建築申請memoか、建築法規PROか。それが問題だ。

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確認申請図書の作成や法規チェックで頼る存在として、設計されている皆様は何かしらの参考図書をお持ちのことでしょう。

このブログでもいろいろご紹介してますが、辞書的に建築法規を網羅した図書として「建築申請memo」をお使いの方も多いことでしょう。
同じように横組の新進気鋭の参考図書「建築法規PRO」の存在も気になっていたので、これらの本を比較することにしました。

最終的には実物を手にとって見比べていただくのが良いのでしょうが、書店に行く暇さえ無い方も多いでしょうから、私の独断と偏見でいろいろと考察したので良かったら参考にしてください。

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建築申請memoと建築法規PROの主な違い一覧

 建築申請memo

建築法規PRO

価格4400円+税3800円+税
製本(開きやすさ)普通の製本平らに開く製本
目次主に手続きと法規に分かれる総則・集団規定・防耐火など法チェックの項目別
索引無い有る
ページ表記セクションごと(1-1,2-1…)通常のページ表記
文字の大きさ全体的に均等図解脇の解説文がやや小さい場合あり
デザイン・色彩事務的な4色カラー項目ごとにテーマカラーがある
図解の多さ適度やや多い
法の要旨解説無い有る

それぞれの書籍の特徴をざっと並べるとこんな具合です。

お値段の違いは総ページ数の違いも影響していると考えられます。建築申請memoはページ表記が独特なので、全部で何ページなのか数えないといけないため数えていませんが、建築法規PROと並べてみても30ページくらい多いように見えます。

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それが値段の違いのようです。

価格以外にも、ざっと上に上げたような違いがあります。
どういう部分を重視するかによって、求める書籍は変わってくるでしょうし、一概にどちらが良いとは言えないのですが、それぞれのイイトコロを次の項目からピックアップしていきたいと思います。

建築申請memoのここがGoodここがいまひとつ

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建築申請memoの特徴といえば、セクションごとのページ表記。

1-1,10-3と言った感じに、目次の大項目の下に枝番が増えていく方式。
パラパラとめくって目的のページを探すとき、ざっくりと位置を把握するには見やすいですが、反面、セクションごとに枝番の多い少ないがあるため、一気に数字が飛んでしまって行ったり来たりすることもあります。

一長一短があります。

また、索引がないのは私にとっては結構痛いです。
建築基準法だけでなく、関連法規も網羅しているので辞書的に使いたい場面もありますが、それが叶えられません。

つまり、そういう使い方は想定していないのでしょう。

法の主旨の記載もなく、事実、取扱、解釈が列記されているだけなので、あまり考えず「こういうものだ」と事務的にこなしていくという感覚に陥りがちです。

もちろん、人情味あふれる語り口調で解説されても困りますが、少々冷たい感じもします。
ただ、こういう専門書に人間味を求めるのも筋違いなのでしょうね。

建築申請memoの最大の特徴は、やはり許認可関係も含めた事務手続き関係の資料の多さですね。

民法との関連まで解説してあったり、うんちく好きにはたまらない内容となっています。
開発許可や調整区域での建築、農地に関することなど、確認申請以前に必要となる手続きについての情報が多いです。

許可申請の際に行政に収める手数料まで掲載されていて、役所に備え付けてあってもおかしくない書籍とも言えそうです。

他に気付いたポイントとしては
・準防火木3の開口部制限の詳しい解説
・特定天井の説明
・構造関係、特に構造一級の関与、耐震改修、小規模木造の壁量計算まで網羅している
・バリアフリー法、品確法、省エネ関連の計算も詳しい
・申請時に添付する図書の詳細

と、これらの項目は建築法規PROにはあまりページが割かれておらず、優位性を感じました。

by カエレバ

建築法規PROのここが新しいここはもっとがんばれ

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一方、建築法規PROはどういった部分が特徴的なのでしょうか。

まず上の写真でもわかるように、製本に工夫があります。

昔、少年ジャンプの製本方式が変わって、平らに開きやすい綴じ方になりました。
もう20年以上前のことですが・・・。

横組ゆえに上下に開いて参照することになりますので、見ている途中で閉じると相当フラストレーションがたまります。

建築申請memo、しょちゅう、閉じちゃいますよね。
その点、建築法規PROはうっかり閉じてしまう事案が激減します。
些細な事ですが、ありがたいですね。

また、索引や法の主旨の説明があります。
巻末の索引にすべての建築法規用語が載っているというわけではありませんが、キーワードから調べたいことだってあります。

そんなとき、やっぱり心強いですし、素直に便利です。

また、法の主旨の説明も、法文の意味するところを理解しやすくなり、設計にも自分の考えを反映しやすくなります。

そして建築法規PROの一番の特徴は、見やすさ、デザインにあるように思います。


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上の写真からもわかると思いますが、建築法規PROはセクションごとにテーマカラーがあります。

