防火避難規定 防火区画 区画の種類・規模・方法

注:最新の令112条はこちらの記事でご確認ください。記事内の項ずれは適宜読み替えてください。ご不便をおかけしますがご了承ください。
【2020年(令和2年)版】 基準法施行令112条(防火区画関連)最新条文(告示番号付き)

平成30年の法改正で防火区画関連の条文の削除や修正があります。法改正経緯を残すという意味で、記事はそのままにします。

実際の正確な条文は、参考記事や最新の法令集で確認してください。

参考記事:
国交省:改正建築基準法の一部が、9月25日から施行されます

平成30年改正のパブコメで政令などの改正内容を先取り

法改正による条文ズレには気をつけよう:平成30年9月

追記(2019年10月)
令和元年施行の法改正で、防火区画関係に大きな改正がありました。過去の記事は経緯記録として修正せず、追加情報として記事リンクを記載します。

【令和元年改正】防火区画:令112条の要点まとめ

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防火区画は防火避難規定のボスキャラ的存在

防火避難規定のボス的存在の、防火区画についてまとめてみます。

防火区画 関連条文

防火区画は法36条に基いて、施行令112条に規定が定められています。
まずは条文を確認します。

(防火区画)
第百十二条
主要構造部を耐火構造とした建築物又は法第二条第九号の三 イ若しくはロのいずれかに該当する建築物で、延べ面積(スプリンクラー設備、水噴霧消火設備、泡消火設備その他これらに類するもので自動式のものを設けた部分の床面積の二分の一に相当する床面積を除く。以下この条において同じ。)が千五百平方メートルを超えるものは、床面積(スプリンクラー設備、水噴霧消火設備、泡消火設備その他これらに類するもので自動式のものを設けた部分の床面積の二分の一に相当する床面積を除く。以下この条において同じ。)の合計千五百平方メートル以内ごとに第百十五条の二の二第一項第一号に掲げる基準に適合する準耐火構造の床若しくは壁又は特定防火設備(第百九条に規定する防火設備であつて、これに通常の火災による火熱が加えられた場合に、加熱開始後一時間当該加熱面以外の面に火炎を出さないものとして、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものをいう。以下同じ。)で区画しなければならない。ただし、次の各号のいずれかに該当する建築物の部分でその用途上やむを得ない場合においては、この限りでない。

一  劇場、映画館、演芸場、観覧場、公会堂又は集会場の客席、体育館、工場その他これらに類する用途に供する建築物の部分
二  階段室の部分又は昇降機の昇降路の部分(当該昇降機の乗降のための乗降ロビーの部分を含む。)で第百十五条の二の二第一項第一号に掲げる基準に適合する準耐火構造の床若しくは壁又は特定防火設備で区画されたもの
2  法第二十七条第二項 、法第六十二条第一項 又は法第六十七条の二第一項 の規定により準耐火建築物とした建築物(第百九条の三第二号又は第百十五条の二の二第一項第一号に掲げる基準に適合するものを除く。)で、延べ面積が五百平方メートルを超えるものについては、前項の規定にかかわらず、床面積の合計五百平方メートル以内ごとに同号に掲げる基準に適合する準耐火構造の床若しくは壁又は特定防火設備で区画し、かつ、防火上主要な間仕切壁を準耐火構造とし、小屋裏又は天井裏に達せしめなければならない。
3  法第二十一条第一項 ただし書の規定により第百二十九条の二の三第一項第一号 ロに掲げる基準に適合する建築物とした建築物、法第二十七条第一項 ただし書の規定により第百十五条の二の二第一項第一号 に掲げる基準に適合する建築物とした建築物又は法第二十七条第二項 、法第六十二条第一項 若しくは法第六十七条の二第一項 の規定により第百九条の三第二号 若しくは第百十五条の二の二第一項第一号 に掲げる基準に適合する準耐火建築物とした建築物で、延べ面積が千平方メートルを超えるものについては、第一項の規定にかかわらず、床面積の合計千平方メートル以内ごとに同号 に掲げる基準に適合する準耐火構造の床若しくは壁又は特定防火設備で区画しなければならない。

4  前二項の規定は、次の各号のいずれかに該当する建築物の部分で、天井(天井のない場合においては、屋根。第六項、第七項及び第九項において同じ。)及び壁の室内に面する部分の仕上げを準不燃材料でしたものについては、適用しない。

一  体育館、工場その他これらに類する用途に供する建築物の部分
二  第一項第二号に掲げる建築物の部分
5  建築物の十一階以上の部分で、各階の床面積の合計が百平方メートルを超えるものは、第一項の規定にかかわらず、床面積の合計百平方メートル以内ごとに耐火構造の床若しくは壁又は法第二条第九号の二 ロに規定する防火設備で区画しなければならない。
6  前項の建築物の部分で、当該部分の壁(床面からの高さが一・二メートル以下の部分を除く。次項において同じ。)及び天井の室内に面する部分(回り縁、窓台その他これらに類する部分を除く。次項において同じ。)の仕上げを準不燃材料でし、かつ、その下地を準不燃材料で造つたものは、特定防火設備以外の法第二条第九号の二 ロに規定する防火設備で区画する場合を除き、前項の規定にかかわらず、床面積の合計二百平方メートル以内ごとに区画すれば足りる。
7  第五項の建築物の部分で、当該部分の壁及び天井の室内に面する部分の仕上げを不燃材料でし、かつ、その下地を不燃材料で造つたものは、特定防火設備以外の法第二条第九号の二 ロに規定する防火設備で区画する場合を除き、同項の規定にかかわらず、床面積の合計五百平方メートル以内ごとに区画すれば足りる。
8  前三項の規定は、階段室の部分若しくは昇降機の昇降路の部分(当該昇降機の乗降のための乗降ロビーの部分を含む。)、廊下その他避難の用に供する部分又は床面積の合計が二百平方メートル以内の共同住宅の住戸で、耐火構造の床若しくは壁又は特定防火設備(第五項の規定により区画すべき建築物にあつては、法第二条第九号の二 ロに規定する防火設備)で区画されたものについては、適用しない。

