法改正による条文ズレには気をつけよう:平成30年9月

平成30年9月25日に施行された法改正により、条文の追加や削除、それに伴う条文ズレ、条文内の記載変更が発生しています。

細かな内容をすべて把握するには国交省の発表資料を見ていただくのが一番ですが、ここでは特に実務に影響がありそうな点に絞ってまとめます。

参考:
国交省:改正建築基準法の一部が、9月25日から施行されます

改正法施行第一弾:平成30年9月25日 ポイントは宅配ボックスと申請書式の改訂

宅配ボックスに関して容積緩和が出来る範囲:技術的助言

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法24条の削除【条文の削除】

国交省の資料で、法24条は以下のように記載されています。

(建築物が第22条第1項の市街地の区域の内外にわたる場合の措置)
第24条
建築物が第22条第1項の市街地の区域の内外にわたる場合においては、その全部について同項の市街地の区域内の建築物に関する規定を適用する。

これまでは法24条の2となっていた条文が、法24条の廃止により繰り上がったということです。

それと同時に、小規模の異種用途区画も廃止され、条文のズレが生じています。

施行令2条の追加、修正【条文の追加】

これは宅配ボックスに関する法改正によるもので、宅配ボックスの定義や容積率の緩和割合が追加されています。

第2条
次の各号に掲げる面積、高さ及び階数の算定方法は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

一~三(略)


延べ面積建築物の各階の床面積の合計による。ただし、法第五十二条第一項に規定する延べ面積(建築物の容積率の最低限度に関する規制に係る当該容積率の算定の基礎となる延べ面積を除く。)には、次に掲げる建築物の部分の床面積を算入しない。

イ~ホ(略)

ヘ 宅配ボックス(配達された物品(荷受人が不在その他の事由により受け取ることができないものに限る。)の一時保管のための荷受箱をいう。)を設ける部分(第三項第六号及び第百三十七条の八において「宅配ボックス設置部分」という。)

~略~

3
一から五 略
六 宅配ボックス設置部分 百分の一

施行令2条1項4号の「へ」が新設され、容積緩和が適用される部分として、またその定義も併記される形で宅配ボックスが登場しています。

そして、同条3項の第6号では、緩和の割合として「1/100」と記載されています。

施行令112条の削除、修正【条文の削除】

法24条が削除されたことにともない、その記載内容を対象として規定されていた異種用途区画、すなわち施行令112条12項も削除されました。

施行令112条には12項以下第16項までありましたが、13項以下の条文が一つずつ繰り上がり、第15項までとなりました。

13
第一項から第五項まで、第八項又は前項の規定による区画に用いる特定防火設備及び第五項、第八項又は第九項の規定による区画に用いる法第二条第九号の二ロに規定する防火設備は、次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める構造のものとしなければならない。

一(略


第一項第二号、第四項、第八項若しくは前項の規定による区画に用いる特定防火設備又は第八項若しくは第九項の規定による区画に用いる法第二条第九号の二ロに規定する防火設備次に掲げる要件を満たすものとして、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたもの

イ・ロ(略

14 給水管、配電管その他の管が第一項から第四項まで若しくは第十二項の規定による一時間準耐火基準に適合する準耐火構造の床若しくは壁、第五項若しくは第八項の規定による耐火構造の床若しくは壁、第九項本文若しくは第十項本文の規定による準耐火構造の床若しくは壁又は同項ただし書の場合における同項ただし書のひさし、床、袖壁その他これらに類するもの(以下この項及び次項において「準耐火構造の防火区画」という。)を貫通する場合においては、当該管と準耐火構造の防火区画との隙間をモルタルその他の不燃材料で埋めなければならない。

15 略

その他、施行令112条の条文ズレが生じたことにより、区画部分の防火設備や、貫通措置等の記載を引用していた条文に影響が出ています。

施行令113条や、防火上主要な間仕切り壁の規定である施行令114条、避難階段等の規定である施行令123条等、要求される内容には変更はないものの、参照すべき条文が変わってきますので念の為注意しておきましょう。

法改正による条文ズレには気をつけよう:まとめ

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