建築申請memoは4色カラーをあまり規則性無く使っていますが、建築法規PROはテーマごとに図解に用いる色を決めているのでとてもシンプルで見やすいのと、慣れてくると今どの項目を見ているのかが、色でわかるようになります。

法規チェックで最もシビアな防火・避難関係が赤になっているのも、わかりやすい色使いです。

図解も、他の参考書にはないオリジナリティーあるものが多く、感覚的に捉えやすい図が多いと感じました。

ただ、図解に添えてある文字がやや小さい。
老眼の方はちょっと大変かもしれません。文字の大きさは、建築申請memoのように統一されている方が良いかな、と思います。

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ちょっとわかりにくいかもしれませんが、図の隣にある文字がやや小さくなっています。
(右側が建築法規PRO)

その他の特徴としては、セクションの構成が建築申請memoと違い、集団規定、単体規定(防火、避難、一般構造、設備)と法チェックすべき項目ごとにわかりやすくわけられている点が挙げられます。

防火耐火関連だけ、とか設備だけ、といった参照がとてもしやすくなっています。
また、エレベーターの併願、別願の申請方法の違いや、フラット35の仕組みや手続きについて記載されているあたりは、これまでにないアプローチだと感じます。

一方で、建築申請memoが許認可をはじめとする手続き関係に力を注いでいる部分は、建築法規PROはやや手薄となっている印象は否めませんでした。

すっきりと、キレイめ系なデザインで表のまとめ方などにも工夫があり、見やすさ、探しやすさはかなり優位性があるように思います。

特に排煙関係規定のチェック手順なんかは親切丁寧で分かりやすいです。

by カエレバ

建築申請memoと建築法規PROの電子版とは?

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両図書ともに、購入者には電子版の閲覧権限が与えられます。

建築申請memoは巻末に認証コードが記載されています。

建築法規PROは最初に訪れるべきサイトのアドレスが記載されていて、購入者しかわからないパスワードの案内があります。

いずれも、専用アプリから閲覧するスタイルで、使ってみると以下の写真のような具合です、といっても、両方共表紙ですが・・・。

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使い始めると、画面にはダウンロード云々と表示されますが、インターネットに接続していないと閲覧は出来ない仕様のようです。

ただ、ぶっちゃけたことを言いますと、この手の図書で電子版ほど使えない代物はない、と私は考えます。

やはり、参照ページをあれこれ行ったり来たりすることが多いですし、上下2ページを同時に閲覧できるから良い訳ですから本気で電子版を利用して欲しいのであれば、もっと閲覧用アプリを洗練させないとダメでしょうね。

建築申請memoは電子書籍の中でもリンクが張ってあり、タッチすると該当ページに飛ぶ機能がありますが、建築法規PROはリンク機能はありませんでした。

ただ、リンク機能があっても元のページに戻れなかったりして、なかなかイラッとする使い勝手です。
電子版の閲覧は現時点では重要視するポイントではないと思いました。

kenkihouは建築申請memoと建築法規PROをこう捉える

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建築申請memoをひとことで言い表すなら、

きっちり七三分けの、役所のベテラン職員

とでもなるでしょうか。

レイアウトや色使いに美しさはあまりないものの、許認可関係や手続き、添付書類関係の情報量はさすがです。

一方、建築法規PROは

事務所の頼れる上司、先輩

といった表現がしっくりくるように思います。

キレイなイラスト図解や法の主旨の解説で、要点を無駄なく理解できるように思います。


どちらが良いのかは、最終的にはみなさんの判断とはなりますが、個人的には許認可関係のことや添付図書については、地域差もありますから特定行政庁や申請先に聞いてしまえばいいと思っているので、普段閲覧していて楽しげな、建築法規PROをひっそりとオススメしたいと思います。

そして、建築法規PROや建築申請memoだけでは詳細のツメの部分まではチェックしきれません。

例によって、「防火避難規定の解説」や「建築設備設計・施工上の運用指針」、そして根幹をなす建築基準法の最新年版を必ず併用してくださいね。

by カエレバ
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