9  主要構造部を準耐火構造とし、かつ、地階又は三階以上の階に居室を有する建築物の住戸の部分(住戸の階数が二以上であるものに限る。)、吹抜きとなつている部分、階段の部分、昇降機の昇降路の部分、ダクトスペースの部分その他これらに類する部分(当該部分からのみ人が出入りすることのできる公衆便所、公衆電話所その他これらに類するものを含む。)については、当該部分(当該部分が第一項ただし書に規定する用途に供する建築物の部分でその壁(床面からの高さが一・二メートル以下の部分を除く。)及び天井の室内に面する部分(回り縁、窓台その他これらに類する部分を除く。以下この項において同じ。)の仕上げを準不燃材料でし、かつ、その下地を準不燃材料で造つたものであつてその用途上区画することができない場合にあつては、当該建築物の部分)とその他の部分(直接外気に開放されている廊下、バルコニーその他これらに類する部分を除く。)とを準耐火構造の床若しくは壁又は法第二条第九号の二 ロに規定する防火設備で区画しなければならない。ただし、次の各号のいずれかに該当する建築物の部分については、この限りでない。

一  避難階からその直上階又は直下階のみに通ずる吹抜きとなつている部分、階段の部分その他これらに類する部分でその壁及び天井の室内に面する部分の仕上げを不燃材料でし、かつ、その下地を不燃材料で造つたもの
二  階数が三以下で延べ面積が二百平方メートル以内の一戸建ての住宅又は長屋若しくは共同住宅の住戸のうちその階数が三以下で、かつ、床面積の合計が二百平方メートル以内であるものにおける吹抜きとなつている部分、階段の部分、昇降機の昇降路の部分その他これらに類する部分
10  第一項から第四項までの規定による第百十五条の二の二第一項第一号に掲げる基準に適合する準耐火構造の床若しくは壁(第二項に規定する防火上主要な間仕切壁を除く。)若しくは特定防火設備、第五項の規定による耐火構造の床若しくは壁若しくは法第二条第九号の二 ロに規定する防火設備又は前項の規定による準耐火構造の床若しくは壁若しくは法第二条第九号の二 ロに規定する防火設備に接する外壁については、当該外壁のうちこれらに接する部分を含み幅九十センチメートル以上の部分を準耐火構造としなければならない。ただし、外壁面から五十センチメートル以上突出した準耐火構造のひさし、床、そで壁その他これらに類するもので防火上有効に遮られている場合においては、この限りでない。
11  前項の規定によつて準耐火構造としなければならない部分に開口部がある場合においては、その開口部に法第二条第九号の二 ロに規定する防火設備を設けなければならない。
12  建築物の一部が法第二十四条 各号のいずれかに該当する場合においては、その部分とその他の部分とを準耐火構造とした壁又は法第二条第九号の二 ロに規定する防火設備で区画しなければならない。
13  建築物の一部が法第二十七条第一項 各号のいずれか又は同条第二項 各号のいずれかに該当する場合においては、その部分とその他の部分とを第百十五条の二の二第一項第一号に掲げる基準に適合する準耐火構造とした床若しくは壁又は特定防火設備で区画しなければならない。
14項~16項 略

防火区画 施行令112条第1項から13項 図解

112防火区画その1

【2014/02/09 画像のリンクが切れていましたので修正しました】施行令112条の1項から13項までを見える化すると、上記の図のようになります。

防火区画 概略

防火区画はどの項目も条文だけで見ると大変わかりにくいのですが、ちょっとコツをつかめばそれほど大したことはありません。
1項から3項の面積区画は、1項の任意のものか、2項、3項の耐火要求のある建築物かで要求される区画が変わります。
特に2項の場合は、防火上主要な間仕切りについての規定もあるので、気をつけたいところです。
5項から7項の高層区画については、内装仕上げと面積がポイントになります。

緩和規定をよく理解して、共同住宅等の場合は、うまくかわしていくことになります。
竪穴区画もポイントを押さえればそれほど難しくありませんが、たとえば準防火地域内で延200㎡超の3階建ての住宅を準耐火構造で計画する場合は、竪穴区画が必要になってきます。
逆に、準耐火建築物ではあるが、主要構造部が準耐火構造ではない建築物は、竪穴区画は不要です。
結構な、うっかりポイントなので覚えておいて損はないでしょう。
とにかく、条文を読んでみてください。10回くらい読むと、だいぶ見えてきます。

異種用途区画についても、条文通りといってしまえばそれまでですが、複合用途の建築物では判断や取り扱いが色々ありますから、事前に確認審査機関で相談しておくほうがいいでしょう。防火区画も計画見直しとなると、コストに与える影響は少なくないので、しっかりとチェックする必要があります。
とくに、面積区画の2項、3項が間違えやすいのではないかと思います。

区画部分の配管等の措置、防火設備の仕様は別の記事にまとめています。
防火避難規定 防火区画 区画する防火設備や配管設備の措置について

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