平成30年改正のパブコメで政令などの改正内容を先取り

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出典:http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=155180727&Mode=0

平成30年の建築基準法改正は去る6月27日に公布済みですが、関連する政令等の整備と題してパブリックコメント募集が実施されています。(上のリンクより参照可能です)

募集期間は8月29日まで、9月中旬には交付され、9月下旬には施行される見込みです。

改正法の内、3ヶ月以内に施行されるとされていたものが対象ということでしょう。

パブコメ概要を参照すると、法改正概要だけでは明らかになっていなかった細かな点についていろいろわかりますので、予習がてら要点を確認しておきましょう。

公開されているPDFから抜粋してご紹介していきますので、PDFを参照しつつご覧いただくとわかりやすいです。
築基準法の一部を改正する法律の施行に伴う関係政令の整備等に関する政令案(PDFが開きます)

合わせて確認しておきたい情報

建築基準法の一部を改正する法律(平成30年法律第67号)について(平成30年改正について)
[blogcard url=”http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/build/jutakukentiku_house_tk_000097.html”]

建築基準法等に基づく告示の制定・改正について(すでに施行ずみの、最近の改正告示)
[blogcard url=”http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/build/jutakukentiku_house_tk_000096.html”]

平成30年の建築基準法改正を予習しておきましょう
[blogcard url=”http://www.kenkihou.com/h30-houkaisei”]

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宅配ボックス設置部分に係る容積率規制の合理化(令第2条第1項第4号へ及び第3項第6号関係)

ネット通販の利用増加による宅配の増加、それに伴う再配達の増加は社会問題となっているのはご存知のところ。
集合住宅等の宅配ボックスの設置は、もはやインフラ整備に近い意義があるというわけで、容積率には含めないこととなります。

すでに建築物扱いされていない小規模倉庫も、防災倉庫の配備といった意味でインフラ整備のためのものだったことを考えれば当然のことでしょう。

気になるのは、確認申請書3面の容積率算定の部分に新たに項目が追加されるのでは、という点です。

申請書の書式は近年更新されまくっていますので、もうそろそろ勘弁して、という気はします。

小規模な特殊建築物に係る異種用途区画の廃止(令第112条第12項関係)

これはなかなか思い切った改正ですね。

法24条は、法23条の規制で十分だったということで廃止されることになりましたが、法24条を根拠条文としていた施行令112条12項の異種用途区画(規模の小さい方の異種用途区画)まで廃止される運びとなりました。

お金持ちの住宅には50㎡を超えるビルトインガレージがあったりしますが、もう異種用途区画しなくて良くなるわけですね。

「遮煙性能」とか言われても、なかなか性能を満たす建具がなかったりしたので朗報ですね。

日影規制に係る特例許可手続の合理化(令第135条の12第1項及び第2項関係)

これは日影規制に対する緩和の許可を受けた建築物に対する、さらなる緩和といったところですが、常識的に考えれば、明らかに日影の影響がない場合でも改めて許可を取らせていたことのほうが明らかに無駄だったわけで、合理化されて当然と言えます。

既存不適格建築物に対する容積率規制の緩和(令第137条の8第1項第1号、第2号及び第3号関係)

これは最初の宅配ボックスの件と、老人ホーム等の共用廊下は容積率算定の対象から除外できますよ、ということですね。

既存ストック活用の促進のため、という大義名分があります。

ちなみに、宅配ボックスはすでに新築でも容積率算定対象外ですが、老人ホーム等の共用廊下についても新築の建築物に適用されることになっています。

仮設建築物に対する制限の緩和(令第147条第1項関係)

これは完全にオリンピックのためのものですね。納得。

限定特定行政庁の事務の追加(令第148条第2項第1号関係)

4号建築物に対する、いわゆる「43条ただし書き許可」と呼ばれている接道規制に対しての改正です。

これは下の省令改正と関連していまして、43条ただし書き許可の適用について合理化していこうという流れを汲んだものになります。

本来、建築審査会を経なければ43条ただし書きは許可にならなかったのですが、下の省令改正内容に該当するものは建築審査会の同意を不要としましょう、という改正が行われますので、建築審査会が置かれていない限定特定行政庁でも事務が行えるようになった、ということです。

わかりにくいですが、一般市民にとってはメリットがあることと言えるでしょう。

Ⅱ.省令案関係 建築基準法施行規則(昭和25年建設省令第40号。以下「規則」という。)の改正について

このPDF資料だけを見ても、なんのことやらさっぱりわからないのですが、一つ上の項目でも述べましたとおり、これは43条ただし書き許可について合理化できる対象、条件を示したものとなっています。

避難や通行の安全性、提出書類などといった記載がありますが、重要なのは対象となる建築物の用途・規模ではないかと思います。

(2)をよく読んでみますと、「延べ面積200㎡以内の一戸建ての住宅」とありますから、この規模・用途から外れる建築物については今までと同様に建築審査会を経て許可されることとなるのでしょう。

建築審査会を経るか経ないかで、許可までにかかる時間がまったく異なりますから、注意が必要です。

施行が9月下旬とそう遠くない時期に迫っている情報ですから、現在進行中の計画などに対する影響は少なからず考慮しておく必要があります。

ただし、いずれの情報も正式に公布、施行されるまではあくまで事前情報という位置づけで、ご確認頂きますようお願いします。

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