ユーザーにしてみれば、工務店サイドの手抜きを法が認めているともとれるので、住宅建築を依頼される際には、工務店や建築士が本当に信頼がおけるかを消費者はしっかり見ているのだと肝に銘じる必要がありそうです。

余談ですが、大臣認定を受けて1号特例の住宅を手掛けるメーカーはかなり限られている模様です。鉄骨系のメーカーは、2階建てになると法6条1項3号に該当してしまうので構造計算が必要になりますから、大臣認定を受けてでも、申請が簡略化できるのが大きなメリットがあります。いちいち構造計算をしていたら、時間もお金もかかりっぱなしです。
木造系では、パネル式(ツーバイーフォーなど)のメーカーも認定を取っていることろがあるようです。
ただ、構造がいわゆる在来木造のメーカーは、すなおに3号特例を受けてしまえばよく、あえて面倒な認定を取っていないのが実情のようです。

また、今後のためにも、一度は日が暮れるまで令10条に書いてある条文を一つ一つたどりましょう。
きっとあとで、「よかったな」と思えるときがきます。

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